ソロ旅オタクの2泊3日、はじめてのしくじり韓国旅。財布忘れて渡韓...。Vol.4
前回までのお話はこちら・・・。
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早朝、関空から仁川まで移動してから、何も食べていなくてお腹もペコペコ。
まずは明洞餃子へ向かうことにした。
…がここでも、またスムーズには事がはこばないのがしくじり旅。
本来なら真っ直ぐに向かいたいところだったが、タイトルで何度も申し上げる通り、今回財布・クレジットカードを忘れてきてしまったせいで、兎にも角にもまずはWOWPASS(プリペイドカード)を作らないと事がスムーズに進まないということに気づいてあらためて落胆。(情けない…)
明洞駅構内でWOWPASSを作成しようと彷徨うと、少ししてほぼ日本人と思しき長蛇の列が列ができていたので、あまり探さなくともそこがすぐにお目当ての場所だということに気づいた。
30分…いや40分以上は並んだと思う…。
ようやく自分の番になって、これみよがしにYouTubeでおさらいしておいたWOWPASSの作り方に倣ってカードを作成した。
これで晴れて自由の身になって(2回目)、夜の明洞の街へと繰り出せることに。
ふぅ…。
京都の自宅を出発したのが、早朝7時ごろ、
仁川空港に着いたのが、14時過ぎ。
そして現在、17時半を回ろうとしていた…。
想定以上に時間がかかってしまって、もう随分とくたびれてしまった。
きっとhpが足りていないんだ。
美味しいものを食べればすぐに回復するはず。
もう一踏ん張り。
と自らを鼓舞しながら、明洞餃子へと向かうことにした。
明洞餃子は、明洞駅8番出口から徒歩3分ほどのところにある。
韓国はGoogleマップが機能しない。
そのため、徒歩数分圏内という短距離であっても、電車やバスなど公共交通機関に乗るように促してくる。
そんな空気の読めないGoogleマップを華麗にシカトしながら位置情報だけは何とか確保しながらお店へと向かった。
おそらく明洞餃子がなければくることはなかったかもしれない、明洞の街。
若者のための街だとアラサーの目には写った。
お目当ての明洞餃子にようやく辿り着いたときには、
「あったぁ…!!」と
砂漠のオアシスを見つけたように心からの声が漏れそうだった…。
店先にこれみよがしにならぶ、2017年〜現在に至るまでのミシュランの盾。
期待が膨らむ一方だ。
券売機で食券を買って、2Fの席へと案内された。
2Fのウェイターに購入した食券を渡して、案内された席に着席するや否や、ものの数分程度でオーダーした明洞餃子とカルグクス(牛肉麺)が運ばれてきた。
ほぼ満席に近い店内で顧客をさばくように、しかめっつらの店員さん達が、走り回っていた。
回転率はいいのだろう。
本当にハンパな時間でさえ、次々と押し寄せてくる客足が絶えない。
楽しみにしていた明洞餃子。
これが韓国に着いてからはじめての食事だった。
いざ実食、と食べ進めていくと、あれ…?あれれれれ?と疑問が残るような感想を持つことになった。
これって、美味しいのかな…?
繊細で奥深い味わいとは程遠いセントラルキッチンで大量生産されているファストフードのような、つまりは添加物の味がした。
こんなにお腹が空いているのに、感動レベルには及ばなかったことが残念。
ミシュランを獲得していようが大衆の評価がそのまま自分の高評価につながるとは限らない。
分かってはいるつもりだったが、今回は少し期待しすぎたかもしれない。
きっとこれからの旅の中でもっと素朴ないいお店に出逢えるに違いない—
その時はそう思うことにしてやり過ごすした。
そそくさと店を出たわたしに、次なる試練(ミッション)が待ち構えていた。
WOWPASSを作ったものの、公共交通機関に乗るためにはさらに交通系ICカードを作らねばならぬそうだ。
むむむ…
一見すると平成のプリクラ機のように見える機械で、交通系ICカードを作るそうだ…。
とりあえず列に並んでみて自分の番がくるのを待った。
操作していくとあることに気づいた。
交通系ICカードというくらいだから、日本で言うところのSuicaのように画一的なデザインが決まっているものだとてっきり思っていた。
だが、お国が変わればそんな常識など吹き飛ぶのだ。
デザインをしないと作れないのか…………?!?!?!?!
韓国は何でも自分好みにカスタマイズする文化がトレンドのようだ。
コスメ然り、雑貨然り、カフェでも、もうなんでも。
そして、交通系ICカードも例外ではなかった。
そう。こちらは一から自分でデザインしないと交通系ICカードが手にできないというのだ(驚愕っ)
自分がデザイン作成にもたついて後列の方を待たせてしまうのは、大変迷惑だと思い、一旦せっかく並んだ列を後ろのお嬢さん方に譲った。
画一的なものが持て囃される日本とは大違いだと思った。
まず専用のデザインアプリをダウンロードするところからスタートする。
こんな地下のWi-Fiが不安定な場所で…。
このアプリがまた厄介でシステムエラーで何度もやり直しを強いられる。
この時、脳裏にあった言葉はお願いだから、
フツウのデザインでいいから作らせてくれ💢💢
というものだった。
この時以上にふつうを望んだことはかつてあっただろうか。。
交通系ICカードを作るという修行だ…
もう本当に旅の難易度が高杉晋作で困る😭😭
「誰だよ、韓国の旅の難易度が十段階中レベル1だと言っていたのは…」とわなわなと顔の見えない仮想敵に怒りをぶち負けそうになっていた。
しっかし、ここで諦めては旅人心が廃るというもの。
『困難は分解せよ』
とデカルトも言っている。
自分の心を落ち着かせ、努めて冷静に淡々とデザインしてみた。
そうして、どうにかこうにか苦労して出来上がった世界にたった一つだけの交通系ICカードがこちら(交通系ICカードに世界にたった一つだけ、というカスタマイズ性が求められるのかどうかは本当に疑問でしかなかった。)
このQRコードを読み取ると交通系ICカードが手に入るそう。これで晴れて自由の身に…(3回目)
安堵したのも束の間…。
次に表示された画面を見てまたも絶句した。
おつりは出ま、せ、ん??
この時、わたしの手元にあったのは50,000ウォン札(≒5,000円)と端数の小銭しか持っていなかった。
中途半端すぎるぜ…(涙)
10,000ウォンならまだしも、7,000ウォンなんて半端な現金をちょうど持ってる人の方が少ないんじゃなかろうか、、
ここでも旅行者であるわたしはカード社会韓国の弊害を食らうことになった。
おつり出してくれよ…と泣きつくも出ないものは出ない。
仕方なく、明洞駅の地下街を見渡して、手頃なものを買ってお金を崩そうと思ったが、7,000ウォンを支払うために大きなお金を崩すだけでなく、端数にも気を遣わねばならなかった。
そこで、目が合った。
靴下屋である。
2足で3,000ウォン。
簡単な算数をして、まさに、これしかない!!と思った。
まさか公共交通機関に乗るために、靴下を買うことになろうなんてかつて訪れたどの国を思い返しても見当たらないエピソードだった。
7,000ウォンちょうど支払って、なんとかフライングゲット…!!!
外に出てみると、朝晩と日中の寒暖差があるせいかソウルの夜はすでに凍えるほど寒かった。
自分の乗りたいバスが来るのをバス停で静かに待つ。
これで無事にバスに乗って、エアビー(本日の宿)まで辿り着けるといいのだが…
…続く