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理工学部生 東京科学大学 医歯学系(旧医科歯科大)大学院入試 合格体験

こんにちは
東京科学大学の博士課程に所属しているyoneです。

今日は東京科学大学 医歯学系(旧 東京医科歯科大学)大学院 医歯学総合研究科の修士課程の受験体験記を書いてみたいと思います。
私は2021年の夏に受験しましたが、先輩後輩の受験の話も踏まえて書きます!

※大学統合を受けて今後、入試制度が変わる可能性があるので、最新情報は大学公式Webサイトをご参照ください。


今回も、文章が長くなってしまいました。
適宜興味のあるところに飛んでいただければと思います。

そもそもどんな研究室があるのか

理工学部出身で医歯学系の中に入って研究できるのかということについては、
以前紹介しましたので、こちらをお読みいただければと思います。

結論、理工学系(旧 東工大)じゃなくても医工学関連であれば、創薬、材料力学、ロボット、IoT、AI、AGI(汎用人工知能)の研究に携われます

医歯学系修士課程の受験

医歯学総合研究科 医歯理工保健学専攻を受験

医学部、歯学部出身の方は人によって、研究科が分かれる可能性もありますが、
その他の理工学部などの出身の方は医歯学総合研究科 医歯理工保健学専攻を受験することになると思います。
今回はこの医歯学総合研究科 医歯理工保健学専攻の受験について書いていきます。

研究室見学はオープンキャンパス時に可能

院試の壁の1つが研究室見学だと思います。
外部大からだと雰囲気が全く分からなくて勇気が必要ですが、
医歯学系は学部からの内部進学がないので、ほぼ外部からの進学です。
すでに仲の良い人たちに混ざるということはないので安心してください。

研究室が所属している研究所毎に開催しているオープンキャンパス時に研究室見学も開催されることが多いので、
まずはオープンキャンパスに参加してみるのが良いと思います。
(2月~6月にかけて開催しているイメージです)

後述しますが、受験に希望の指導教員の受験許可が必要となります。研究室見学時に確認するようにしましょう。
研究室によるとは思いますが、記録に残すという意味でもメールなどでしっかりもらうことが多いように思います。

以前紹介した研究所でオープンキャンパスのページが直ぐに見つかったものをここに貼っておきます。

倍率

大学のサイトに過去3年間の入試実施状況が公開されていました。

修士課程医歯理工保健学専攻一般入試出願倍率
※実質倍率:受験者数/合格者数
2022年度:1.40(実質倍率:1.12)
2023年度:1.62(実質倍率:1.32)
2024年度:1.79(実質倍率:1.48)

過去の試験問題・入試データ | Science Tokyo 旧・東京医科歯科大学

追加合格は2022年度で2名、2024年度で5名となっています。
出願倍率を見ると、高いと感じる人がいるかもしれませんが、
実際に受験して合格した人の倍率をみると平均的かもしれません。
それでも年々伸びているように見えます。統合の影響でしょうか。

理工学系より簡単?

理工学系の入試データと比較してみましょう。
理工学系と医歯学系で公開しているデータが違ったので、理工学系に合わせたときの医歯学系の倍率も併記してみました。

理工学系全体の倍率(志願者数/合格者数)
2022年度:1.57(医歯学系:1.19)
2023年度:1.61(医歯学系:1.38)
2024年度:1.72(医歯学系:1.53)

入学試験状況 | Science Tokyo 受験生

理工学系は様々な学院、系があるので、個別の倍率をみると傾向が違う可能性もあります。
そもそも、理工系の合格者数は例年2,000人弱いるのに対して医歯学系は例年125人前後となっているので、単純に倍率で比較するのはいいのか…という点には注意が必要ですね。
倍率をみると医歯学系の方が穴場なのかもしれません。

医歯学系受験には受け入れ先の指導教員の許可が必要

大学によっては、大学院に合格後に配属される研究室が成績順に希望に合わせて振り分けられるところがあると思います。
医歯学系は出願時点で希望する指導教員からの受験許可をもらう必要があります。(医学部、歯学部の名残らしいです)
定員以上にサイン(許可)しないという方針の研究室であれば、合格すれば確実に配属されます(一応第2希望まで出せます)

難易度は高くない

倍率的に穴場と書きましたが、試験を見ても穴場と言えると思います。

医歯学系の受験科目は
TOEFL-ITP、専門科目(生物、化学、工学、臨床検査学、社会医学、口腔保健から1科目選択)、面接です。

TOEFL-ITPは500点以上?

周りを見ると500前半のスコアの人が多いようです。
(東大の目安が550と聞いたことがあります)
400中盤でも合格した人がいるので、そこまで高いレベルが求められているわけではないでしょう。
500超えることを目指して勉強すればいいのではないでしょうか。

専門科目

これは個人的には断言しますが、理工学系の筆記試験と比べると医歯学系の筆記試験は簡単です。
学部でも落単しない程度に勉強している方なら、試験半年前の学部3年の2月くらいから過去問をちょこちょこ解くことを中心に準備すれば余裕といった感じだと思います。

私が受験したときはTOEFL ITPと専門科目で英語を選択できたので、英語だけで受験できました。
2024年から英語が専門科目から外れたので、英語だけで受験できるという穴場感はなくなりましたね笑

ただ他の科目についても難易度が高くない、むしろ簡単と言われています。
私は機械工学系の学部出身なので工学の問題をみたことがありますが、基礎的な内容が多かった印象です。
工学で受験した同期も学部時代の定期試験の方が難しかったと言っていました。
対策勉強として学部受験時代の参考書を引っ張り出してきていた人もいました。
ただ、うっかりミスなどで点数を落とす人が多いらしいので、基本的な内容を焦らず解いていくことが重要ですね。
感覚としては、センター試験・大学入学共通テストの緊張感に似ているのかなと個人的には思います。

研究室によっては
大学が配布している過去問より以前の過去問を持っていたり、
受験生同士のLINEグループや勉強会などを開いているところもあるようなので、研究室見学の際に聞いてみてください!

面接

出願書類の「研究の展望・抱負」を元に面接が進みます。
時間については、一瞬で終わった印象です。
5分~10分程度だったかと。
受験生1:面接官3くらいでした。

聞かれた内容としては次のような内容です。

  • 筆記試験の手応え

  • どんな研究したいのか

  • 専攻変わるけど大丈夫か(私の場合、流体力学系から情報工学系の研究室だったので)

  • 希望する指導教員とはコミュニケーション取れているか

とくに最後の指導教員とのコミュニケーションは色んな角度から確認された記憶があります。
受験許可をもらう際や出願書類である「研究の展望・抱負」の内容を添削していただくなどして、受験前からコミュニケーションを取ることを心がけるといいでしょう。

理工学系と医歯学系のW受験?

理工学系の方は、A日程B日程といった複数の受験機会があるようですので、
同じ東京科学大学でも日程によっては3回の受験機会を作ることができるかもしれませんね。
※憶測なので、各要項を確認していただければ!

ぜひ医歯学系に挑戦を!

来年から医歯学系でも理工学系の勉強ができるコースが始まります!

理工学系と比べると圧倒的に知名度が低いですが、
工学部出身でも医歯学系に所属できるので医工連携、医工学に興味ある方は挑戦してみてください!

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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