三遠ネオフェニックスvsアルバルク東京があまりにも楽しみすぎる件について
愛知セントラルカップ(以下ACC)という、愛知県を本拠地とするB1所属4チームが集まったトーナメント戦で圧倒的な優勝を果たした三遠ネオフェニックス。
そんな三遠が今シーズンのホーム開幕戦で迎え撃つのが、同地区で優勝候補筆頭(私調べ)のアルバルク東京。
今シーズン、私がぶっちぎりで1番楽しみにしているカードなんだけど、9/7、9/8に行われた両チームのプレシーズンマッチを経てこの対戦カードへの楽しみが3倍増しになった。
そこで勝手に「何故、今季の三遠ネオフェニックスvsアルバルク東京がリーグ屈指の好カード(私調べ)なのか」について見所をまとめておきたい。
①吉井裕鷹 VS レオナルド・メインデル
今夏パリで行われたオリンピック男子バスケの日本vsブラジル戦にてマッチアップしていた🇯🇵91と🇧🇷14の対決が10月になったら日本で見られる。
これだけでこの試合を見る価値は十分に存在する。
それも🇯🇵91こと吉井くんは元々アルバルクに所属していた選手。
昨シーズンは同じチームでポジション争いをしていた2人がパリでそれぞれの国を背負って戦い、別のチームへと帰還して今度は同じリーグでそれぞれのチームのためにマッチアップする。
この数ヶ月の変遷に滾らない人が存在するわけないでしょう。
昨シーズンは年間通して、私たちが見えないところで日々練習の中でマッチアップしてきていたんだろう。
チームメイトであった故に私たちの目に触れる機会はなかったけれど、これから1年はこのマッチアップが何度も見られる。
昨夏のW杯で吉井くんにベタ惚れし手を引かれるようにアルバルクのバスケを見るようになり、あらゆる部分が最高にハイレベルなレオ様のプレーに堪らなくときめいた私は、吉井くんがアルバルクを離れてしまうことに強く落胆したけれど、彼がアルバルクと同地区の三遠に移籍すると知って感じたことのない高揚感に見舞われた。
三遠での吉井くんの使われ方を見る限り、場合によっちゃオリンピックの時以上にこのマッチアップは熱が入るかもしれない(多分だけど三遠において吉井くんは(特にヌワバがコートにいない場面では)アグレッシブに攻めることも求められていそう)。
ぶっちゃけオリンピックでのこの2人の対決は完全にレオ様に軍配が上がっていた(完敗というほどでもないが)と思っているので、シンプルに対決が楽しみすぎる。
三遠側のローテ次第で吉井くんとライアンがマッチアップする時間とか存在してくれないかな……。実現したら周りに引かれるレベルで興奮する自信があるぞ。
②デイビッド・ヌワバ VS 小酒部泰暉
三遠vsアルバルクの試合が俄然楽しみになった1番のポイントは、ACCを経て“ヌワバがガード寄りのスラッシャーである”ということが分かったからである。
ACC決勝戦となった三河戦ではヌワバ-西田くん、吉井くん-すっさんでマッチアップが開始された。
ヌワバの理不尽な突破力、もっと理不尽なディフレクションの数々からのスティールに苦しみながらも何とか対応する西田くんを見て普通に熱くなった。
ハーフタイムに突入した時に、その頃東京で行われていたアルバルクvsヴェルカのプレシーズンマッチをバスライでチラ見した時、ふと思った。
あれ、これアルバルクでヌワバと戦う相手って小酒部くん…か………???
贔屓目ゴリゴリだが、断言しよう。
現役Bリーガーの中で対面のDF最強日本人選手は間違いなく小酒部泰暉であると。
アルバルク側がどういうマッチアップを敷いてくるかは分からんけど、おおよそ三遠側はヌワバ-小酒部くん、吉井くん-レオ様がスタンダードになるんじゃないのかな?と思ってはいるので、アルバルクからはヌワバとのマッチアップ相手に是非とも小酒部くんを選んでいただきたい。
シンプルに、ヌワバに対して小酒部くんがどんなDFを展開するのか見てみたい。
西田くんだってDF上手い選手だ。苦戦しつつ、ちゃんと応戦もしていた。そんな彼に対しヌワバは試合後のコメントの中で「自分はガードにしてはデカい方だけど日本にも自分としっかりマッチアップできるガードの選手がいると感じた」と話していた。
はい!ハイ!!
います!!アルバルクにも小酒部泰暉という若武者がいます!!!!
ACC前までは普通に吉井くんとレオ様のマッチアップが実現してくれることを期待していた私だけど、ぶっちゃけ今はヌワバvs小酒部くんへの期待値が上回っている。
特に今季は魔境と言われる中地区においてエースストッパーである小酒部くんはこれまで以上に真価を発揮していただきたいシーズンだと捉えているので、この理不尽モンスターと是非ともがっぷりよつ組み合っていただきたい。
③それぞれのウィーク(?)ポイント
ACCの成績を見て分かる通り、今季の三遠は強いと即答できる。
ただそれでも、去年に引き続きインサイドのサイズ感が他の強豪チームと比べて小さめという点は変わっていない。
三河戦は(毎回ではないが)高さのイニシアチブを握られてイージーなシュートを決められる場面は多かったように感じていて、Bリーグの中でも取り分けスリーよりインサイドでペイントを制圧し確実に点を取る組織的OFを得意とするアルバルクはやはりその点においてかなり有利なんじゃないのかなと思っている。
今季の三遠でまだメイテンのプレーを見ていないしメイテンが加わった時のローテ、守り方等どんな感じになるのか分からんけど、仮にメイテンが加わったとしてもアルバルクのインサイド面での優位性は変わらない。
インサイドがサイズ不足な分ウイングのサイズを底上げしている今季の三遠が【ポストアップでのインサイドプレーを最大の強みとしているチーム】に対してどう出るのか純粋に興味がある。
それこそ開幕戦の琉球とかはカークーリーを存分に押し付けてくることだろうし、その辺りで見えるものはあるのかもしれないが。
高さと強さと機動力をバランス良く備えているアルバルクのインサイド陣に三遠はどうやって立ち向かうんだろう。
(三河戦ではヌワバのクリーンなDFからなるスティールの多さに加え吉井・津屋等で総合的にプレッシャーをかけることでそもそもインサイドにボールが簡単に入るケースが少なかったので対抗策の1つにソレは含まれているんだろうなー、とは感じている)。
対するアルバルクは、プレシーズンマッチでは測りかねたが昨季最大の課題であった【ロスターの約半分の選手だけで試合が回っている】という点は克服されているのか。
三遠は、三河戦はそれなりにPTを偏らせたものの30分以上出場した選手は誰もいなかった(ヌワバは足つってなければ35分近いPTの可能性もあったが)。
CSのような負けたら終わりの試合でPTが偏るのは別にいいと思ってるけど、昨シーズンはRSでもライアンやレオ様なんかはPTが30分以内の試合の方が少なかった印象がある。“繋ぎの時間”を含めてベンチメンバーが真の意味で層を分厚くできているか否かは気になるところだし、単発でのゲームとしての見所、というよりはシーズン通して勝手に気にかけておきたいなと思っている。
正直なところ私は吉井くんのPT論争に関して特に思うところはなかった(不満がないわけではなかったけど批判されるようなものでもないだろって思ってた。良くも悪くも、“このチーム”においては“妥当だろ”とも。)けど、ザックがコートに立つ時間の短さには大いに不満を抱いていたし福澤さんとかももっと試してほしい気持ちは強かった。何ならこっちに関しては明確に不満だった(笑)
あくまでプレシーズンだからまだローテ等の全貌は見えていないけど、基本的にスタメン含む一部の選手にPTが偏る傾向は仕方ないといえば仕方ないんだが「もう少し何とかならんか……」と思う回数が減っていればと思う。
具体的に言うなら福澤さんと大倉くんは海のバックアップとして選択肢が2つあるような立ち位置であってくれればな、と思うしザックと玄がどうかレオ様やライアンの負担を軽くできるくらいチーム内での立ち位置を確立できていてくれればと願っている。
玄はマジで頑張ってくれ。貴方が去年の吉井くんのPTを昨シーズンの自分のPTごと飲み込めるくらいになれたらアルバルクの磐石性はグッと増すんだから。
三遠は試合終盤まで早い展開で点を量産する体勢を存分に発揮してくる。
ベンチメンバーが躍動できなければジリ貧になるのはアルバルク側になりかねない。
※このウィーク(?)ポイントはいずれも試合始まってみれば杞憂に終わるかもしれない(笑)
④昨シーズンからの変化
去年の三遠に対する私のイメージは、とにかく早いバスケを展開し、ポゼッション数を増やしてどんどん点を取っていく、という感じだった。
今年も大枠は変わってないんだろうと感じているし、もちろんびっくりするくらいシュートまでの時間は短い。ただしハーフコートからのセットOFを強いられると途端にボールの循環が悪くなったのも露見した。
もちろんチームの半数ほどが入れ替わり、まだ細かいところを詰めていかなければならない時期だというのは承知しているが、である。
特に三河戦ではゾーンDFを敷かれペースを落とさせられた時には中々に攻めあぐねている様子が見受けられた。
(ぶっちゃけメイテンがいればもう少し楽に打開できていたんじゃないかと思っているので一概には言えないが)
ただし三遠は去年からの大きな課題を克服しつつある。
DF面の固さだ。
ACCの2試合ともに相手を60点台で抑え込んだこと自体素晴らしいのだけど、何より20点以上を取られたクォーターが一度もなかった。
自分たちのシュートが入らず苦しい展開を強いられた時間帯も、高水準で安定感を保ってDFを踏ん張り流れを引き寄せるまで我慢することが今季の三遠はできているのである。
ちなみにOFでのヤバさ以上にDFがバケモン級のヌワバだが、ACC三河戦ではそんなヌワバが足をつって退場してからの7分で20-13のスコアを記録し、それでも攻守にわたって三河を圧倒していた。
一方、アルバルク東京もプレシーズンの2試合でハッキリと昨シーズンからの変化が見られた。
今季のアルバルクは走って“も”くる。
リバウンド後やTOVからオフェンスに切り返した時、これまでのアルバルクは余程がない限り徹底してハーフコートOFを展開していた。
事実、去年のアルバルクのトランジションからの得点はリーグの中でもかなり低い。ハーフコートOFをカッチリと作り、自分たちが有利な対面を作って着実にポイントを取るというのがアルバルクのスタイルを象徴していた。
でも今季は違う。
今季のアルバルクは、リバウンドの直後に選手が「いける」と判断したらトランジションを展開して攻めてもいいことになった。
行く時は攻める、行かない時は止めてから攻める。
この塩梅をコート上にいる選手たちがその場でアドリブにより判断するようになっており、実際ヴェルカとの試合はこれまでにはなかった「早い展開のアルバルク」の連続も見られた。
昨年から、ではあるけれどアルバルクのバスケを見るようになった身として、この変化は本当に嬉しかった。
去年のアルバルクは「えっ、今の行ってもよかったんちゃうか」と(素人ながら)思ってもスピードを緩めてPGにボールを預け、ハーフコートOFでじっくりと攻めるというバスケを徹底していた。
今年のように「行く時は行く!行くなら走れ!」というのをアドリブで持ち込む展開は、特に海やレオ様にマッチしている。
実際、昨シーズンのレオ様はPGがボールを止めた時に「行けるだろ!早く!!」というようなジェスチャーでアピールする場面もチラホラ見られていた。
「無理はしないけど行けると判断したら多少勢い任せであってもアドリブで攻めても良い」となったことで今季は更に海やレオ様が輝きそうでワクワクしている。
この両チームの昨シーズンからの変化、というのが対照的で本当に面白い。
OF最強格にDFをハッキリと分厚く強化してきた三遠ネオフェニックス。
DF最強格に早い展開のバスケを一部盛り込みOFでのアグレッシブさが増したアルバルク東京。
去年はホコタテ対決なんて揶揄されていたのを見かけたけど、今季は両チームが自分たちの持ち味である強さをそのままにプラスアルファとして去年の課題であった部分を現時点で既にグッと高いレベルまで引き上げてきている。これがどんなゲーム展開を生むのかが純粋に楽しみでならない。
ちなみに三遠の“OF最強格”とはゾーンDFでペースを落とさせられても最終的に90点、5人も2桁得点を記録してくるレベルの強さで、アルバルクの“DF最強格”とはプレシーズン初戦で昨年の優勝チームを(チームの方向性を模索中であるのを踏まえても)50点に抑え込んでしまうレベルの強さである。
⑤湧川颯斗とテーブス海がマッチアップする瞬間は見られるのか
見られたら琵琶湖県の民たちが喜ぶ。
最後に
アルバルク東京の人たちやアルバルカーズの方々に、三遠の吉井裕鷹はどんな風に映るんだろうなぁ……。
楽しみなような…不安なような…………