推し活記事詰め合わせ
【SS】鳥居の上に腰掛けて
月明かりがぼんやりと拝殿を照らしている。
私は境内を走り回り、君を探した。
「こっち、こっち」
声のした方を見ると、鳥居に腰掛けている人影が見えた。君以外にそんなことをする罰当たりはいない。
「…下りて来て」
私が言うと、君はにっと笑い
「君が上がっておいでよ」
と言った。
「駄目だよ。罰が当たる」
「そんなことないよ。景色が綺麗だよ」
「…」
隣の木に登って、そこから鳥居に飛び乗る。みしっと嫌な音がして私の身はすくんだ。それを見て、君は大声で笑う。
「やっぱり、明里は面白い」
「馬鹿にしないでよ」
君が笑う声だけが、夜空に響いている。月がひどく明るい夜だ。何の音もしない、冷たい夜。
「…今日で、お別れなんだね」
私が絞り出すように言うと、君は寂しそうな顔をした。
「…そうだね」
月明かりが照らしたその横顔が、僅かに透けているような気がした。
「私といて、楽しかった?」
「楽しかったさ」
君は笑う。その体から小さな光の粒が舞い上がり、夜空へと消えていく。
「人は、純粋でいられる。可愛らしくいられる。誰かの光になれる。希望になれる。それを教えてくれた太陽は、明里。君だった」
君の体は、風が吹けば消えてなくなるほど透けていく。
「…何か、私に」
「しあわせでいて。それが僕の望みだ」
私は、君を見ていられなくなって、月を見ていた。にじむ視界は、きっと寒さのせいだ。
「今まで誰かを想ってきたやさしさで、自分を大切に想って。君が笑っているのなら、僕はそれでいい」
そう言って君が笑った。冷たい風が吹いた。
そこには、もう誰もいなかった。
【詩】それは手紙のような
久遠の空を夢見て
帆を張った宇宙船
玲瓏な鈴の音
潮風に歌う蛙
坂道に金色の夢
陽光が差した雨上がり
虹がそこに高く咲いた
岸辺に舞う花びら
それは夏の名残
歴史とはかくも儚いもの
されど愛しいもの
緑の葉茂る森に立って
遠く雪の山並みを思う
彩られたのは月
藤色の月光
希望に似た歩みを
正しさよりも優しさを
清らかに移ろう季節と踊り
西風に歌が芽吹く
地球さえ置き去りにして
実った熱は証
一緒にいた証
美しい花が咲いた
明るい笑顔のとなりに
ただそれを伝えるために
本編
前半に思いを託したショートショートと詩をぶち込むという、なかなかにトリッキーなスタイルでお届けする今回の記事。
もちろん、推し活記事です。
我が生涯の推し、丹生明里さんの卒業セレモニーが終わりました。
僕はそもそも体調が原因で参加できないことが確定していたが、こうして綴るとより寂しさが募る。日向坂46を見つけるたび、あの笑顔をこれからも探すのだろう。それがわかっていて悲しくなる。
僕は、これからも日向坂46を推す。
それは、丹生ちゃんが大好きな日向坂を僕も大好きでいたいから。
そして、丹生ちゃんの隣で頑張ってきたみんなを、これからも応援したいから。
僕は、ずっとおひさまでいるのでしょう。
丹生ちゃんへ
見ているはずもないことをわかって、僕はここにあなたへの思いを綴ります。ずるい方法を選んだ僕を許してね。
はじめて丹生ちゃんを見つけたとき、なぜだか涙が流れたことを覚えています。世界中の誰より輝いているその笑顔に、僕は釘付けになった。
当時の僕は消えそうなほど心が弱っていて、あなたがとても眩しく思えた。素敵だと思った。
その気持ちは、今も変わらず僕の胸の中にいます。
15年と少しの闘病(そう呼べるかはわからないけれど)の中で、丹生ちゃんは初めて出会った瞬間からずっと、僕の希望だった。
僕が悲しい選択をしないでいられたのは、日向坂46の、丹生ちゃんのおかげだ。
たくさんの「ありがとう」を言葉にして、ここに残すね。
あなたの笑顔が僕の希望でした。
どうか、丹生ちゃんのこれからが希望に溢れていますように。
たくさんの夢を叶えていけますように。
ずっと大好きだよ。
日向坂46でいてくれて、ありがとう。
ずっと、ずっと大好きだよ。
答えなら出てる。
ありがとう、丹生ちゃん。
書きながら号泣してる。
酒を飲みながら書いたのも良くなかったのだろう。ただでさえ人様に見せられない顔が、更にひどいことになっている。最近肌荒れもひどいんだ、これが。
常々言っていることではあるが、万が一この記事(これだけじゃないけど)がご本人たちの目に届いたら、僕は嬉しさのあまり成層圏まで舞い上がり、恥ずかしさのあまりそこで爆発四散して、夜空に輝く星になるだろう。べ○ータが「汚え花火だ」と言いそうだ。
そうなりたいような、なりたくないような…。とりあえず、爆発はしたくない。丹生ちゃんと日向坂の未来を見たい。
ちなみに、詩の太文字部分についてはおひさまならわかってくれる…はずだ。出来については言わないでくれ。本当に詩の腕が落ちた…。
是非皆様も、日向坂46の新旧メンバーの名前を見ながら読んでみてください(ほぼ答えを言ってる)。
それでは、僕は「One choice」聴きながらまた執筆します。
下にYoutube貼っとくので、皆さんも是非。