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民法120条2項でも目的語の主題化が生じている。主題を目的語に戻しましょう。

今日も民法の条文を工事します。

民法120条2項 
錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。
 
う~ん、読みにくいですね。所々に改行を入れましょう。

民法120条2項
錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、
瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、
取り消すことができる。

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まず、この条文の動詞(Verb)は、「取り消すことができる」。
 
主語(Subject)はどれだろうか?
「錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、」 ←主語かな?
いや、それは主語ではありません。
「錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為」は、主題です。
「錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為」は、もともと目的語です。
この目的語が主題化されて、条文の先頭に来ています。

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・主題提示の助詞「は」を、目的語を示す助詞「を」に直し、
・「錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為」を主題から目的語に戻しましょう。

それでは、この条文の主語(Subject)はどれだろうか?
「瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り」
↑これが主語(Subject)です。
 
「名詞+は」「名詞+が」が主語になりますが、「名詞+に限り」も主語を表わします。
主語らしさを出すために、「~できる者+に限り」を「~できる者+だけが」と書き直してみましょう。

赤ペンで書き込んだように120条2項を改良してみました。

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【主題(目的語)+主語+動詞】という条文は読みにくい。
条文は、【主語+目的語+動詞】という普通の語順であってほしい。
 

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