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進化させるか退化させてしまうか〜全ては受け手の使い方次第〜

テクノロジーの進化はすさまじい。

私がこどもの頃、友達との連絡手段で一番早かったのは固定電話だった。

今のこども達はチャットもビデオ通話も気軽にできて当たり前の環境にいる。

辞書だって、昔は紙一択だった。
最初の頃の電子辞書は入っている辞書の種類が少なかったけれど、技術の進歩によりどんどん内臓データが増えていった。

それがいまやネットさえ通じていれば、媒体を問わず検索できる時代。

だけど、私はこども達には紙の辞書を使えるようになって欲しかった。
日本語ならあいうえおの語順をしっかりと覚えて、パッと辞書が引けるようになるべきだと思っていたから。

生まれが遅い子ほどデジタルネイティブ度合いが高くなり、調べると言ったら音声入力だったり、ひらがな入力だったりして、頭を使おうとしない。

そんな状況に私はとても危機感を覚えて、末っ子が持っているタブレットをローマ字入力限定に指導してはこどもが勝手に設定を変えてしまう、といういたちごっこをしばらくの間続けていたりした。

デジタル技術の進歩によって、生活が便利になっているのは事実。

知識をつめこんで知識量をもとに受験する時代とは違い、今はいかに情報を使いこなして問題解決ができるか、に焦点が当てられている時代。

だから、こども達の課題もネットで調べてまとめることが増えてきている。

だけど、ネットで調べた情報をただ切り貼りしてまとめているだけで、中身がスカスカだったりしませんか?
まとめた記事を読んでみると、文章のつながりがおかしかったり、重複表現が多々あったりしませんか?


言葉は文字列じゃなくて、ちゃんと一つ一つに意味があるのを知っているのかな?

意味がわからなかったらネット上ですぐに調べられるよ。
紙の辞書を引くよりも断然早いスピードで。

検索結果が多くて困るなら、まだ紙の辞書を使った方が良いよ。
あなた自身にある程度の語彙量がそろってからネットの辞書を使った方が良いと思うよ。

考えることを放棄しちゃダメ。

考えなくなったらあなたはデジタル技術に飲み込まれてしまう。

デジタル技術を開発して販売する人達にとったら、考えない人間が増えた方がうれしいんだ。

その方が自分が好きなように人々を操ることができるから。

歴史を考えてみて。
かつて勉強することが許されていたのは、上流階級=人を使役する側 の人のみ。

操る人たちに知識が有ったら抵抗されるし、文字の読み書きができたら騙すこともできなくなってしまう。

だから上流階級以外の人たちが知識をつけることをとても嫌がった。

なにより、平和な世の中だから勉強をすることができるんだよ。
戦時下などで自分の命が脅かされていたら、勉強をする余裕なんてなくなっちゃうんだよ。

だから考えることを放棄しちゃダメなんだ。


文字を読んでいるだけでは想像がつかないものでも、映像を見ることでしっかりと記憶に残る。

実験の手順を確認したり、図形を立体的に見たり動かしたりすることができる。

発音を実際に聞くことができる。

世界各国で同じ教材を使うことができる。

デジタル技術が進化したから、いろいろなことが手軽に学べるようになったのは本当にメリットだと思います。

開発した人達は「もっと生活を便利にしたい」という気持ちから研究を重ねたはず。

物事には必ず裏表があって、善意で作ったモノを悪意で利用する人もいる。

人間の生活をより便利に進化させるために作られた技術だけど、受け取り方を間違えると人間から退化しちゃうよ。

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