バイスタンダー介入研修は安全な環境を作る 国際機関からの提唱
2019年に発表されたWHO(世界保健機構)とUN Womeが政策立案者を対象とした女性に対する暴力を防止するための枠組み「RESPECT Women」https://www.who.int/publications/i/item/WHO-RHR-18.19 では、性暴力やハラスメントを未然に防ぐ手段として、バイスタンダー(第三者)介入が挙げられています。アメリカのワシントンに事務所を置くグリーンドットは、「ランダム化比較試験によりグリーンドットを導入した13の高校は、導入しなかった13の高校に比べ、性交渉の強要、性交渉の身体的な強制、アルコールや薬物の影響下での性交渉、セクシュアル・ハラスメント、デートDVなどの報告件数が3年目には17%、4年目には21%減少したと報告しています(Ann L.Coker,Heather M.BushPatricia G.Cook-Craig,SarahA.DeGue,Emily R.Clear,Candace J.Brancato,Bonnie
S.Fisher,Eileen A.Recktenwald.RCT Testing Bystander Effectiveness to Reduce Violence、2017)」このように、バイスタンダー介入が性暴力やハラスメントの低減につながるものです。日本でも、女性の約12人に1人、男性の約140人に1人が不同意性交を経験しており(内閣府男女共同参画局https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/pdf/r05/r05danjokan-7.pdf )日本社会で普及させることは、性暴力の発生率を下げ、誰にとっても安心できる環境づくりに貢献すると考えています。
まず、バイスタンダー介入は、誰もが積極的に周囲に目を向け、適切に行動することを促すものです。これにより、性暴力やハラスメントのリスクが高い状況を見過ごさずに対応することが可能となります。たとえば、公共の場で不適切な行為が行われる際、バイスタンダーが声を上げたり、介入することで、暴力やハラスメントの発生自体を防ぐことができます。バイスタンダーが果たす役割は、単に被害者を守るだけでなく、社会全体の安全を確保することにあります。日本でもこの考え方が広まり、社会のすべての人が安心して生活できる環境を作るために、バイスタンダー介入の普及が急務です。
次に、バイスタンダー介入は、性暴力の被害者が直面する二次被害を防ぐ手段にもなります。二次被害とは、被害者が性暴力を受けた後に、周囲の無理解や不適切な対応によってさらなる心理的苦痛や社会的孤立を強いられる状況を指します。日本においても、性暴力の被害者が報告をためらう一因として、周囲からの偏見や否定的な反応、あるいは適切な支援が受けられないことへの恐れが挙げられます。
バイスタンダー介入の研修を受けた人々が、被害者に寄り添い、感情的なサポートを提供することで、被害者は二次被害から守られ、より早い段階で適切な支援を受けることが可能となります。これは被害者が自分の経験を話す際に、安心して話せる環境を提供することにもつながります。
私たちは、性暴力の予防と被害者支援のために、バイスタンダー介入を日本社会に広めることを目指しています。バイスタンダー介入は、周囲の人々が勇気を持って行動することで、暴力の発生を未然に防ぎ、誰にとっても安心できる環境を作り出す強力な手段です。この試みを広めるために2024年11月10日に日本で初めてのバイスタンダー介入研修シンポジウムを開催します。
11/10(日)STOP性暴力!バイスタンダー介入でキャンパスをもっと安全に
https://note.com/leal_newt237/n/n982cd2f18e4c
あなたもこのシンポジウムにぜひご参加ください。私たち一人ひとりが行動することで、より安全で包摂的な社会を築く力になれるはずです。皆さまのご参加を心よりお待ちしています。