[お題]宝塚の男役を愛する気持ち・歌舞伎の女形(おやま)を愛する気持ちは、仲間か否か
素朴な疑問を頭に思い浮かべたら、止まらなくなりました。
―とりあえずそこ比べんな!全然ちゃうわ!
と、各ファンの方から総ツッコミが飛んできそうですが、
そうですか?美しくない?いずれ劣らず美しくない?ねえ、美しいよね。
というわけで「お題」です。
主語が大きすぎるので、あくまでも個人の解を探求しますが、タイトルに笑ったと言う方はお付き合いをば。
【宝塚の男役を愛する気持ち・歌舞伎の女形(おやま)を愛する気持ちは、仲間か否か】
1,私の嗜好はこちらです
私は歌舞伎の女形に惚れ込んでいるクチです。趣味嗜好ですね。
恋愛対象は男性です。これは指向・嗜好です。
女形の方に惚れ込んでしまうだけあって、
歌舞伎の男性役を見て、「くぁ~、主人公カッコいい!」となることは少ないです。
「男性が好き」なのに、ちょっと変な気がします。
変じゃないんだけど、どっちも好きでも良いのに何だっけ?っていう。
(伝統芸能としての技のカッコよさ・見得を切った瞬間のカッコよさ等はまた別ですし、惚れ惚れと見ていますが、その立役のキャラを「好き!」と思う事が少ないのです)
なーのーでーすーが。
宝塚公演を観に行けばそれはそれで、
男性役の皆様にぽわ~んとなります、宝塚ファンじゃなくてもポワ~ンと、なります。カッコいいのよ。
ガチの男性が演じる男は目がハートまではいかないのに、
女性が演じる男には、目をハートにできる。
そして、男性が演じる女にも、目をハートにできる。
何なのだ。これは、何なのだろうか。何か、え?なんだ?
と言う訳で
【お題:宝塚の男役を愛する気持ち・歌舞伎の女形(おやま)を愛する気持ちは、仲間か否か】
です。次から切り口を作って、考えていってみます。
2,【切り口その1】夢小説に自分の名前を入れられるタイプかどうか
ありそう、さっそく有りそう。
【※夢小説とは(Pixiv百科事典へリンク)】
夢小説で、主人公の名前を自由に入れられる仕様のサイトってありました。
あれに、自分の名前を入れられるかどうか。
「1人で読んで楽しむ世界だから自由!」
と自分の名前を入れてダイブ没入できるタイプの人と、
「ここに自分が入ってきちゃ台無しなのよ!」
と、架空のヒロインを入れて楽しみ、自分を含む現実を一切介入させないタイプの人に、分かれるかと思います。
(カレー沢先生の仰るところの「壁のシミタイプ」ですね)
ざっくりのイメージですが、
前者の方は、宝塚だろうが歌舞伎だろうが一般的な劇団だろうが、
自分の性的嗜好の方側(マジョリティの女性なら、男役・立役)をシンプルに好むのじゃないかと思うのです。
ヒロイン(娘役・女形)に、ほんのり自分を重ね合わせて、ときめくことができる、という風な楽しみ方になりますでしょうか。
(男性目線だとどうなのでしょう、マジョリティの男性なら娘役・女形をお好きでしょうか…なんかちょっと女性の趣味嗜好とは違う気もせんでもない。)
私は後者(壁のシミ)でして、
あまねく全ての芸術は2Dも3Dも、「自分を含む現実が介入しない美しい世界」なので、
性的嗜好とは関係なくゴッチャゴチャに「麗しきもの」を好んでいるのかもしれません。
(そう考えてみれば私、[歌舞伎の男性陣をカッコいーと思うテンション]より、[宝塚の娘役勢をきゃあ!カッワイイ!と思うテンション]の方が高い気がします)
この切り口で見ますと、【お題:宝塚の男役を愛する気持ち・歌舞伎の女形(おやま)を愛する気持ちは、仲間か否か】は、「仲間とは言い切れない。」になりますかね?
3,【切り口その2】フェミニストか否か
あ、これ正解かも。
個人的な最適解を2つめにして取り上げてしまった。
歌舞伎はそもそも伝統芸能であるため、
現代以上に「男社会やな」という場面が数多く出てきます。
刀を振り回す2枚目より、美しい女形をペイッと払いのける2枚目より、
美しい遊女、美しい女将さん、美しい娘、美しい姫君に心惹かれるというのは、そういうことかもしれません。
一方の宝塚は、時代物でも少女漫画ベースであったり、西洋文化ベースであるため、少なくとも「レディファースト」が存在し、
娘役は丁寧に扱われることが多いように思います。
だから素直に主演の男性(男役さん)にメロメロになれるのか。そうか。
確かに、歌舞伎では個人的には「ファニーな3枚目」や、
助六のような「母や彼女を蔑ろにしてない人」を好みます。
助六はガッツリ「2枚め」ですが、惚れボレと「カッコいい」と思います。
でも結局、私には揚巻(ヒロイン)の方がもっとカッコいいのです!
そうだなー。
歌舞伎の男性陣は、恋愛ものじゃない方が素直に「あぁ…カッコいい…」と思えるかも。こういうことかも。
でもフェミニストの方でも、立役・娘役好きよ!って方は当然いらっしゃると思います。【切り口その1】で語ったように、お芝居は現実じゃないのだから。
と言うわけで、この切り口から見ると【お題:宝塚の男役を愛する気持ち・歌舞伎の女形(おやま)を愛する気持ちは、仲間か否か】は、「仲間」に括って良いのではなかろうか。←私の中で、とします。
4,【切り口その3】男の世界・女の世界
どちらも芸事のプロの世界なので、それぞれにカッコいいのですが。
この切り口はバッサリと「好み」になりますでしょうか。
【お題:宝塚の男役を愛する気持ち・歌舞伎の女形(おやま)を愛する気持ちは、仲間か否か】は、この切り口では「全然仲間じゃない」となりそうな気がします。
まあねえ…。
フェミニストなのでこの表現は苦手ではあるのですが、
「男らしさ」「女らしさ」の表現を敢えて使うとするならば、
宝塚の男役の方々は、そんじょそこらの男より男らしいし、
歌舞伎の女形の皆様は、本当にそんじょそこらの我々より女らしいです。
もちろん、宝塚の娘役もそんじょそこらの我々より女らしいですし(勿論)、
歌舞伎の立役も当然男らしいのですが、
同性役は『奇跡』を見出すのはまたちょっとこの話では別ベクトルですよね。
この奇跡に萌え転げている意味では、お題は「仲間」になるかも。
宝塚の男役は、本物の男の人の現実感のある部分を抜き去った「男」ですよね。
宝塚を愛する人々は、この『純度100%の花園の世界』が良いの、と言う方多いんじゃないんでしょうか。
少女漫画以外の題材もたくさんありますが、少女漫画的と言うイメージ。
関西育ちなので存じ上げているのですが、宝塚歌劇団の男役の方たちは、生徒さんの時代から、電車でお見かけしても凛としています。
電車でものすごいオスカル様オーラを放つ、カッコ良すぎる女性をお見かけしたこともあります。”よく見れば女性”ですが、とにかくカッコよかった。
立ち居振る舞いからして、あれは宝塚の男役の方だっただろうと思います。
男性じゃないんですが、女臭さがないんですね。
対する歌舞伎の女形の皆様は、メイクを落とせば「男」です。
歌舞伎界の至宝であらせられる坂東玉三郎様なども、
普段のお姿は立派なオジサマです。
さすがに玉三郎様クラスだと男臭さ…は普段からだいぶ薄めですが、
歌舞伎は「立役も女形も両方演じられる」という方も多いので、
例えば男臭さギッラギラの市川海老蔵さんや、
ドラマ半沢直樹2「詫びろコール」の猿之助さん、
ドラマ[グランメゾン東京]でライバル役がカッコよかった尾上菊之助さんも、女形を演じます。
あの方々が、一度舞台に立てば奇跡のように美しい仙女、可憐な姫君、色っぽい遊女を演じる、そのたおやかさにはため息しか出ません。変じゃないんです、奇跡としか思えません。
改めて まとめましょう。
【お題:宝塚の男役を愛する気持ち・歌舞伎の女形(おやま)を愛する気持ちは、仲間か否か】は、仲間ではない。
ただし、「尋常ではない奇跡」に萌え転げているならそれは「仲間」。
助六由縁江戸桜より『三浦屋揚巻』坂東玉三郎様…豪華です。素敵ですよ。
5,【切り口その4】BLor百合を愛でるかどうか
これは…現実の役者さんたちを相手に暴論なので、ちょっとマナーがなってない気もいたしますが…。
まあ、すみません、既にBLも百合も「カルチャー」の1つとして、「切り口その4」考えてみます。
要素としては、この視点の方々も中にはいらっしゃるかな、と。
100%BLや百合嗜好の人であれば、そもそもストーリーが男女モノな時点で違ってるかもですが。
私はいずれも読めるクチですが、創作できるほどの知識もなく、
その視点で宝塚も歌舞伎も、何ならジャニーズも見たことはないなー。
わちゃわちゃキャッキャと愉快にしてるぐらいの絡みなら好きですけど。
まあそれでも、この切り口でお題を見ると、完全に『仲間ではない』になりますね。
6,【切り口その5】だって好きなんだもん。カッコいいんだもん
気を取り直しての切り口ですが、元も子もない(笑)
これは「切り口」にならない予感しながら書きますが、
誰が好きって、私、中村七之助くんが大好きなのです。
繰り返しますが「もう切り口になってない」けど書くよ!
歌舞伎の七之助くんのことは「美しい」「キレイ」「可憐」「艶っぽい」等、完全に女性を見る目でトキメいて見ていますが、
テレビ等で拝見する時は、素直に「かっこよい」と思って見ています。
「宝塚の男役」「歌舞伎の女形」が関係なくなる切り口です笑
ですが、無理やり並べて考えてみます。
単純に顔の好みで。
七之助くんと並べて思い浮かぶ宝塚代表(私にとって)は、紅ゆずるさん。
どうです、特長が似てらっしゃいませんか。
切れ長の目、通った鼻筋。(ガチで私の外見的な好みです)
※お二人とも、役と素の間ぐらいのお写真を探しました。紅ゆずるさんは引退後の個人のショーのポスター、七之助くんはNHK大河ドラマで、噺家の男性役をなさった時のイメージ写真です。
より舞台メイクに近いお2人はこちら。
はあ…しばらく書く手を止めて眺めましたよ…
美しい…2人とも…(うっとり)
「抱かれたい」とかを超越した美しさですよ…美しいしカッコいいわ。
はい。
この切り口で(無理やり)見ますと、【お題:宝塚の男役を愛する気持ち・歌舞伎の女形(おやま)を愛する気持ちは、仲間か否か】は、
…。
・・・。
分からん!ごめん!たぶんそもそもお題関係ない!
(今ちょっと”推しが尊い”すぎてIQ3になっています)
最初にこのお題を投げかけた友達曰く
「歌舞伎も宝塚歌劇も、ジェンダーレスな美しさは一致」
とのことでした。
ですから、「好みによっては強力に仲間にもなれるし、普段は接点がない」。普通の答え笑
あー美しい(惚れぼれ)。
6,お題を考えたきっかけ
元になったのはこれのテレビ放送でした。
2019年の年末に上演された新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』。
私はジブリも大好きで、”推し”はなんと言っても
「クシャナ殿下は至高。次いで烏帽子様とモロ。」
ですので、この新作歌舞伎は、推しと推しの公式合成。
例えば、アニメ声優さんとマンガが両方好きな方で、
好きなキャラの声優担当が好きな声優さん!という奇跡は「夢にまで見た!」と、発狂できると思いますが、
アニメと歌舞伎は夢すら見ていなかった奇跡です。
私は制作発表当初、
「は?ナウシカ歌舞伎?クシャナ殿下が七之助くん?何それ、ちょっと逝ってくる!」という具合でした。
(残念ながらチケット争奪戦には破れました。この放送を見て改めて発狂しましたので、BRは買おうと思います。)
コレを見ながら、
クシャナ殿下のテーマ音がちょっと宝塚っぽかったので、
「ナウシカやもののけ姫って宝塚でも見ても面白そうだな」と連想
↓
え?いや待てよ、宝塚ファンの人がヒロインもの見て面白いか?
↓
え?あれ?
となりまして、このお題に至りました。
そう、宝塚ファンの方ならきっと、ヒロインがカッコいい作品より、
男役(王子・ヒーロー)がカッコよく、ヒロインは可愛い作品の方が良いですよね。基本的には。
たまには違う味付けもいいけど、基本的には。
ジブリ作品ならおそらく『ハウルの動く城』。
そもそもジブリより、往年のディズニーの方が相性は良さそうです。
風の谷のナウシカ(特に漫画原作版)は、
Wヒロインで、とにかく女性2人の活躍っぷりが目覚ましい作品です。
(私は映画版で見え隠れするツンデレっぷりも好きですが、それでも基本悪役ですからねクシャナ。漫画原作版の方が よりヒロインみは増します)
菊之助さんのナウシカ、七之助くんのクシャナ。
まー、とにかくカッコよかった。可憐だった。
ツンデレだった(クシャナが)。悶えた(クシャナに)。あ、ちょっとIQ拾ってきます。脳ミソこぼれてた(クシャナが良すぎて)。
そう、最後の最後であれですが、
早い話が私はカッコいい女性が好きだし、痺れるんです。
何歳になっても憧れるんですね。
となると、
かっこよすぎて男になってしまった宝塚歌劇団の男役の方は、
一番好き!とは違う、かな。好きの一番ではない。観たら当然カッコいいですが。
(ご引退後の女性役の方が好きなのかも。大地真央さんとか天海祐希さんめっちゃ好きです)
男性だけど女性役の「女形」の方々は、
例えそれがどんなに儚くてか弱い女性の役でも、男性がそれを演じきる生命力を感じ取って「カッコいい」と思ってるのかもしれません。
(『女暫』の巴御前)
そもそもこういう、七之助くんがやってるやたらカッコいい「女形で主演」の役とか超絶に好きですしね。
色っぽ~い役も好きですけど(あ、ダメだ脳ミソこぼれる)
中村七之助くんがとても好きで応援していきますが、
もちろん玉三郎様の舞台は毎度涙が出ますし、
菊之助さんも好きですし、福助さんの復帰の際に児太郎くんや中村芝翫さんとご一緒に舞台に立たれたの色んな意味で素敵でしたし、米吉くんとか可愛らしくて好きです。
これは、この「好き」の勢いをZUCCAの皆様と共有しようと思っても、
お互い火がつきませんよねきっと。
仲間じゃないかもしれないけど、だからこそ「観たい」と思った時に、
ナビゲートしてくれる友達として、お互いがいてくれたら良いな、てことでいいですよね。
きっとお互いに沼にはご招待しますが、沼に沈むか否かは本人次第です(笑)
私も「全然違ったわ」に辿り着いてしまいました(笑)
でも親近感(勝手に)。
変なお題を追求してしまいましたが、整理整頓できてスッキリです。
これからも思う存分に、芸術と推しを愛でて参りましょう。
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