住宅街の匂いって切なくなる
私はよく散歩する。
ダイエットのためでもあるし、気分転換のためでもある。
大体は音楽を聴きながらてくてく歩いている。
いつも散歩コースはあまり変わらない。
変わりのない日常が流れていく中で、いつも切なくなることがある。
住宅街の、あのなんともいえない匂いだ。
ご飯の匂いや、洗剤・柔軟剤の香り。
私はそれらが苦手だ。
なぜか?
幸せな家庭を連想してしまうからだ。
私自身がその香りに全くといっていいほど包まれずに生きてきた訳じゃない。
けれど、これから先、自分が家庭を持つことは不可能なんじゃないかと思わされるのだ。
最近、マッチングアプリを始める友人が増えた。
私自身も先日初めた。
が、すぐにやめた。
やっぱりこうじゃないよなあって思ってしまったからだ。
少女漫画育ちだからか、運命の人と運命的に出会いたい、その想いが消えない。
運命的じゃなくてもいい、自然な出会いがしたいのだ。
私の家族は変な人たちばかりだ。
自分の思い通りにならない子供をヒステリックに叱りつける母親と祖母。
子供を捨てて出て行く父親。
まともなのは祖父だけ。
そんな家庭で育ったからか、結婚にあまり良いイメージがない。
そういう家庭で育つと自己肯定感も育たないというツイートをこの間みかけた。
そのツイートをみて思ったのが、自己肯定感のない人間はクズを好きになりやすいのではないか?ということである。
自分に自信がないから、自分に価値を見出せないから、自分より高めな価値のある人に手を伸ばせないのだ。
自分が思う自分と同じ、もしくはそれより低い価値の人間に手を伸ばして安心しようとする。
そんなんじゃ、幸せになんてなれないよなあ。
家族って、結婚って、恋愛ってなんだろう。
誰かに決められた相手じゃなく、自分で相手を選べる自由恋愛の時代なのに、自分で選択肢を狭めてどうするんだろう。
どうしたら、ごはんの匂いや洗剤・柔軟剤の香りが漂う家を持てるんだろう。
答えはまだ出ない。
その答えを、私が死ぬまでに見つけられたら、いいな。
その答えを一緒に見つけてくれる人と一緒に人生を歩めたらもっと、いいな。
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