【SS】Loopする彼【イメージ:二次創作】
凡造、と名前を呼ばれて僕は振り返った。
沙綾が僕を見つめて立っている。白愛大学の構内。
僕は何度この光景を見ただろうか。
他の誰も気付いていないことだが、僕らは同じ『今日』を繰り返しているようだ。
十回目までは数えていたのだけど、途中で飽きてやめた。
タイムループというと狂う人がいたりするのがフィクションの定番だけれど、僕には案外居心地が良いものだった。
最良の『今日』を見つけるため、さまざまな選択肢を試してきた。実を言うと、僕の行動が世界を滅ぼすパターンもある。何度目かの