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【映画】ALONE(アローン)を観た
【映画の一口感想】
そうましでしても、生きていたいと思う。それでこそだよね。
全編を通して、砂漠の中で微動だにしない一人の男だけで作品が進行していく。
最初、映画の概要を見た時、
「こんな感じで間延びしないかなぁ?」
なんて思ってたけど、ずっと緊張感があって最後まで楽しめた作品。
一歩踏み出すことで、死ぬかもしれないし、助かるかもしれない。
途方もなく長い時間、自分の足を上げることができない苦痛。
極限の精神状態と肉体的な消耗で幻覚と幻聴が見えて、それでもなお「生」へ向かうのか、それともあきらめて「死」を選ぶのか。
見ている方が「もうそこまでで良いんじゃないの?十分やりきったよ」
と哀れんでしまうぐらい。
生きることの困難さ、苦痛、辛さ。
そして死ぬことの開放感、安堵感。
それでも尚、生きていたいと思うのはなぜだろう。
人は大義名分をもって(生きることの言い訳をもって)日々暮らしているけど、いざ極限に追い込まれた時に「生」を選び抜く覚悟を持つことが出来るだろうか。
生きることも、死ぬことも、どちらも意外とあっけないというか、無力というか。
ならば、せめて、泥臭くても良いので生き延びることを選びたい。
そうすることで、きっと後悔なく「生」を全うできるような気がしてくる。
動きが極端に少ない作品だったけど、それに反して、見ている者の感情や思考をバリバリ揺れ動かす、
なかなか見ごたえのある作品だった。