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空想エッセイ 昨夜の話

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作者・ナルが昨夜体験したかもしれない、妖怪たちとの交流のお話。事実か空想かは、ご想像にお任せします。
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#甘茶

【空想エッセイ】番外編・キャラ紹介

今日の空想エッセイは番外編である。これまで作品に登場してくれた、4人の妖怪(と一人)について、実際の伝承を(うっすら)織り交ぜながら紹介する。 ぬらりひょん伝承 江戸時代の妖怪絵巻などにその姿が確認できる。はげ頭の老人の姿で描かれることが多い。 岡山県の伝承では「海坊主」の一種とされる。この伝承については、大型のクラゲやタコを妖怪視したものと考えられる。このぬらりひょんと、妖怪絵巻のぬらりひょんが同一のものかは不明。 妖怪の総大将とされるが、後代における俗説であるとも。

【空想エッセイ】昨夜の話(2)

「はあ…。」 僕はため息をついた。缶チューハイを飲む。またため息。 やっぱりだめだったかあ…。 こんこん、と窓を叩く音。東北にはうっすらと秋が来た。夜はもう、ちょっとだけ寒い。窓を開けた。 「やあ、一つ目小僧と………誰?」 「今日は新しい友達を連れてきた!イッポンダタラだよ。」 「こんばんはー。イッポンダタラっす。よろしくー。」 大きな身体。隻眼で、一本足。なのに、ノリが軽い。 「よろしく、イッポンダタラくん。なんて呼べばいい?」 お菓子を支度しながら、僕は尋ねた。今日はと