大学生が直面する性暴力の現実とバイスタンダー介入研修の必要性
日本の大学では、学生同士の飲み会やクラブ活動中に、セクハラや性暴力が頻繁に発生しています。特に飲み会の場で、同意なしに身体を触られる、望まない性的なな発言をされるといった被害が多く報告されており、被害者は深刻な心理的ダメージを負うことがあります。このような状況を防ぐためには、バイスタンダー(第三者)が積極的に介入し、被害が拡大するのを防ぐことが非常に重要です。
SafeCampusの調査が示す大学での性暴力の実態
学生団体SafeCampusが2022年に行った実態報告調査では、何らかの性暴力被害の経験があると回答した学生は24%。そのうち約36%が「飲み会の場で性的な嫌がらせを受けた経験がある」と答えています。特に新入生や未成年の学生がターゲットになるケースが多いことが明らかになり,、「身体を無断で触られた」という被害も多く見られ、[オンライン会議ツールを通 して何らかの性暴力]」を経験していることも明らかになりました。
SafeCampusの調査結果は、大学内における性暴力の深刻さを浮き彫りにし、これまで以上に迅速な対策が求められていることを示しています。しかし、これらの問題に対する意識はまだ十分に広まっておらず、大学や学生が対策を講じる機会も限られています。
バイスタンダー介入研修がもたらす効果
バイスタンダー介入研修は、このような状況を改善する有効な手段です。介入とは、暴力やハラスメントが起こりそうな場面で第三者が積極的に関与し、被害を未然に防ぐ行動を指します。研修では、具体的なシナリオを通じて、どのように介入すればよいかを学びます。例えば、セクハラ発言をしている友人を止めたり、危険な状況に陥りそうな人に声をかけたりする方法を実践的に学ぶことができます。
アメリカでは既に多くの大学でこの研修が導入され、性暴力の発生件数が減少するという成果が上がっています。SafeCampusの調査結果を受け、日本の大学でもバイスタンダー介入研修を取り入れる必要性は明らかです。日本特有の文化や社会的背景を考慮したプログラムの開発が必要ですが、まずは学生一人ひとりが「自分が介入する力を持っている」という意識を持つことが重要ですし、そのためのサポートを大学当局が提供する必要もあります。
まとめ
大学生活は楽しいものであるべきですが、性暴力やセクハラの被害に遭うことでその貴重な時間が奪われてしまうことがあります。SafeCampusの調査が示すように、性暴力は決して一部の学生だけの問題ではなく、誰にでも起こり得る身近な問題です。だからこそ、私たち全員がバイスタンダーとしての役割を理解し、積極的に行動できるようになるための研修が必要です。大学でのバイスタンダー介入研修の普及が進むことで、学生が安心して学べる環境が整うことを期待しています。
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引用元:
SafeCampus. (2022). 大学における性暴力の実態調査報告書.(https://linktr.ee/safe_campus_)