「空気を読める力」は日本で鍛えられる特殊能力
<小学校の同窓会だよりへの寄稿をご依頼頂きました。来年3月に記載される予定のドラフトを書きました。>
「日本に鍛えられると、世界で十分な競争力を発揮できる。日本の素晴らしさは世界を更に豊かにできる。」2009年からアメリカで生き残ってきた私の最大の気づきです。
全て自己責任、自分勝手が良い。
自分だけ得して楽できれば良い。
勝つためには手段を選ばない。
行き過ぎた資本主義の世界には、そのような考えで行動する人が少なくありません。
そんな世界の中で、日本で鍛えられる慮る心、おもてなしの心、思いやりの心などの「空気を読める力」には圧倒的な価値があります。日本で育った多くの人にとって当たり前に思える「空気を読める力」は、世界的には貴重な特殊能力なのです。
空気を読める人には、空気を読んだ行動も、空気を読まない行動も選択できます。自分よがりな目的だけでなく、より多くの人にとって大切な目的を知ることができます。自分だけでなく仲間の可能性を知ることができます。自分と仲間の可能性をつなぐことを選択できます。
空気を読める人には、空気を読めない人には持つことができない選択が可能なのです。
一方で、無自覚な「空気を読める力」が、日本社会には強烈な同調圧力や前例主義、事なかれ主義に大きく影響しているのも事実です。しかし、そんな社会的な思い込みには、目的意識のある「空気を読める力」が打ち勝つ力になります。
あえて空気を読まない挑戦を選ぶ。
自分を含む社会に役立つ視座の高い目的を持つ。
自分だけでは実現出来ない挑戦に、頼りになる仲間との協力関係を作る。
明確な目的意識を持って「空気を読める力」を駆使すれば、そんな選択が可能だからです。
日本で鍛えられる「空気を読める力」を駆使して、社会への役割と明確な目的意識を持つ「自分の可能性に挑戦し応援しあう仲間」が日本から世界に広がることを心から望んでいます。
<プロフィール>
西原大貴 (にしはら ひろき)
『自分の可能性に挑戦する仲間をつなぐことで、みんなが笑顔で挑戦し応援しあう』
アメリカ合衆国 テキサス州 ダラス郊外に、妻 晶子と長男 大朗(タロウ)と長女 花菜子(ハナコ)と暮らす。大学卒業後に就職した日本IBMからIBM本社出向がアメリカ移住のきっかけ。海外で挑戦したいとの思いを貫き、1年間の出向期間終了後に日本IBMを退職してアメリカのIBM本社に転籍。2019年にIBMを退職し現在は、「脳と心」をより良く使う科学的理論と仏教哲学を伝えるリーダーシップ・プログラムを主宰。日本や海外で組織を率いるリーダーの方々の自己成長と組織改革を支援。日本実業出版社から出版「自分の可能性を広げるリフレクションの技術」の著者。浄土真宗 大谷本願寺派 僧侶。