ロストケア、身につまされる傑作…
彌生です…
昨晩「ロストケア」を観終わりましたが
久々に松山ケンイチの演技を堪能
出来る傑作でした…
この映画は20代、30代、40代、
50代、60代、70代の方々が観たら
それぞれ違う感想があるのでは
ないのか？と思いました…
あらすじはこちら💁♀️
ある老人宅で老人とそれを介護して
いた会社の所長の遺体が発見される
のですが…
所長は様々な老人宅に合鍵を使って
入り強盗を働いていたのですが
階段から転落死した所長の殺害事件と
して警察は処理しようとしたの
ですが…
不審に思った長澤まさみ扮する検事の
大友はその介護センターを調べると
なんと41人の老人が短い期間に
亡くなっているのを知り、更に
深く調べると…
老人が亡くなった曜日は火曜、金曜に
集中しているのが分かり、その日に
休日を取っているのは、介護センターの
中でも「人格者」として評判の良い
松山ケンイチ文する斬波だと分かり
ます…
献身的に介護する斬波…
疲れ果てている介護する家族…
冷静に取り調べをする大友に
斬波は…
自分は「ロストケア」を
しただけだと言い切ります…
自分が誰かもわからずに
糞尿垂れ流しのオムツに徘徊
そんな老人に尊厳はあるのか？
そう言い切るのですが…
いや〜〜
私も自分の母親はボケてしまい
私が誰かも分からず、杖で殴られて
然も目を離すといなくなって
しまう体験をしていますので
斯波に共感すら覚えてしまいました…
幸い力のあるケアマネジャーさんが
２人も協力してくれてホテルみたいな
立派な「特養老人ホーム」に
入れてくれて本当に助かりましたが
そうじゃない人々の方が多いでしょう
現在の日本は子供より老人が多くて
特養なんて空き待ちの人が大半です
政府も待機児童だ少子化だに
目を向けてる場合じゃない
ですよ、これから益々、日本
は老人が増えて行くんです
国営の特養老人ホームを作り
介護職の方々の給料を上げて
あげないと、悲惨な人が
増えるばかりです…
本当に近い未来なんですよ…
やがて斯波は自らの話しを
して行くんですが…
彼の父は脳梗塞で倒れて右半身が
不自由になり、やがて認知症が
酷くなり、尿を垂れ流しながら
部屋を徘徊して廻る様になり…
ベッドで寝た切りになり、斯波は
介護の為に会社を辞めて、貯金も
尽き果て父の年金だけでは生活も
出来ない様になり三度の食事も
ままならなくなって行き…
ある日、珍しく頭がハッキリした時
斯波に父は「お願いだ殺してくれ」と
頼むんですよ、人間である内に
死にたいと、もう自分が誰かもよく
分からない殺して欲しいと…
斯波は悩むのですが、タバコを水で
溶かして液体にして「ニコチン注射」で
父を殺すんですね…
この時の松山ケンイチの演技は
見事としか言いようがなく、こちら
まで泣けて来ました…🥲
その話しを聞きながら大友の助手の
鈴鹿央士扮する椎名も涙するんです
冷静に聞いている様で大友は自分は
母親を高級老人ホームに入れて
全てを人任せにしていた自分に疑問を
感じます…
私も観ていて「アンタなんかカネの
力で楽してるだけじゃん」そう
思いました…
そして大友が被害者を訪ねて行くと
寧ろ「ホッとした」と言う被害者も
いる訳です、あるシングルマザーは
再婚まで出来て幸せになっているん
ですよ…
法廷で被害者に罵声を浴びても
表情も変えずに「自分は正しい事を
した」「死刑にしてください」と
冷静に言い切る斯波…
いや、本当に身に詰まされ
ましたね、私はこうまでして
子供たちに迷惑はかけたくない
早く「安楽死」も認めて欲しい
私は映画を観ながら夫に「もし私が
こんなになったら情け容赦なく特養に
入れてくれ」と言ったら夫も「俺も」
そう言いました…
子供たちや孫に囲まれて
ニコニコ笑う老後なんて
メルヘンなんですよ、人間は
いつかはこうなるのが現実…
まだ20代の方なんか「他人事」で
しょうね、人間はいつかは死んで行く
どう死んで行くなんて誰もわからない…
映画の最後に大友は斯波の所へ
訪ねて行き「実は私も父を殺しました」
そう涙を流しながら告白します…
母と離婚した後、父とは何十年も
会っていなくて、ある日突然の父からの
電話もメッセージも全部無視していたら
警察から連絡があり父は「孤独死」を
遂げていて、遺体は発見まで
２ヶ月もかかり遺体は腐敗していて
もの凄い異臭がして大友は
父のあの電話はSOSだったと
気付き、罪の意識に苛まれて
いたんですね…
それを斯波に告白して涙を流す
大友、静かに聞く斯波…
何とも切ない映画でしたが
私の世代から観ると大傑作
でした…
現在Amazonプライムで観れます
ので、お時間のある方は是非
どうぞ…
てか殆どネタバレしましたが
分かっていて観ても更に細かい
気付きがある映画だと思います…
続きます…