ピカソとその娘
先日鑑賞した<ピカソとその時代展>で印象に残ったのが、ピカソの描く女性。
最初の妻オルガ、愛人マリー・テレーズ、そして愛人ドラ・マール。それぞれが全く違う人格を持ってピカソ作品の中に生き続けていました。
ピカソの画風は「時代」とそして「愛する女性」と共に変わっていったことを強く感じたので、今後ともピカソ作品のモデルとなっている女性には注目です。
と、ピカソ美術館・パリの Instagram に素敵なドローイングがありました。
ここに描かれている「マヤってどちら様?」と思って調べてみました。
マヤ・ルイス・ピカソは、ピカソとマリー・テレーズの間にできた娘さん(長女)で、幼少期に両親からたっぷりの愛情を注がれたそうです。
ピカソには最初の妻オルガとの間に長男パウロがいたのですが、オルガとの別居により、パウロは父親の愛情を十分に受けられなかったのですね。
2021年9月 マヤさん(86歳)は、父の代表作である絵画6点、彫刻2点、素描ノート1冊の計9点を相続税の代わりに国立ピカソ美術館に納めたそうですよ。
きっと恐ろしい額の相続税なのでしょうね。
マヤさんをモデルにしたというこの作品、素敵です。
描かれたのは第二次世界大戦直前ということで、モノクロームで少し歪な形態表現から、閉塞感や忍び寄る恐怖が読み取れます。しかしそんな中でも、クルクルといろいろな表情を見せる愛娘を楽しそうに見つめている父親・ピカソの父性(=彼女を守ってあげたい!)を強く感じるのです。
そして現在(2022年12月31日まで)、
<マヤ・ルイス・ピカソ、パブロの娘 展>
がピカソ美術館・パリで開催中なのだそうですよ!。
うわーっ。行きたい!でも行けない…。
と思ってネット・サーフィンしていると、
<生誕100年記念 ピカソ展 マヤ・ルイス・ピカソコレクション>〜長女マヤ、その母マリー=テレーズとの愛の日々〜
という展示会が1981年に西武美術館で開催されたそうです。
さらに1985年には、
<Picasso ピカソ展 長女マヤ・ピカソの秘蔵コレクション>が開催された⁈
40年も前にすでに日本で開催されていたとは。。。素晴らしい。
さっそく古本屋さんで図録を探してみることにします。
<終わり>