オランピアの実力
≪ パリ滞在記・その33 ≫
〜Musée d’Orsay オルセー美術館・④ 〜
実物を見るまでこの絵の良さが全然わかっていませんでした。
少し前に マネ『草上の昼食』を目にした時と同じ衝撃が走りました。
暗い背景と そこから浮かび上がるシーツや女性の肌色とのコントラスト、そして大まかな筆触と平坦な色の面で描かれた作品を前に ハッ!とさせられました。
作品自体が放つ魅力に惹きつけられて目が離せません。そのままどうしていいのかわからずオロオロしながら、なぜか少し怖くなってドキドキするのです。
上手く表現できません…💦
出た言葉は “まさかこの絵の前に立てる日が来るとは思わなかった” です😊。
1865年 サロン審査員は度肝を抜かれたことでしょう。型破りなマネの作品を「けしからん!」と思いつつも、魅力に抗うことができない…。新しい時代の到来を予感して 入選させたはよいが…。
その当時 サロン入選作品は、国家が買い上げて展示することもあったのですが、批判が大きかった『オランピア』は一時期アメリカに売られようとしていました。
これを阻止すべく モネら画家仲間が募金を集めて作品を買い取り、受領を渋る政府に働きかけを続けました。無事 寄贈を果たし、リュクサンブール美術館に収められたのです(←これ、リュクサンブール美術館の時に学習しました😊)。
これを機に、国家に印象派の作品が集まり始めたそうです。近代絵画史の幕開けですね。
その後『オランピア』は高い評価を受けるようになり、ルーヴル美術館に展示されます(↓ 写真はルーヴル美術館のグランド・ギャラリー)。
古典・巨匠たちの作品とルーヴルに並んだ『オランピア』。サロンでの評価を望み続けたマネは、天国で喜んだことでしょう。
そして1986年、美術館の開設に合わせてオルセーにやって来たのです。
さて 今やオルセー美術館の顔となったこの作品は 滅多に貸出しをしないのですが、2013年ヴェネツィアで開催された企画展のためイタリアに渡りました。マネがインスピレーションを受けたとされる『ウルビーノのヴィーナス』と並べて展示するためです。
300年以上前に巨匠ティツィアーノによって描かれた作品と一緒に見られるなんて、夢のような展示会だったことでしょう!想像するだけで興奮します🥰
【おまけ】
これをFacebookに投稿したところ、Reikoさんより関連作品をご紹介いただきました。
「2000年代にはこうなります。マーク・ラング Collaborative Fiction 2008 」
コメント、とてもありがたいです❗️
おおーっ!面白いですね。出来栄えを確認する肉付きのよいモデルさん。とってもスリムに描いてもらって大満足だったことでしょう😊
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<その33>終わり