わたしの留学費用 | 父とのこと #3
高校時代の途中?高校を出てから?
父と口を聞いていなかった時期があった。
高校を出てから、留学することに決めた。
アルバイトをして、少しお金を貯めた。
アメリカの大学のことを調べて、自分で手続きをした。
一般教養の間は、費用が安く済むコミュニティカレッジに行こう。
いきなり大学の授業に飛び込むのは不安すぎるから、
一ヶ月は語学学校に行こう。
お金がなくなったら戻って来て、
アルバイトしてお金を貯めて、
また行こう。
ぜんぶひとりで調べて、ひとりで決めて、ひとりで手続きをした。
出発の日、父が仕事に出かけるとき、母が父に何か言っていた。
父は、
「なんで俺から話しかけないかんねん」
というようなことを言っていたと思う。
でも父は、何かをわたしに言った。
わたしも、応えて何かを言った。
そのときの言葉は覚えてない。
父は母に、わたしに渡すようにと言って、
2万円だか3万円だかを渡した。
***
けっきょく、父は、わたしの貯金が尽きたあとの留学費用を全部出してくれた。
自分でぜんぶ調べたから知っている。
かなり大きな額だ。
感謝している、と思う。
ありがたいと思っている、と思う。
でも、どうしても、父のことを好き、とは思えない。
ごめんね。
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