イギリスの日本料理チェーン店の解説と感想〜なんちゃって日本食だけ？〜
ロンドンやマンチェスターなどの大都市にはチェーンではない普通の日本料理レストランがどんどん増えてきているし、日本人が運営しているレストランも少なからずあります。でも、「ジャパニーズフード」を提供している怪しそうなチェーン店も数多く存在しているんです。欧米にはなんちゃって日本食が多い中、意外と美味しいお店もあるので、町中でよく見かける日本食のチェーン店のご紹介を兼ねて感想もシェアしたいなと思います！
あくまで個人的な意見で料理の好みって本当に人それぞれなので、お楽しみの一環として読んで頂ければ幸いです。チェーン店の一つのメリットを挙げるのだとしたら、お店ののサイトでは料理の写真、カロリーと詳しい栄養情報を確認できるので、ダイエットの方や写真を見たい方には役立つんじゃないかなと。
もし行ったことのあるお店があれば、ぜひコメント欄でご意見をお聞かせください！
レストラン
ワガママ
味：★☆☆☆☆
値段：£££〜££££
欧米化された度：★★★★★
カロリー・栄養情報と写真：カロリーと写真だけあり
香港人のアラン・ヤウが1991年にイギリスのロンドンで設立した日本風料理店で、現在はイギリス全国だけではなくヨーロッパ、アメリカやアラブ首長国連邦にも店舗があります。「日本食」というよりAsian-inspired Japanese food（アジアと日本風の料理）だけなんで、日本料理とは言えないでしょうね。日本や他のアジアの国（中国、韓国など）の食材を使用して色々アレンジし、どこの国にも属しない独特な料理がワガママのジャンルなんです。名前は日本語なので、日本料理だと勘違いする人はいるだろうけど、あくまでは「アジア・フュージョン」というカテゴリーになります。
初めて行ったのは大学生の時だったんだけど、あまりにもマズかったので、長年行っていません。この数年何か変わったのかなと思ってまた試してみたんだけど、マズイのまま。。。メニューのほとんどが油っぽくて体に悪いものばかりで、ラーメンも高血圧で死にそうなぐらいしょっぱすぎてラーメンだとは言えないぐらいラーメンらしくないと思いました。枝豆以外にマシな料理はなさそうだし、値段的にも安くないので、とてもおすすめすることができません。ところで、料理本２冊を出しているんで週末にはいつも混んでいるようなので、やはりイギリス人はこういうのが好きなのかな。。。？不思議に思うけど、好みの問題だけかもしれないね。
Shoryu Ramen（昇龍ラーメン）
味：★★★★★
値段：£££〜££££
欧米化された度：★★☆☆☆
カロリー・栄養情報と写真：なし
福岡にも店舗があるイギリスの有名なラーメン専門店で博多ラーメンが中心となっています。ロンドン（8店舗）やマンチェスター、オックスフォードには店舗があります（本店はロンドン）。会長は徳峰国蔵氏という九州博多出身の方で、1975年に渡英して小さな日本語の書店からスタートしたらしい。今は「SHORYU」だけではなく、ジャパンセンター（日本のフードホール・雑貨店）といちばロンドン（日本スーパー）も運営している有名な企業家らしい。
ラーメンのレシピを開発したのは古川幹二（ふるかわかんじ）さんという博多出身の方で、SHORYUのマネジャーと総料理長でもあります。在英はもう20年近くなんだけど、渡英する前に日本で板前をしていたようです。
ここのラーメンってめっちゃ美味しくて何回か行ったことあります！福岡で博多ラーメン自体は一回しか食べたことがないけど、日本の豚骨ラーメンにかなり近い味になっています。ロンドンには金田家や一風堂などのラーメン店も一応あるけど、ここが一番美味しくて質が高いなと思いました。
もちろん、イギリス人の舌のために調整された面白い味のラーメンはあるものの（例えば、ピリピリ豚骨ラーメン、キムチシーフードラーメン、豆乳入りのビーガン向けのラーメンなど）、オリジナルの「豚骨ラーメン」もあってすごく美味しかったです！ところで、イギリスでは中々見かけないたこ焼きも提供しているんで是非試してみてください！
欠点と言えば値段ですね。。。高級って感じで雰囲気もオシャレなレストランなので、日本のように気軽に行くところではない気がします（一人は£12〜15ポンド（〜3000円）ぐらい）。でも、日本の味に一番近いレストランとしてはこのリストの中に一番おすすめできるチェーン店です。ラーメンの他に活カレー、丼もの、焼き鳥、餃子やオシャレなコックテイルなども提供しています。
寿司・弁当
ITSU（いつ）
味：★★★☆☆〜★★★★☆
値段：£〜££
欧米化された度：★★★〜★★★★☆
カロリー・栄養情報と写真：あり
どこにでもあるぐらい人気なお店でヘルシーな食事を中心に寿司と刺身の他の丼もの、うどん、スープ、餃子、お弁当、ポケボウル、サラダ、カレーやスナック（枝豆、お菓子、餅など）色々な料理やお弁当を提供しているカフェのようなお店です。
同じく健康的なランチセットを出しているコーヒーのチェーン店であるPRETと同じ創業者の「ジュリアン・メットカーフ」と「クライヴ・スクリー」によってロンドンで開業し、現在はイングランドに76店舗があります。「いつ」って名前は「いつでも食べられる」から来ているのかな。。。
実は私は「ITSU」が結構好きなんですよ！確かになんちゃって日本料理は多いけど、体に良い食事が多くて医療スタッフへの割引もあるので、健康的な料理が大好きな私にとっては中々美味しかったです。サーモン刺身セットや枝豆、サーモンのポケボウルなどのシンプリなセットをよく食べています。それに、料理の写真、カロリーと栄養情報も事前に確認できるし、注文も端末からするので早くて便利。
よくオフィス街、空港や駅の近くに店舗があるので、会社員や旅行者には人気のようです。私のアパートのすぐ近く、そしてロンドンのヒューストン駅にも店舗があるので、思っていたより頻繁に通っているかもしれない（笑）。寿司と刺身の種類はサーモンとマグロ、エビ、そして欧米でよくあるカリフォルニアロールやビーガン向けのアボカドぐらいしかないけど、丼物（Rice bowl)や麺（Noodle Bowls/Soup)、餃子もあってまあまあだった感じ。個人的にホットフードよりお弁当の方が好きかな。ところで、スーパーにもITSUのブランド商品はあるけど、お店とは全く違います。
母は甘いものが大好きでここの餅が大好きだと言っていたんです。いちご、マンゴーとチョコレートの三つの味があって、かなり甘いけど肝心な味が悪くないと思いました。日本と同じものを期待せずにただの日本っぽい料理として頂ければ楽しめるんじゃないかな。低カロリーや炭水化物なしのセットも多いので、ダイエットの方には特におすすめ。
YO SUSHI!（ヨー!スーシ）
味：★★★☆☆
値段：££££
欧米化された度：★★★★☆
カロリー・栄養情報と写真：あり
1997年にイギリスの企業家、「サイモン・ウッドロフ」によってロンドン開業した回転寿司のチェーン店で、現在は世界中に展開しています。彼は、1980〜1990年代から日本の文化や食事に対する興味がイギリスで広がった中で開店すると決めたらしい。今はイギリス全国だけではなく、マレーシア、アイルランド、ロシア、ヨーロッパ国々、アラブ首長国連邦やオーストラリアなど色々な国へ進展した大きな寿司チェーン店となっています。
日本の回転寿司というコンセプトが採用されている大手のチェーン店なんだけど、大半の寿司が欧米化されたかなり独特な味なんです。シンプルな刺身や握り寿司（卵、サーモン、マグロ）、カツカレーなどは一応あるけど、欧米でしか見かけないだろうカリフォルニア・ロール、いなりタコス、スパイシーチキンカツロール、キムチチキンや柚子ドーナツなどちょっと奇抜なものがほとんど。
ここの焼きそばとラーメンは日本のものとは全く違うんで、中華料理のようにしょっぱくて油っぽかったです。寿司も生物が苦手な欧米人のために作られているように思ったけど、食べられないことはないかな。味は確かユニークなんだけど、美味しくないわけでないと個人的に思ったのです。
大きな欠点と言えば、莫大な値段。回転寿司なんでどんどん食べちゃうので、知らず知らずのうちに一人30ポンド以上超えている財布の泥棒お店なんですよ！医療スタッフと学生には割引はあるけど、それでも皿の数を気をつけないとあっという間にお金が飛んでいきます。
KOKORO（こころ）
味：★★☆☆☆
値段：£
欧米化された度：★★★★★
カロリー・栄養情報と写真：あり
お店の名前は日本語なので、日本料理屋だと勘違いする方は多いかもしれないけど、実は「こころ」が10年以上前に韓国人であるRak-Kyu Parkさんに創設された韓国x日本料理のファーストフードチェーン店です。韓国と日本料理の融合というコンセプトなんだけど、中華料理の味（例：スイートアンドサワーチキン）もあるので、一つのジャンルに縛られないフュージョンみたいな感じかな。
ホットフードは揚げ物や油っぽいものばかりで個人的に苦手。お寿司に関しては「ITSU」や「ヨー！スシ」とはあまり変わらないサーモン刺身セット、サーモン細巻きやエビ握りはあるものの、カリフォルニアロールなどの欧米特有の寿司が多い。他にはサラダやポケボウルもあり、量は少なめだけど健康的で安いので、こればかりを評価します。キムチとサーモン（生）、照り焼きサーモンやエビのポケボウルなど色々あってホットフードよりこっちの方がおすすめ。キムチ、おにぎり、餃子、枝豆、海藻サラダ、シュウマイやエピフライなどの一品料理、そしてどら焼きや餅などの和菓子もあるんでメニューが割と充実しているんだなと思いました。安くて気軽にテイクアウトもできるので、学生や若者にはかなり人気らしい。
Wasabi（わさび）
味：★★☆☆☆
値段：£
欧米化された度：★★★★★
カロリー・栄養情報と写真：あり
2003年にキムさん（名前からすると韓国人なのかな？）という方によって開業されたロンドンのお寿司・弁当のチェーン店で、ロンドン以外に店舗がありません。お寿司と刺身を中心にコンビニのように色々なお寿司弁当を提供しているんで、「こころ」とほぼ同じ感じ。お寿司の他にサラダ、ポケボウル、おにぎり、丼もの、そして焼きそば、餃子、カツカレー、ラーメンやスープなどのホットフードのメニューもあってバラエティとしては中々良かったと思います。おにぎりや枝豆、餅、どら焼きもあります。
肝心な味に関しては、日本のお寿司のような新鮮度は欠けているが、魚はさほど食べられていないイギリスじゃあまり期待できないところなんで仕方がないと思います（特にチェーン店では）。タイや中国、韓国、欧米など色々な国の料理が混ざっているようなフュージョン系（例えば、味噌グリーンカレー、スイートチリカレー、キムチ。。。）の料理が多くて、味は個人的に好みではないかな。スパイシーや濃い味が苦手なので、ホットフードよりシンプリな刺身セットとか握り寿司ぐらいしか頼まないんです。
寿司はかなり変わっている感じで、見たことも聞いたこともない独特な寿司が多い。例えば、「チキンカツドラゴンロール」や「野菜ドラゴンロール」、「サーモンアボカドロール」など、とんでもないレベルの欧米化された寿司セットが並べています。食べられないレベルではないけど、味が濃くてちょっとスパイシーなので、寿司って感じではないんですね。ところで、ここのお味噌汁はインスタントなんでお金の無駄。。。おすすめする料理を強いて言えば、豆腐丼とかサーモン丼（丼よりポケボウルに見えるが）、刺身セットや握り寿司ぐらいかな。普通のレストランより結構安いので、クオリティは低いほう。
茶屋・デザート
辻利茶舗
味：★★★★★
値段：££
欧米化された度：☆☆☆☆☆
カロリー・栄養情報と写真：写真だけあり
日本の辻利茶舗と同じフランチャイズでご存知の方が多いでしょう。1860年に日本で創業し、日本の文化と料理、そして抹茶のブームによって海外まで展開されました。イギリス、台湾、中国、シンガポール、カナダ、タイ、ニュージーランド、フィリピンなど様々な国には店舗があるらしく、イギリスにはロンドン、マンチェスター、リヴァプール、ニューカッスルやリーズには店舗があります。
日本より値段はもちろん高いけど、めっちゃくちゃ美味しい！抹茶カフェってあまりないけど、こんなに美味しい和菓子や抹茶、ほうじ茶までイギリスで頂けるなんて、抹茶大ファンとして嬉しい限りです！日本とほぼ同じだと思うけど、相違点を強いて言えば、牛乳ぐらいかな。国のよって牛乳や豆乳は色々違うし、ラテやアイスなど牛乳・豆乳が使用されているものの味がちょっと違うんじゃないかな。イギリスの乳製品は結構美味しくて新鮮なので、気になることではないかと。
豆乳に関しては日本より甘さが控えめ（もしくは無糖）なので、日本で頂いた抹茶ラテほど甘くないと感じました。スタバの豆乳ラテを頂いた時に同じ事を思ったので、やはり日本とイギリスの豆乳の糖分が違うんじゃないかなと。全体的にめっちゃ美味しくメニューも充実しているので、抹茶や和菓子が好きな方、恋しく思っている方にはすごくおすすめ！
個人的なランキング
1位：辻利店舗：抹茶ラテや和菓子、ほうじ茶ラテが最高！）
2位：SHORYU Ramen（豚骨ラーメンとたこ焼きが美味しい）
3位：ITSU（健康的で端末から注文できる）
4位：Wasabi（低質だけど安い）
5位：KOKORO（わさびとほぼ同じだけど、ジャンクフードが多い）
6位：YO！SUSHI（回転寿司は欧米では珍しいけど、値段が高すぎる）
7位：Wagamama（死にかけた。。。）
終わりに
いかがだったでしょうか？イギリスで日本料理・和食のレストランへ行くなら、SHORYUと辻利店舗以外にチェーン店より普通のレストランの方がおすすめかな。値段的には高いけど、ロンドンなどの大都市には日本人が運営しているレストランもところどころあるし、その場で調理されているので、チェーンより美味しくて新鮮に違いない。
日本の文化や料理、抹茶のブームのおかげでイギリスでは日本料理のレストランや寿司店、抹茶を提供しているカフェがかなり増えてきて、ロンドンには日本スーパーや和菓子屋、雑貨店、書店まであって嬉しいことですね！日本より高くて品揃えが少ないのは仕方ないけど、何もないよりいいんじゃないかなと思っています！