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ブランディング戦略

読者の皆様。このnoteを開いていただきありがとうございます。今回は飲食店オーナーなら知っておかなければならないブランディング戦略についてお話しします。単刀直入に言うと、飲食店経営に携わっていてこのブランディング戦略について知識がないのは少々まずいので是非、最後まで読んでみてください。そして読むだけではなく、明日から実行していくことが何よりも大切です。

お客さんに売っているものを考えよう

さて、読者の皆様はブランディングと聞いて何を思い浮かべますか?ハイブランドの鞄、高級ホテル、高級外車など高価なプロダクト、サービスを思い浮かべていませんか?それらは全く違います。確かにそれらのプロダクトやサービスもブランディング戦略を行いブランド化されています。ブランディング、ブランドについて正しく理解をしている方は少ないのではないでしょうか?

ブランディングについて知る前に、「あなたの飲食店で売っているもの」について考える必要があります。例えば、あなたが都心の複合施設に入っているパンケーキのお店の経営をしていたとしましょう。休日には高校生から社会人にいたるまで多くの女性客がひっきりなしに訪れます。パンケーキはこだわりの小麦粉、卵、牛乳を使っていてその上にかけるメープルシロップも他店で使われているようなどこでも手に入るものではなくカナダから直接仕入れているこだわりのメープルシロップです。価格は平均の1.2倍ほどと高価ですが味に定評があり人気店となっています。

さてまた同じ質問を繰り返すことになりますが「あなたがお客さんに売っているものはなんですか?」。もし、「パンケーキだろう」と考えたならばブランディングを理解しているとは言えないです。

あなたが売っているものは「お店でお客さんが得る体験」

パンケーキを売っているわけではなく、そのお店での体験を売っているのです。パンケーキの良し悪しはあくまでその体験の一部に過ぎないということなのです。

こう考えてみればわかりやすいかもしれません。もしこのパンケーキ屋が写真撮影NGのお店だったら人気店になり得ますか?ほぼ100%客足は遠ざかり、お店の存続は厳しくなるでしょう。

なぜか?それはお客さんはパンケーキを食べに来ているのではなくそのパンケーキを友達と一緒に食べて、写真を撮りSNSに投稿するために来ているからです。極端な例でしたがブランディングを考える上で「売るもの」が何かを決めることは大切なのでお話しさせていただきました。

ブランディングとは?

ここからはブランディングとは何かについてお話ししていきます。少し難しく聞こえるかもしれませんが絶対に最後まで読んでください。最後まで読んで理解できなかったら何度も読んでみてください。

ブランディングには4種類あると思っています。1つずつ紹介していきます。

組織ブランディング

組織ブランディング(Corporate Branding)はその会社や、代表者自身がそのサービス・プロダクトのブランドに繋がっていくケースです。ホームページやパンフレットのデザインだったりが重要になってきます。例えばApple社のiphoneが分かりやすいです。

Appleはスティーブ・ジョブズという創業者の圧倒的なブランディングがあります。Apple信者という言葉があるように熱狂的なファンが多いAppleですがなぜ、それほどまでに顧客を惹きつけるのでしょうか。Apple信者の多くはスティーブ・ジョブズのファン (もはや崇拝の域)であり、例えiphoneより低価格で高機能のスマホが発売されても他社製品を買うことはありません。それは彼らがスティーブ・ジョブズが創り出したAppleという企業に魅力を感じているからです。

飲食店では超有名シェフがやっているお店などがこれにあたります。このシェフ(レストランの代表)が作る料理は美味しいという考えのもと、そのお店にはファンがつくのです。

製品ブランディング

製品ブランディング(Product Branding)は言葉の通り、その製品にブランドを持たせていく方法です。先ほどのパンケーキの例がこれに当たります。材料にこだわり、高価格で売り出していく方法です。他にも、パッケージ、お店の雰囲気、特許が必要な場合の認可などで製品ブランディングを図ります。

最近、yogiboというビーズクッションのブランドの人気に火がついています。イスラエル出身のエイアル・レヴィという方が2009年にアメリカで家具メーカーとして創業しました。yogibiのクッションは従来のクッションの枠を飛び越えています。人が寝れるほど大きなものもあり、なんといっても豊富なカラーバリエーションが人気です。正直yogiboのクッションは他のビーズクッションと比べて高いですが、お客さんはこぞってyogiboのビーズクッションを購入します。それはお客さんがビーズクッションが欲しいのではなくyogiboのビーズクッションが欲しいからです。yogiboは「巨大でカラフルなリラックスできるクッション」というイメージをお客さんに定着させたからこそ強気な価格で販売することが可能になったのです。

マーケティングブランディング

マーケティングブランディングを一言で言えば、認知させる方法によるブランディング方法です。広告チャネル、メインユーザーの設定、SNSの運用、パンフレットやホームページで宣伝する際のキャッチコピーなどがマーケティングブランディングでは重要になってきます。

吉野家のキャッチコピー(社訓かもしれません)は「うまい、やすい、はやい」ですが三つ星レストランでこのようなキャッチコピーを出しているお店をみたことはないですよね。お店によって様々な特色が現れるのがこのマーケティングブランディングの面白さです。

宣伝チャネル(宣伝に使う媒体)もマーケティングブランディングでは非常に重要です。高級化粧品の代名詞でもある資生堂はビラでの宣伝などはしません。逆に多くの人に使ってもらいたいコンタクメーカーなどは若者が集まる場所でビラを配布している光景をよく見かけます。このようにお客さんへの伝え方も歴としたブランディングになりうるのです。

セールスマーケティング

最後のブランディング方法はセールスマーケティングです。セールスマーケティングは自社のプロダクト・商品をどのように売るのかというブランディング方法です。これはよく洋服のブランドに見られます。洋服のブランドはセレクトショップに自社の服を卸します。その際にどのセレクトショップに卸すのかが非常に重要になってきます。洋服のブランドの中にはシャツ1枚10万円もするような高級ブランドもあります。そういったブランドは自身のブランドを傷つけないように「センスのいい」、「高級感のある」といったイメージがお客さんに定着しているセレクトショップに商品を卸すのです。

飲食店の場合は出店場所が分かりやすい例ですね。大きな商業施設にはフードコートがあることが多いです。そういったフードコートに出店している飲食店はお客さんにファミリー向けのお店だというアピールをするために出店していることがあります。逆に1人単価4000円を超えるような高価格帯のお店が出店することは自店のディスブランディング(ブランド力を落とすこと)に繋がります。まずそういった場所での収益化が難しいという問題も重なって、高級レストランはフードコートにはまず出店しません。

以上、ブランディングの方法を4つお話ししました。


ブランディングというのは広告などとは違って、お客さんから「あのお店に行きたい」と思ってもらう方法です。なのでブランディングに成功すると広告などを一切気にせずに店舗経営を行うことができるようになるのです。そんな甘い話があるのかと思われる方もいらっしゃるでしょう。しかしブランディング戦略に成功した企業は数多くあります。そして飲食店はその性質上、ブランディング戦略を実行しやすいビジネス形態です。ですので積極的に取り入れていくことを強くお勧めいたします。


最後まで読んでいただきありがとうございました。他にも飲食店経営者なら知っておくべき情報、マーケティング、最新トレンドなどの記事を書いていますので他の記事も読んでいただけるとありがたいです。

では。




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