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苦手な満員電車をやり過ごすために
満員電車が苦手だ。
東京の、東横線の殺人的なおしくら饅頭も、日比谷線の地下鉄独特の匂いの篭る車内も、辛かった。大阪にきても、御堂筋線の揺れとカーブにも酔ってしまう。
何度も行き帰りの道で吐いたりしたこともある。
いまもなるべくなら、満員電車には乗りたくない。
お金を払ってまで電車に乗ってるのに、見ず知らずの人とあんなに近接した空間に閉じ込められて、嫌な思いをするなんて、おかしい。
だから、まずなるべく満員電車に乗らない方法をまず考える。
毎日乗らなければいけないのは、職場や学校が遠いからだ。歩いていけるなら、電車に乗らなくて済む。職住近接。
人のいない時間に乗る。朝、すごく早くに出かける。会社の近くのカフェでゆっくりと本を読んでから、出勤する。
あるいは、朝少し遅めの電車に乗る。1時間ずらせば、ずっと人は減る。2時間ずらせば、もっと減る。
お金で解決する。プレミアムな車両に乗る。特別料金を払って、優雅な朝を過ごす。毎朝、カフェに行く、と思えばそんなものかもしれない。
自転車に乗る。10キロくらいなら、頑張ればいける。電動アシストを使ってもいい。自動車は渋滞していても、自転車なら渋滞に巻き込まれることもない。
会社に行かない。リモートで仕事をする。サテライトオフィスを作る。同じ駅から乗る人が多くいれば、通勤定期代より安くコワーキングスペースが借りられるかもしれない。無理に同じ場所に集まらなくても、仕事はできる。
それでも、満員電車に乗らなければならないとしたら。
音楽で気を紛らわす。何も考えない。遠くの穏やかな時間の流れる景色を想像する。
ノイズを気にしないために、ノイズをつくる。ノイズを対消滅させる。
本を読む。読めなかったら聴く。
ワイヤレスのイヤホンは便利だ。小さく、耳に嵌めるだけで、いろんな雑音を消してくれて、ひとりの世界を作ってくれる。
いろんな人が乗り込んでいるこの空間のなかで、この音楽をオーディオブックを聴いているのは、ひとりしかいない。
そうやって、なんとかやり過ごしたい。
目的地に着いたら、また新しい1日が待ってるから。
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