愛したいという本能
「フリーター、家を買う。」
の再放送が
関東で今日までやっていた
大好きなドラマだ。
父役の竹中直人さんが
「そうそうこんなお父さんいるよね!」
というリアルな堅物具合と
人間臭さを醸し出していて、
その姿が自分の父と重なって、
何度観ても泣けてくる。
耳の痛くなるような、
反発したくなるような言葉で
とにかく家族を責めまくるのだ
ド正論という名の凶器を従えて。
やがて妻は鬱となり、
息子からは煙たがられ
居場所を失くした一家の大黒柱に
不倫疑惑が生じる回があるのだけど、
私はこの回を
10年以上経った今でも忘れられない。
これが愛だと信じて疑わなかった
愛することにただ必死だった
不器用な男の背中が切なすぎるのだ。
「誰かに必要とされたかった、、」
尽くすことは、
人間のオスに備わる本能だという。
親は子に無償の愛を与えるというけれど、
親になった今、
それは逆だって思う
少なくとも我が子は、
愛させてくれる…
という愛を持ってやってきている
全力で愛し、
守らせてくれる愛を手に
全ての子は生まれてくるんじゃないか?
そしてその手は
いつか離れていき、
今度は自分へ愛を向ける、
というところまで
セットで体験させてくれる。
そんなことしたことも
考えたこともないから、
家族の為、
社会の為、
身を削る生き方しかしてこなかったから、
行き場を失くした竹中直人の愛は
女子学生へと向かったんだよね。
ただ愛したい、
彼は愛したかったのだ。