LayerX・バクラクフィールドセールスのオンボーディング・イネーブリングへの取り組み〜入社1か月の視点から〜
みなさん、はじめまして。
バクラク事業部フィールドセールスの中村裕貴(Hiro)と申します。(@hiroki_naka0121)
2/16に入社してから1ヶ月が経ちます。この1ヶ月はオンボーディング期間として、主にドメイン知識のインプットや商談のロープレ、商談のスピーカー(先輩同席のもとで商談を主導する)などに時間を割いてきました。
今回のnoteでは最初の1ヶ月間をどのようにして過ごしていたか(乗り越えていったか)を、1人ではなくチームでやってきたことを中心にご紹介したいと思います!
自己紹介
1991年生まれの32歳。明治大学を卒業後、2013年に株式会社ギブリーに入社。 to C向けポータルサイト事業の立ち上げを経験した後、AIチャットボットPEP(ペップ)の立ち上げ期に参画。フィールドセールスを担当し、中小企業からエンタープライズ企業まで幅広く経験。プレイヤーの傍らマーケティング、インサイドセールス(IS)、フィールドセールス(FS)の全般を管掌し、2021年よりマネージャーを兼任。 2023年より株式会社LayerXにジョイン。 趣味は子供と遊ぶことと、欧州サッカー観戦⚽️
誰向けの記事か
このnoteは、FSとしてLayerXへの転職を検討中の方、LayerXに入社後のインプットが不安な方に向けた記事です。
LayerXではオンボーディングコンテンツが用意されており、随時アップデートもされています。またLayerXはBizもDevもイネーブルメントに力を注いでおり、FSの入社者向けにも充実したサポートが実施されています。
私自身は前職で0->1フェーズのプロダクトに関わっていたため、ノウハウやマニュアルはほとんど無い組織で過ごしていました。そのため(良い意味で)LayerXのイネーブルメントの本気度や、オンボーディングカリキュラムの充実度には驚きました。
転職してきて感じた文化:Trustful Team
LayerXに転職して1番感じたことは、LayerXの行動指針の1つであるTrustful Team、つまり信頼し合っているプロフェッショナルな関係性であることです。
Trustful Teamの意味については以下よりご覧ください。
周りの人たちはお互いを尊重しあっており、コミュニケーションの1つ1つが事業の本質に向き合っています。何か困ったことがあっても、まずは構造や仕組みに目を向けることが求められ、他人に責任を向けることはありません。
素敵な仲間たち
ここからはオンボーディング期間中に感じた人たちとのコミュニケーションなどソフトな面についてお話しします。
オンボーディングで関わる人たち
新入社者には、オンボーダーとメンターという2人の先輩社員が密接に関わってくれます。また自分が所属するチームのメンバーとは毎日会話できますし、イネーブルメントチームの方とも定期的に1on1などの機会もあります。
みなさんそれぞれ業務があり、また新入社者は自分だけでは無いものの、常時5-6人が自分のオンボーディングを支えてくれています。
また、当然ながら、自チーム以外の方には関わらない、ということではありません。例えば商談の同席をお願いしたい場合や、自分の商談に同席して欲しい場合、もっと幅広くいうと雑談したい場合など、他チームの方とも気軽に会話することができます。
コミュニケーションコストが低い
コミュニケーションコストの低さにも驚きました。社内政治などに代表される変な気遣いなどはしなくても良いというコストの低さもあれば、業務レベルの日常会話の一つをとっても心理的な安全性が高いです。
その理由として、私自身の解釈になりますが、大きく2つ考えています。
プロフェッショナルの自覚があること
みなさん前職でも現職でも実績を積んでいる人たちの集まりであるため、プロフェッショナルであることの自信があります。また自分の改善やアウトプットがチームや組織のアウトカム最大化に繋がることを知っていますし、反対に自分の改善やアウトプットのためにはチームや組織の力が必要であることも認識しています。なので各々が周囲からのフィードバックをもらうことへの変な抵抗感がなく、学ぶ姿勢が徹底されていると感じます。プロフェッショナルであるほど、凡事を徹底する。ここが正にLayerXの組織の強みだなと、日常会話から感じることができます。(※1)
結果的にチームとしての成果を最大化することが重要視されているので、建設的なフィードバックが個人⇄組織の正のループに活きていると思います。Slackのスタンプ文化があること
LayerXではSlackを使っていますが、意図的にスタンプを押すことで認知負荷を下げることの取り組みが活性化されています。(※2)
個人的にはLayerXの非常に有難いカルチャーだと感じています。前職でもSlackを使っていたのですが、(前職のカルチャーがどうこうというより)自分自身が殆どスタンプを使わない人間でした。そのためLayerXに入って「同じSlackなのにここまでコミュニーケションの透明性が違うのか!」とびっくりしました。
テキストコミュニケーションだけでなく、スタンプを多用することで「あぁ、ちゃんと伝わっていそうだな」や「リアクション無いから自分の発信を変えた方が良いかな」などの健全な気づきを得やすくなっています。
親しき中にも礼儀あり、とは正にその通りで、相手がどこまで認識しているんだろう、という仮説を持って会話をすることができるので、オンボーディングで関わる方への報連相が気持ち良くできたかなと個人的に振り返っています。(ちょっと堅苦しく見えているかもしれませんが、当然雑談などのコミュニケーションも活発に行われています!笑)
※1 凡事徹底について
LayerXの羅針盤の中でも本質的な強みとして「当たり前のレベルの高さ」と紹介されています。各々がプロフェッショナルとして自律自走するためには、個々人の学びの姿勢が裏付けされていると感じています。
※2 Slackスタンプのカルチャーについて
2年前で少し古いですがALL STARS FUND様のポッドキャストで石黒さんがSlackスタンプのカルチャーについて触れているのでご参考に。
「Hiroさん、どんどん型をアップデートして欲しいです」
さてここまでは、オンボーディングに関わる人たちやカルチャーについてご紹介してきました。
そのような背景がある上で、入社直後にイネーブルメントチームの人たちとの会話の中で言われたのが表題の「Hiroさんどんどん型をアップデートして欲しいです」でした。
事業の成長につながるため、オンボーディングに繋がる仕組みをアップデートすることが善とされ、新入社者だとかは関係なくアップデートに繋がりそうなことはどんどん発信して良いと言われました。
用意された内容をインプットしつつ、足りないものをアウトプットし、オンボーディングコンテンツのアップデートにも貢献できたら良いなと感じながら進めていました。自分自身がオンボーディング期間中だったため、実体験をもとにしてオンボーディングコンテンツのアップデートができるチャンスだと意識して取り組みました。
ちなみに、このような型をアップデートすることはLayerX羅針盤でも記載されている、大切なカルチャーの1つになっています。
(補足)ちなみに、入社後のday1の研修で代表取締役の福島さんのウェルカムスピーチがあるのですが、その場でも「プロフェッショナルである皆さんは、day1から受け身ではなく、過去の経験を基にLayerXにカルチャーアドしてほしい」という話がありました。「であれば自分から積極的にアウトプットしない理由はないな!」と奮起したことを今でも覚えています。
参考)新入社者である私のマインドセット
具体的に私自身がどのようなアウトプット(型のアップデート)をしたかを説明する前に、どのようなマインドセットでオンボーディング期間を過ごしているかを開示したいと思います。なぜなら、入社後どのような心理状態かを分かっていた方が、具体でやってきた施策の背景の理解にも繋がると考えているからです。
謙虚さをもつ
個人的に大切にしている考え方があります。それは謙虚さです。オンボーディングコンテンツをイネーブルメントチームや先人に感謝の気持ちを持つこと、転職してきた自分はアンラーンする自分の現在地をメタ的に認識する
営業(FS)であるからには、まずは結果を出さないといけない身であること。加えて守破離の守をまずは取り組んでいきたいと現在地を俯瞰しておくこと。この辺りのマインドセットは忘れないようにしています。本質的な目的:組織のアウトカム最大化をスタンスにする
組織のアウトカム最大化を目的とすること(スタンスを持つこと)は、day1の人でもベテランでも変わらずできることだと思っています。今後入社して自分と同じようにオンボーディングを経ていく人たちに、「自分と同じ失敗を繰り返させない」という精神で取り組もうと考えました。基礎知識は貪欲にインプットする
経理業務の不(ペイン)にどっぷり浸かっているLayerXの場合、「型をアップデート」と言っても、現実的に業界知識が足りない場合は型のアップデートの質は上がりにくいとも考えられます。そのため、まずは用意されている社内の情報を基に、自分なりに業界ドメイン知識やプロダクトの理解を最低限は早めに抑えることに注力しました。自分のメインのミッションは何かを見失わない
型をアップデートすることが私のメインミッションではないため、それ自体を目的化することは避けたいと思っています。あくまで、私がオンボーディングを進めていく中で「これがあったらいいな」と思ったことをアウトプットして、型のアップデートに繋がれば尚良しだな、とするスタンスを意識しています。情報の洪水に飲まれない
最後に、実はLayerXの中では一番重要なマインドセットと言っても良いかもしれません。私が所属しているバクラクは、プロダクトが複数あるのに加えて、経理業務のドメイン知識が必要であったり、基幹システムよりのプロダクトなので誤った情報提供が出来ないことも背景にあり、非常に情報量が多くなっています。そのため流れてくる情報をただ追っているだけでは本質的なインプットに繋がりにくく、自分自身が情報を取捨選択する姿勢も必要(そこまで大袈裟では無いですが…)と感じています。
準備されていたオンボーディングコンテンツ
ここまで前置きが長くなりました。
イネーブルメントチームの人たちから「Hiroさんどんどん型をアップデートして欲しいです」と言われて、実際に自分がアウトプットに取り組んだことの一部をご紹介いたします。
ここからは、たとえばフィールドセールスとしてLayerXに入社を考えている方や、LayerXだけでなくフィールドセールスのオンボーディングに悩んでいる方に向けて、より具体的なお話ができると思います。
まず、フィールドセールスの新入者者向けに、どのようなオンボーディングコンテンツが用意されていたかを一部紹介します。
Notion上に自分向けのページがあり、各コンテンツへのリンク集やスケジュールが記載されています。
バクラクは大きく5つのシリーズに分かれているため、それぞれの製品ごとに、資料・デモ・商談録画というようにリンク集になっています。不明点があればいつでもアクセスして確認することができます。
例えば、表の真ん中あたりに(モザイクをかけていないあたりに)商談動画が上がっています。LayerXの商談は録画をするようにしているので、全員のフィールドセールスの全ての商談を自由に閲覧することができます。
先述のように、情報洪水に飲まれないように、ある程度選りすぐりの商談録画はリスト化されていますが、自分自身で探しにいく姿勢も良いと思います。(良い悪いの話ではなく、好き嫌いに近い考え方かなと思います。私は商談録画はたくさん観たい派です。)
自身が実施したアウトプット(=型をアップデートしたこと)
先述のオンボーディングコンテンツのインプットを進めながら、自分自身でもアウトプットを並行して行っていました。
イネーブルメントチームとすり合わせをした結果、アウトプットしたことの一部は、オンボーディングに組み込んでいただいたりもしました。
業界ドメイン知識
特に私のように経理業界が初めましての場合、以下のような壁に直面しました。
経理担当者が何かに困っていることは分かるが、具体的にどの業務ステップの中で課題が発生しているかがあまりピンとこない。
バクラクの導入事例を読んでいても、各企業におけるバクラク導入前の業務フローが異なるため、同じようなことを言っている気がする。
これらをチームメンバーの先輩に相談したところ、請求書を受け取る人(現場か経理か)と、社内承認フローの有無の合計4パターンに分けて理解すると良いと教えてもらいました。
その際に自分の中で整理したのが以下のExcelになります。4パターンをA~Dにプロットしてまとめました。
その上でバクラクの導入事例集を読み込みました。各社様がA〜Dのどのパターンなのかを振り返りながら進めることで、自分の頭の中でパターン化を進めることができました。
それ以降は商談同席するたびに、先輩に「今のはCでしたか?」のように確認することができ、A〜Dが共通言語となってコミュニケーションも楽になっていきました。
経理業務の課題やバクラクの導入価値
お次はもう少し具体的な論点に踏み込んでいきます。フィールドセールスとしては自社プロダクトのバリュープロポジションを意識したいところですが、導入企業がどのような不(ペイン)を抱えていて、どういう未来像を描いていて、そのペインを未来像まで引き上げるための課題はどういったもので、なぜバクラクを導入したのか、をキャッチアップする段階です。
請求書受領後の経理業務は会社によって独自のフローが組まれているため、商談同席や録画視聴などでも一体何が課題なのかが掴みにくかったです。
例えば、「手入力が多い」というペインは一見それっぽく聞こえますが、誰の(who)何に対する(what)どのように(how)まで落とし込んで理解することができていないと全て同じに見えてしまっていました。
細かいところですが、WhatはExcelなのか、会計ソフトなのか。
howは手元の紙を見ながらなのか、画面上の会計ソフトを見ながらなのか、など、企業によって色んな業務のパターンが存在するために、インプットの難易度が高いドメインだと感じています。
また、業務フローを横に拡げていくと、請求書受領のタイミングだけではなく、実は前後に社内承認フローが組まれている場合もあったり、受け取った請求書の支払いをする振込作業にもペインが発生している場合もあります。
そこで取り組んだのが、各業務フローごとに以下の項目を整理していきました。
Asis(現状のフロー)
Tobe(業務フロー変革後の将来像)
必要な要素(製品に求めること)
benefit(誰にどんなメリットがあるのか)
バクラクは複数の製品があるため、どのAsisをどの製品で改善できるかの紐付けが重要であり、業務フローの中でバクラクの価値が提供できる課題を理解するために体系的に整理していきました。
このExcelの表は、自分自身としてもやって良かったことの1つです。なぜなら、ただ単に自分1人でまとめたものではなく、同じチームメンバーの先輩たちに教えてもらいながら(加筆修正もしていただきながら)蓄積できたノウハウでもあるためです。チームみんなでアップデートすることが出来たかなと思っており、1ヶ月が経過する今でも商談のたびに定期的に見返すようにしている、自分の武器の1つになっています。
提案・デモの説明のロープレ
いざ商談のロープレを始めてみると、どの機能を用いて顧客にbenefitを伝えるか分からない、と躓くことがありました。正に、頭で理解していることと出来ることは違うということを、肌で感じました。これまで述べたように、バクラクは複数の製品が連携していることもあり、また機能が豊富であるため、提案方法の流動性が高く、お客様ごとにデモや機能の説明の要・不要が変わります。
したがって、完全に型に落とし込むことは難しい一方で、ある程度の型で説明できるようにすることが早そうかなと感じてきました。最終的には自分自身が話しやすくなれば良いことから逆算し、カスタマイズの原型になるようなデモの流れを用意することが必要だと思いました。木で例えると、大きな幹の部分を用意しておき、枝葉の話はお客様に合わせて足し算・引き算していくような感覚を持つことができれば良いと思いました。
加えて、どんな流れで説明するとお客様の頭に入りやすいか、などの工夫も必要です。
そこで、先輩に相談して、基本形の幹となるようなピッチ形式のデモを録画していただきました。1製品あたり約10分程度の録画で、主にはデモ環境を操作して説明する様子を本番さながらに実演していただきました。
ただ視聴するだけではインプットとして弱いため、話していることをNotionに書き起こしていきました。テキストの横に画像キャプチャを貼り付けることで、トークスクリプトが完成しました。
このトークスクリプトは自分の想定以上に評判がよく、同じフィールドセールスのメンバーからも「見やすい」や「こういうのあると良いですね」というようなポジティブなフィードバックをいただく機会が多く、今後も活用できそうなナレッジ資産になっているかなと実感しています。
終わりに(LayerXへの入社を目指しているFSの方へ)
以上でフィールドセールス入社1ヶ月間の入社エントリとなります。LayerXのカルチャーも交えながら、Trustful Teamなフィールドセールスのオンボーディングの進め方を中心にご説明しました!
私自身のように(どちらかと言えば)ベンチャーのマインドセットを持っている人も、入社後はしっかりとした教育を受けたいと考えている人も、どちらもLayerXのフィールドセールスは歓迎します!皆さんにあった進め方でオンボーディングを全員でサポートしますので、その点はご安心ください。
かつ、ご自身の過去の経験をもとに型のアップデートに繋げられる環境ですので、入社後に早速組織貢献したい!という思いを持つ方もウェルカムです!
最後に、LayerXでは積極採用中です!フィールドセールスに入ると上記のようなオンボーディングを実施していますのでご安心してジョインしていただけるかと思います!
私のカジュアル面談のリンクも貼っておきますので、ぜひお気軽に雑談しつつLayerXのフィールドセールスについてお話ししましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました。