とっておきの京都のイノベーティブ・イタリアンORTO(オルト)は、訪れるたび私を虜にする。
京都・烏丸御池に訪れるたび虜にされ続けているイタリアンがある。
“コンセプトは、四季を体感するレストラン”
イタリアンの枠に捉われず、世界各国の美食のエッセンスを取り入れたコース料理を提供しているORTO。季節ごとに変わる器と食材を、五感のセンサーを最大限にはたらかせていただくのが毎回の楽しみ。
今日はそんなとっておきの隠れ家レストランをご紹介します。
ORTOとは
「オルト」とはイタリア語で「菜園」の意。季節に寄り添い、旬素材の味を大切にされている隠れ家レストラン。
旬素材の提供を心がけ、美しく移り変わる京都の四季をお皿の中に表現できたら、をモットーにオーナーシェフの谷村真司さんは、季節に寄り添い、旬素材の味を最大限に引き出すため塩分、油分を控えた調理法を大切にされている。
長い間イタリアンとフレンチのジャンルを勉強されていたそうだが、2016年のリニューアルを機に「リストランテ」の頭文字を取られたそう。ジャンルの垣根を超える事でお客様にもっと自由なお料理を楽しんでいただき、皆様にとって最良の時間を過ごして頂けたらということが理由だそうだ。
食材だけ書かれているメニューからは、待っている間も毎回今日はどんなアレンジがなされているんだろう、とワクワクしながら想像力を掻き立てられる時間です。
今日は、お料理に合わせてハーフサイズのペアリングをお願いしてみました。
1杯目は、シャンパーニュで乾杯。
オルト定番のごあいさつ。
子どもの頃大好きだったオレオを思い出すような、遊び心があるフィンガーフード。
青森県産の発酵、熟成させた黒ニンニクを使用したサンドクッキーは、中には柚子七味とサワークリームが。
クッキーの下に描かれているソースは、食用の竹炭パウダーとフロマージュブランというチーズを合わせたものが使われています。
2品目は新玉ねぎを使ったお料理。
サックサクのタルト生地に、フレッシュな新玉ねぎといくら、その上にはパープルのエディブルフラワーとブラックペッパーが飾れていました。
あまりにも可愛いので食べるのを躊躇していたのですが、ひとしきり見つめた後、口に入れてみるとまずは生地がサクサクで感動…。
新玉ねぎは辛味が全く感じられないどころかいくらと一緒に食べることで口いっぱいに爽やかな甘みが広がりました。
そのお隣に、新玉ねぎのスープ。
白く透き通る、シルキーで美しい池にも見えるポタージュの中に、シマアジが浮かべられていました。
2品目にもかからず、早くも満点級のお料理が出てきてしまいました。
続いて、スパイシーなカレー風味のソースに地鶏の挽き肉、その上にグリーンアスパラのフリットが載せられたお料理。
メインはあくまでもアスパラとシンプルながら主役を際立てる仕様、フリットされたアスパラのサクサク感とスパイシーなソースが絶妙にマッチしていました。
ソースはそら豆とおっしゃっていたように記憶しています。
ORTOのパンは、自家製のもちフワな丸パン。
コースのスピードに合わせて、お客さんの目の前で焼き上げてくれます。
これもORTOを訪れる魅力の一つに感じていて、季節が変わる頃にお料理と合わせてパンの風味も変化するので、楽しみです。
菜園という名前がつけられたORTO特製のサラダ。
本当にこれだけを楽しみに訪れる価値があるというものです。
本日の「菜園」に使われているお野菜はコースが書かれたメニューの裏側にあるQRコードで読み取る方式になっています。
試しに読み込んでみると、30種類以上の季節のお野菜が出てきてびっくり…。
主に、野菜の名産地である京都山城地区で採れた京野菜や旬野菜をそれぞれ一つ一つ旨みを引き出す為の最良の方法で調理されているとのこと。
これだけのお野菜をそれぞれの野菜に最適化した調理法で下処理されていることを思うと脱帽してしまう。
余談だが、セレクトしてくださった日本産のロゼワイン。
フレッシュで甘酸っぱくて、果実の甘味が口いっぱいに広がる本当に美味しいワインだった…。
ORTOのワインはどれも秀逸、ハズレがないなと来るたびに思う。
2種類目のパンは、磯の風味が海を思わせる青さのパン。
もちフワ食感は変わらず、海の香りが口いっぱいに広がる、まさに口福な時間。
見た目はヘヴィに見えなくもないボロネーゼは、ORTOのシェフにかかればとてもやさしい味わいに変わる。
ジビエである鹿肉のしっかりと噛み応えのある食感がアクセントとなり、とても美味しい。
これをメインで食べたくなるほど。
メインは、馬肉のロースト、上には蕗。小さな葉っぱが添えてあると切り株のように見えなくもない、ここにも遊び心。
奥に添えてあるのは、フワトロ茄子。
脇役であるはずの野菜が脇役にとどまらずきちんとスポットライトが当たるのもORTOさんの強みであり、魅力だ。
肝心の馬肉は2枚重ねになっているのだが、噛み応え食べ応えともにバツグン。
最後にセレクトしてくださったフルボディの赤ワイン。
軽すぎず重すぎず絶妙なバランスのある赤ワインで本当に美味しかった。大満足。
最後に一口だけ、ショートパスタ。
筍と馬肉のソースだったように記憶している。
しっかりと弾力のあるパスタに削りたてのチーズが器の中で絡み合う。
あまりの繊細な美味しさに一口だけでなくて、もっと食べたかったな(笑)
とは、いえ最後の〆熱々のものを口にできる喜びはまさにORTOのホスピタリティー。
ここからは、デザート。
玉露のアイスと柑橘が合うことを教えてくれたデザートだった。
素人の感覚からすると相互に喧嘩してしまうんじゃないかな、と思って一口食べてみると、お互いがお互いを引き立て合っていて、真逆の感想を持つことになった。
サーヴされた瞬間、桜の香りが周囲に広がってとても気分が上がった。
桜風味のアイスの中にナッツが敷き詰められていて、苺とアングレーズソースのあしらいがとても可愛らしかった。
葉っぱのクッキーの後ろには、なんと白アスパラを甘く煮詰めたものが…。
デザートにもお野菜があしらわれてびっくり。
まだ終わらないんです…
デザートの細部までとてもこだわりが感じられて顧客を飽きさせない工夫が随所に感じられる。
プチガトーと一緒に食後の飲み物として、ハーブティーをお願いしました。
左から大徳寺納豆を使った焼きたてのフィナンシェ。パンを焼いていたオーブンで目の前で焼き上げてくれる。
その隣にプチガトーショコラ、ナッツの焼き菓子。
そして、右にORTO特製モナカ。
竹炭を使ったパリパリの皮の中に、酒粕を使ったクリームが入っていました。まさに大人の味わい。
ここにもORTOの刻印があって面白い。
【まとめ】とっておきの京都のイノベーティブ・イタリアンORTOは、訪れるたび私を虜にする。
初めて訪れたのは、2016年ごろ。
当時から磨き上げられたセンスは衰えるどころか、ずっと変わらず進化し続けている。
筆者は器好きでもあるため、ORTOに来るたび季節ごとに変わる食材はもちろんのこと、その食材をどう魅せるか、器選びから盛り付けまでとても勉強になっています。
野菜が大好きで、京都で五感をフルに活用したイタリアンを美味しく食べたいなら、ORTO以上にその望みを叶えてくれるところはないんじゃないかと本気で思っているほど。
星の数ほどある京都のレストランで、またいつでも帰りたくなるようなお店が一つあるだけでとっても幸せだ。
これからも私はORTOに魅了され続けることは間違いない。
特別なときだけでなく、季節が変わるごとにまたすぐに再訪したい。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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