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勝手に愉しむ❗️<その6> 〜グランド・ツアーの需要と供給〜

The NATIONAL GALLERY, LONDON
<ロンドン・ナショナル・ギャラリー展> 〜 グランド・ツアーの需要と供給

開催が延期されている<ロンドン・ナショナル・ギャラリー展>。
入手できる情報をもとに予習しながら一人で勝手に愉しんでいます!

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【第4章 グランド・ツアー】ー The Grand Tour ー
落ち着いた水色の展示室は、画像で見る限り広々しているように感じます。
大陸ヨーロッパの文化財や美術品が イギリスに大量に流れ込むキッカケとなったグランド・ツアー。
この展示室で勉強したいと思います。

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17−18世紀のイギリスでは 富裕層の子息が学業の総仕上げとしてイタリアへ旅行しました。
このグランド・ツアーは、現代における大学の卒業旅行とは少し違うようです。
期間は数ヶ月から数年に及ぶこともあり、グループを組んで第一級の家庭教師に同行を依頼したようです。アダム・スミス(経済学者)やトマス・ホッブス(哲学者)も教師として同行したことがあるそうですよ。

そしてグランド・ツアーのお土産として持ち帰ったのが文化先進国イタリアの景観を描いた作品です。
◉ 出展番号「27」カナレット『ヴェネツィア:大運河のレガッタ』(1735年頃)

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カーニバルの時期に開催されたボートレースの様子が描かれています。
美しいヴェネツィアの街並みに囲まれた大運河に、ボートを漕ぐ人、手を振り上げて応援する人、ボートに乗って準備する人、あら奥の建物の窓にも…。うわーっ、画面奥まで人、人、人。
生き生きと描かれた景観図は、見ているだけでワクワクしますね。
ヴェネツィアの街並みがとても正確に描かれているため、街を再建するときの資料になったそうです。
展示室で実物を見るのが楽しみです😊。

カナレットの主な顧客は、グランド・ツアーでイタリアに来たイギリスの貴族でした。自分たちが実際に訪れた憧れの街、そしてそこで繰り広げられる光景を 色彩豊かにドラマティックに描いた景観図は、ヴェネツィア滞在のお土産として申し分なかったというわけです。
イギリスの貴族🇬🇧「この美しい景観を見たまえ!私はまさにこの場所に立って、レースを応援したのだよ!」

私が注目するのがコチラ。
◉出展番号「32」ポンペオ・ジローラモ・バトーニ『リチャード・ミルズの肖像』(1759年頃)

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イギリス人旅行者たちの需要に巧みに応えて人気を博した画家は、景観図のカナレットだけではありません。
バトーニ(1708−1787年)は、ローマの名所(ex. コロセウム)や有名な彫刻(ex. ナポリのヘラクレス像)と並んでポーズを取る肖像画を描くことで人気者になります。まさにイタリアに行った証拠のような役割を果たす肖像画…なるほど🤔。
古代ローマ彫刻の前で「僕、ここに居るんだよ!」と地図を指差すリチャード・ミルズ氏の、何とも得意気なこと❗️
結果として 定型的な(同じ背景の肖像画)作品が数多く存在したのですが、そんな事は問題ではないですね。

バトーニが描く非常に優雅な肖像画の依頼者はドンドン増えていき、バトーニの制作料も相当高騰していったようです。
晩年、バトーニはローマ法王の芸術コレクションのキュレーターを務めました。

人々が、そして時代が何を求めているのか察知して供給できる人は成功するのですね、いつの世も。

展示室には、風景画に古代ローマの建造物や彫刻を描いたパニーニの作品もあります。
◉出展番号「30」ジョヴァンニ・パオロ・パニーニ『人物のいるローマの廃墟』(1730年頃)

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イギリスの貴族🇬🇧「私がイタリアで学んだ古代ローマとは、…。」

グランド・ツアーとこれに関係する作品、面白そうです😊

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             <その6・終わり>

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