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グローバルリーダーが実践する「自分の可能性」を広げるリフレクションの技術


日本実業出版社様から初めての著書が出版されました!

Amazon Japan、書店にて販売中!

編集前のドラフトをこちらでお読み頂けます。
また、第六章の実践事例は、今後も随時追加をしていきます。

はじめにと第一章の途中までは無料でお読み頂けます。
読んだ感想のリフレクションを頂けると幸いです。
是非、お楽しみ下さい!!

2023年4月11日
Global Challengerのすすめ主宰
西原大貴


はじめに

この本を見つけて頂いて有難うございます。

そして、おめでとうございます!!

自分自身をより良く知る機会を探し求め、自分の中にある何かを探していたからこそ、この本に辿り着かれたのかと思います。

この本との出会いが、見失いがちな自分自身に意識を向ける良い機会となり、自分の中にある自分の可能性を知り挑戦する事にお役に立てる事を心から願っています。


あなたは自分の事を知っていますか?

「汝自身を知れ」
古代ギリシアで建設されたアポロン神殿の入り口に刻まれた格言です。
古代ギリシアだけでなく、同様の問いがあらゆる時代に世界中で問われてきました。

「自分の事はよく知っている」とはいつの時代でも思い込みだと、気づきを与えてくれる格言です。 

あなたは自分の事を知っていますか?
こんな質問に答えをお持ちでしょうか?


  • あなたは何の為に生まれて、何をして生きていますか?

  • あなたが心から望む本来の自分らしさとは?

  • あなたの未来にはどんな可能性がありますか?

とてもシンプルで本質的な質問です。
自分自身を問う、自分が心から望む目的地を問う質問です
しかし、残念ながら明確な答えを持つ方は多くありません。 

眼の前のやるべき事、他人にやらされている事に精一杯で、多くの人がこの問に真剣に向き合う時間を作れていません。つまり、多くの人が自分が心から望む目的地を知らない、もしくは目的地を知ろうともしていないという事です。

そんな我々はいったい何処に向かってるのでしょうか?
自分自身を見失って迷っているとも言えないでしょうか?


今を生きる

あなたの周りには、自分の可能性に挑戦し、自分の大きな目的地に向けて道を切り拓く、そんな活力に溢れる魅力的な方々がいると思います。

ゼロからイチを作る。イチをヒャクにする。大きな夢に向かい、想像を超える結果を出し続けている。  失敗や困難など思い通りにならない状況に悩む事はあっても、常に迷いが無く未来に前向き。多くの失敗や困難にも自分を諦めること無い。良いも悪いも自分自身を受け入れている。自分自身の立ち位置を客観的に捉えているが、想像を超えるデカい夢を持っている。自分の切り拓く道に共感する仲間に囲まれている。与えられた環境に言い訳も満足もせず、自分の可能性に挑戦している。他人の評価に惑わされず、自分の軸で判断する。手段や道具に囚われずに本質を見ている。過去に縛られず未来を大切にしている。自分が社会に提供する価値に確固たる基準も持っている。
など、、、

視座高く明確な目的を持って、今を生きている人です。
それぞれの自分の目的地に向かっている人です。

自分を知り、自分の可能性を知っています。そして、冒頭にあったシンプルで本質的な質問に答えを持っています。

あなたもそんな生き方に憧れませんか?


脳と心の仕組み

脳と心の仕組みを研究する認知科学は、脳はごく限られたものしか認知していないと教えてくれます。詳しくは本編でご紹介しますが、脳は見たいものしか見ていません。あらゆる事が手に届く所にあるにも関わらず、脳はごく限られた視界しか選択していません。

それは自分自身についても同様です。誰もがごく限られた自分しか知りません。多くの人が目の前の事に手一杯で、自分自身に意識を向ける時間や機会を殆ど取れていません。そして、見さえすれば自分にはある、本来の自分の可能性を見ない事にしています。自分が知らない、普段見ていない自分の中に、心から望む自分と自分の可能性が潜んでいます。

そして、心から望む自分と自分の可能性に光を当てるのが、自分自身を心の鏡に映し見る『未来志向のリフレクション』です。リフレクションとは反射。リフレクションとは自分自身を映す心の鏡を持ち、心の鏡に映る自分を観て自分自身を深く知る方法論です。心の鏡に映る自分の可能性を知る方法論です。

脳の仕組みを知る認知科学と脳をより良く使う最先端のコーチング理論に基づいた、科学的で本質的な取り組みです。

日本では振り返り・内省とも訳され、過去や失敗を省みる点が強調されがちです。しかし、過去や失敗を省みることは、極めて限られた一部でしかありません。過去や失敗を振り返りに囚われると本質的な自分を見失ってしまいます。

リフレクションとは自分自身の未来や過去全てをあるがままに客観的に映し知る事です。古代ギリシアの格言の「汝自身を知れ」を実現する道具であり、仏教用語にある、内観がより適切な日本語訳かと思います。

鏡が無いと、見ることには限界があります。 自分の顔も背中も見ることができません。そして、また、歪んだ鏡であれば、歪んだ自分自身しか映さないし、曇った鏡であれば、曇った自分自身しか見られません。鏡に映った姿を見れるから、我々は自分の表情や姿など自分をより良く知ることができます。

自分を映す心の鏡があれば、あなたは何を映しますか?

目的を見失い過去や失敗を省みる事に囚われるのではなく、心から望む自分の可能性を映したいと私は思います。

    あなたにはどんな可能性がありますか?
    あなたはどこに向かおうとしていますか?
    今、何処にいますか。
    今から何をしますか?
    誰のために進みますか?
    誰が支えてくれますか?


落ちこぼれ社員のキセキ

私は現在、自分の可能性を知り挑戦するリーダーや組織を応援するリーダーシップ・プログラム「Global Challengerのすすめ」 (www.global-challenger.com) を主宰しています。脳と心の仕組みを研究する認知科学と、脳と心のより良い使い方を学ぶコーチング理論を基にした独自のリーダーシップ・プログラムを提供し、リーダーや組織が本来のパフォーマンスを発揮する事をお手伝いしています。

2020年にプログラムの提供を開始するまでは、老舗グローバルIT企業であるIBMに日米通算23年間勤めました。日本法人で13年、IBMの米国本社に転籍して10年を過ごしました。長年夢であったアメリカへの永住を実現したグローバル・ビジネス・パーソンでした。IBM米国本社では第一線の法人営業本部長を務め、日本人にはとても珍しい、そして、いわゆる華々しい経歴を持っています。

恵まれた環境で生まれ育った事に感謝しています。しかし、当然ながら全てが順風満帆ではありませんでした。

近所の友人と離れ無理やりに通わされた私立小学校。無理強いされた中学受験の失敗。大きなカルチャーショックを受けた公立中学で、虐められないように目立たずやり過ごした日々。大した思いもなく第一志望を諦めた高校入試。目標を見失い自堕落な高校生活。エスカレーターで辛うじて入学した私立大学。ゼミを落として卒論も書かずに留年の危機。腰掛け気分で始めた就職活動はギリギリの綱渡り。運だけで入社できた日本IBMでは事業撤退寸前の製造管理部門に配属。社内異動の希望を叶えた営業部では最初の新人研修で落第寸前。新人営業としてひとり立ちしても、営業部長から勤務態度へ業務改善命令を受けるなどの落ちこぼれ。おまけに大学時代から長年付き合っていた彼女にも見捨てられ、自分を探し迷い社会人になってから路上で弾き語っていた過去を持っています。

自分自身を見失っていた私には、自分自身への強烈な焦燥感と危機感がありました。

そんな落ちこぼれ社員を救い、私がその後のグローバル・キャリアを築く基礎となったのが、世界的に活躍する多くのリーダーから学んだ未来志向のリフレクションでした。自分自身のあらゆる状況を心の鏡に客観的に映し観て、自分の可能性を知る事の大切さを尊敬する多くのリーダーから教わりました。 

そのお蔭で、過去ではなく未来に意識を向けて、前向きに今を生きる力を得ることができました。手段を目的化して囚われる事なく、自分にとって大切な未来に意識を向け続ける事ができました。そして、未来志向のリフレクションを習慣化できた事で、当時は想像も出来なかった圧倒的な結果にも繋がりました。

日本法人時代の13年間で3回の社長賞受賞。日本法人の幹部候補として米国本社へ出向し、上級役員補佐を務める。上級役員とのコネを作り過去に例のない第一線の営業として米国本社へ転籍。転籍後は北米大手法人の営業本部長としてアメリカ人数十名のチームを率い、全世界10万人の中で上位1%のグローバル表彰。愛する妻と二人の素晴らしい子供に恵まれ、日本では考えられない程の昇給やワークライフバランスなど、 圧倒的な生活の質の向上を実現できました。


未来志向のリフレクションの本質

未来志向のリフレクションの本質とは、見失っている自分の可能性を知る事です。それは、心から望む自分の目的地とありのままの今の現在地、その道のりに自分の可能性と支えとなる仲間がいると心の鏡に照らし映す事です。

心から望む目的地を知ると迷いが無くなります。目的地に向けた今の現在地を受け入れると、着実な次の一歩を知る事ができます。自分の可能性と支えとなる仲間を知ると、どれだけ困難でも諦めず挑戦できます。だから、現状を超える圧倒的な結果に繋がります。

世界のリーダーから学んだ未来志向のリフレクションの日々の実践が、落ちこぼれの私を救い、遥か遠くに夢見ていたグローバル・キャリアの実現を支えてくれました。 

本編では、私が主宰するリーダーシップ・プログラムで伝え、また私自身が実践してきた科学的で再現性のある未来志向のリフレクションの理論と効果、実践的なワーク、そして実践事例をお伝えします。

科学的理論と実績に裏付けされた未来志向のリフレクションは、今まであなたが見失っていた新たな視界を提供します。そして、今までにない視界は、今までにない気づきと行動に繋がります。今までにない行動が、心から望む結果に繋がります。

今までも結果を出してきた方々にとっては、理論を知らずとも多くを実践してきたとご納得頂けるかと思います。そんな方々が理論の裏付けを知る事は、更に高い視座に挑戦する力となります。そして、自分の実践の結果を理論を科学的に理解し、自分の実績を根拠として論理的に大事な仲間に伝える事ができます。

科学的理論や実績に裏付けされた未来志向のリフレクションが、あなたが見失っている自分の可能性を知る大きな一歩となる事を心から願っています。


本書の構成

本書では、まず第一章で、元日本IBM COO Todd Kirtleyさんが実践されていた未来志向のリフレクションについてご紹介します。Todd-sanは、グローバルで要職を歴任された元IBM Corporationの世界的なリーダーのお一人です。私にとっては、担当するお客様への活動をきっかけに、補佐としての米国駐在の機会や、米国本社転籍のスポンサーとして私のグローバル・キャリアの飛躍を支えて頂いた恩師です。

Todd-sanから学んだ、「Taking Time to Plan Your Own Success」は、未来志向のリフレクションの本質的な実践事例として素晴らしい内容です。日本では知る機会が限られる、世界的なリーダーが実践している取り組みを共有します。

第二章では、なぜ未来志向のリフレクションがあなたの現状を超える結果に繋がるのか、脳と心の仕組みを研究する認知科学と、脳と心のより良い使い方を学ぶコーチング理論の観点から解説します。その上で、未来志向のリフレクションの実践に向けた大切な3つの視点 "your heart, your moment, and your connections" をご紹介します。

第三章は、心から望む自分らしさ "your heart" を詳しく深掘りします。「何のために生まれて、何をして生きるのか?」との問いにそれぞれの答えを見つける手掛かりになります。「あんな事いいな、できたら良いな」と多面的な視点を持ち、制約なく現状を超えた未来の「自分らしさ」を知る事の意義を科学的に解説します。あなたが見失っている自分の可能性を知り、現状を超える目的地に意識を向ける、とても大事な視点となります。

第四章は、今を生きる “your moments” に意識を向けます。
現状の「自分らしさ」をありのままに知り受け入れるから、目的地への着実な一歩が踏み出せます。 日本人の多くが陥りやすい度を超えて追い込んでしまう自虐過剰への対応や、正しく謙虚に身の程をあるがままに受け入れる事で、今まで見ないことにしていた事に気づく脳の仕組みを解説します。未来を決めて今を生きる為の実践ワークにも取り組んで頂きます。

第五章は、あるがままの今を受け入れて、心から望む自分らしさを実現する自分と仲間の可能性 ”your connections” に意識を向けます。心から望む目的地へ現在地から繋がる道のりに、自分の可能性を知る視点です。どのような関係性のお蔭で今の自分が存在し、誰の為にそして誰と共に目的地に向かうのかを知ると、実現に繋がる根源的な力が生まれます。

第六章では、 私が主宰するリーダーシップ・プログラムGlobal Challengerのすすめに参加する仲間の実践事例、自分の可能性とそれぞれの世界に挑戦する仲間の取り組みを共有します。

さいごにでは、「みんなが笑顔で世界に挑戦し応援しあう社会へ」という私 のVISIONを共有し、これからの私の挑戦とVISIONに共感してくれる仲間へのメッセージを伝えます。

『未来志向のリフレクション』とは、自分の可能性を知ることのできる、科学的な示唆と世界的な実績に基づく再現性のある方法論です。自分の可能性を知れば、当然のように挑戦して、あなたも自分の可能性を発揮できます。

未来志向のリフレクションの実践を通じて、あなたの大事な仲間にあなたの気づきが広がる「みんなが笑顔で自分の可能性に挑戦し応援しあう社会」に強い思いを馳せています。

第一章 : 世界のリーダーが実践するリフレクション

Taking time to plan your own success. 
- Todd Kitley -

<心の鏡に自分自身を映すリフレクション>

  • あなたの成功とはなんですか?

  • あなたの成功に向けた日々の計画と実行の取り組みとは?

  • 成功に向けて今日はなにをしますか?


恩師との出会い

2006年1月、私は長年担当していた京都にある世界的電気部品メーカーのお客様との、今後10年に渡るグローバルな関係再構築を目的とした会議の末席に参加していました。私の役割は担当営業として根性英語での通訳と雑用係。それが、Todd Kirtleyさんとの初めての出会いでした。
Todd-sanは、IBM Corporationの10%以上を占める日本事業の梃入れとグローバル化の推進の為に、日本法人の最高執行責任者(COO)として派遣された、米国本社のエグゼクティブでした。
外資系にも関わらず日本のお客様との長期的な関係を重視する純日本的な経営を長年守っていた当時の日本IBMにとって、Todd-sanは本社から黒船できたグローバル化という開国を迫るペリーのような存在。また、一般的に米国本社から駐在するエグゼクティブには、日本支社駐在はその後の本国でのキャリアを築くための一つの踏み台です。自己中心的に短期的な結果だけを目標にするエグゼクティブが少なからず存在していました。そのような背景で、日本法人の多くの社員には強い警戒心がある中でのご就任でした。
そんな中、Todd-sanは日本IBMの文化や歴史、日本のお客様との長期的な関係、そして社員の自律を尊重する姿勢がとても明確な真のグローバル・リーダーでした。そして、米国本社を代表して誰よりも高い視座で、日本のお客様や社員が納得する長期的・短期的な判断を下されました。
その姿勢は多くの日本のお客様や社員に評価され、尊敬され信頼されていました。当時のIBM Corporationでは将来を期待されるCEO候補のひとりでもありました。
幸運にもTodd-san直轄となった大規模案件を担当できたのは、私のグローバル・キャリアに弾みをつける絶好の機会でした。お客様グローバル拠点の訪問や週次の社内会議などTodd-sanには絶大な支援を頂きました。お客様と仲間に恵まれて無事に日本だけでなく欧州や中国でも契約締結。お蔭でTodd-sanが中国や米国本社で更に大きな役職に栄転されても、京都のお客様との定期的な会議、社内報告などを通じて、Todd-sanとの良好な関係を築く事が出来ました。
そうした関係構築は、2009年11月からTodd-sanの補佐として、入社時からの夢だったアメリカ本社駐在に繋がりました。Todd-sanと信頼関係が深く、私にとってはメンターとしても師事するお客様常務 樋口さんからの直接的なお口添えが決定的なキッカケでした。当時、私はまだ30代半ばの担当課長。Todd-sanの補佐としてのシカゴ駐在は、東京にある日本法人の本社勤務も経験のない社員にとって、そして日本法人から頂いていたNY本社駐在の話も断っての、極めて例外的で異例なアサイメントでした。
シカゴ駐在中の1年間は、IBM Corporationを代表する世界的なリーダーであるTodd-sanの仕事の流儀を、補佐というよりインターン生の感覚で間近で体感する貴重な機会を得ました。
「それぞれのIBM社員には十分な力や可能性がある。俺の仕事は社員を管理する事ではなく、社員が持つ力や可能性を社員が自律的に思う存分発揮できる環境を作る事。
そして、無駄な管理ばかりしたがる上層部から社員を守り、上層部を教育する事だ。」
日曜日のテニス帰り、何気ない会話から伺えた言葉には痺れました。もし、、、多くの社員の期待どおりにTodd-sanがIBMのCEOに就任されていたら、その後のIBMの低迷はなかっただろうと私は確信しています。
赴任したての正月のミシガン湖での寒中水泳や、一度も勝てた事のないテニスを、Todd-sanが主催する役員会議で話題にして頂いたり、若手社員が主催するHappy Hourでネタにして頂いたりなど忘れられない思い出があります。IBMに勤める義理の息子さんを含めて、家族ぐるみでも仲良く親切にして頂きました。
因みに、Todd-sanは大学時代はアメフトの花形クォーターバックで、シーズンオフに取り組んでいた野球では卒業時にMBAマイナーリーグからも声が掛かった一流のアスリートです。同じ大学でチアリーダーだった美人の奥様がいて、ご自身もトム・クルーズのような美男。ハリウッド映画に出てくるようなエリート・エグゼクティブの代表のような方です。
バービー人形のバービーとその彼氏のケンのようだと、アメリカ人が表現するのを聞いて、心から納得しました。妻はトム・クルーズを見ると、いつもTodd-sanを思い出します。


Taking Time to Plan Your Own Success

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