<TORIO 展> からの・・・
職場から頑張れば歩ける距離にある東京国立近代美術館。
金曜日の仕事を終えて <TORIO展> に行ってきました。
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「TO」kyo(東京)、Pa「R I」s(パリ)、「O」saka(大阪)
の文字を組み合わせた<TORIO>なのですね。
超目玉作品があったわけではないのですが、
「なるほど」「そう来ましたか」「おーーっ、これはイイですねぇ」
など、三つの作品をセットで鑑賞しながら、展示室で一人つぶやいておりました。
今回は鑑賞時間が限られていたこと、図録を購入しなかったこともあり、復習を兼ねて全体をザーーッとご紹介するだけの乱暴な投稿をお許しくださいませ。
現地に行けない方は美術展を見た気持ちになって下さい。すでに観た方はご一緒に復習のためにご覧いただけると幸いです。
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では順不同にご紹介します。
◉テーマ:自画像
・中)スーティンの激しいデフォルメと大胆なタッチが威力を発揮しています。
・左)恩地孝四郎(1891-1955年)の自画像(1915年)は、サイズと構図からして東京美術学校(東京藝術大学の前身)の制作課題でしょうか・・・。ちょっと青木繁の自画像を思わせるような力強さがあったので、見入ってしまいました。
恩地孝四郎=素敵な装幀作家・・・と思っていたのですが、ちょっと気になったので、装幀以外の作品を調べてみました。
あらまぁ。なんとも素敵な木版作品ではないですか。
恩地孝四郎・・・メモしておきましょう。
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◉テーマ:女性たちのまなざし
・左)ユトリロの母、シュザンヌ・ヴァラドンは、ブレない強さがいいですねぇ。
・右)藤島武二作品の題名は『匂い』。
美しい薄紫色を纏った女性の誘うような視線から、気品と自信を感じます。テーブルに少し寄りかかるポーズと画家に見せつけるような仕草の手にドキッとしました。
彼女から放たれた高貴な香りが、画家だけでなく周囲の空気や花を美しい薄紫色に染めているに違いない!その『匂い』なんだ!と勝手に興奮していました。
よく見ると、テーブルに小さな瓶がありました。
単に彼女が香の匂い楽しんでいることから付けられた題名なのかもしれません。
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◉テーマ:こどもの肖像
いやいや、麗子像のインパクトは相当ですね。ずっしり重みがあります。
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◉テーマ:広告とモダンガール
・中)ガルガーリョの作品がとても “モダン” で素敵だったので、いろいろな角度から覗き見をしました。写真では魅力を伝え切れないのが残念です。
タイトルは『モンパルナスのキキ』⁈。キスリングや藤田嗣治、そしてマン・レイのモデルとして有名なあのキキ(アリス・プラン)なのですね。
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◉テーマ:プリミティヴな線
以前は全く良さがわからなかった【プリミティヴ・アート】。今もその良さはわからないのですが、<キュビスム展>を観てから、少しだけ興味が湧いています。
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◉テーマ:差異と反復
強烈に惹かれるのはルネサンス前後の絵画であったとしても、我が家のリビングを飾るなら、やはり現代絵画を選ぶかも知れません。
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◉テーマ;色彩の生命
・右)マーク・ロスコの作品は本当に不思議な魅力があります。
・左)辰野登恵子さんの作品は、その独特の色彩に吸い込まれそうになります。
辰野さんのことは、<ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?>展で初めて知りました。
国立西洋美術館の至宝 モネの『睡蓮』と並んで展示されていたのですが、力強さの点においては、辰野さんに軍配をあげました。
描かれた深い色彩を探るためにじっと観ていると、この時も吸い込まれそうでした。
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◉テーマ:戦争の影
ひとり一人が感じ取る不安、見えない恐怖、悲しみ・・・。観ていると胸が苦しくなります。
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◉テーマ:空想の庭
今回のチラシ・メインビジュアルにもなっているTORIO。色鮮やかな庭を観ていると、華やかで軽やかな気持ちになります。
「空想の庭」というテーマはいいですね。子どもたちにも描いてほしいです。
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と、挙げていったらキリがないのです。
テーマ設定の面白さや、横に並ぶ作品との相乗効果から思わぬパワーを発揮している作品もあれば、イヤイヤこれは単独で鑑賞させてくれた方が絶対に素敵だよ、といった作品など様々。
もっと時間に余裕を持って臨めば良かったです。
最後にご紹介するのがこちら。
◉テーマ:モデルたちのパワー
・中)萬鉄五郎は、カンヴァスを縦長に使ったところがすごいですね。
草原に横たわっているのだと思うのですが、モデルの女性から見下ろされているようで圧倒されるのです。
三者三様の横たわる女性、素敵です。
テーマを絞って複数の作品をセットで鑑賞するのって、楽しいですね。
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そういえば…。
この ‘横たわる裸婦’ の代表作品を並べてnoteに投稿したことがあります。
最高傑作の並びなのですが、「作品のチョイス」という点ではありきたりで面白味が少ないかも知れません。
確か、このテーマで作品を比較していた本があったな。。。と思い巡らせていると、思い出しました!
4年ほど前、古本屋さんで見つけた一冊の本『二枚の絵』。
購入した3年前は、聞いたことがない画家や知らない作品がほとんどだったので、「もっと勉強してからしっかり読もう!」と思って本棚の隅に積み上げていました。
‘横たわる裸婦’ が並べられたページを探してみると、ありました。そしてなんとも面白いチョイス!!!
これは・・・。
そろそろ私にも『二枚の絵』の面白さがわかるかも知れません。
この4年で私も少しは成長したのかしら。。。嬉しいのです。
というわけで、<TORIO展>からのバトンを『二枚の絵』に渡すことにします。
次回は『二枚の絵』から素敵な2作品をセットでご紹介したいと思います。
<終わり>