繋がりを断ち切らない
「Hさん!」
そう言って手を振り、職員室を出る。
火曜日の出来事だ。
その子は目を丸くして手を振ってくれた。
5年生になり、再度不登校となったHさん。
初任の頃に持っていた子だ。
彼女は今職員室で自主勉強をしている。
休み時間たまたま職員室に戻った。
その時、ちょうどその子と会ったのだ。
髪がとても伸びているのに気づいた。
「髪、伸ばしてるの?」
「うん。」
「3年生の頃より随分伸びたね。」
そんな話をした。
「朝ごはんは何食べたの?」
「シリアル。」
「えっ!先生も最近シリアル食べてるんだ〜。」
「美味しいよね^ ^」
共通点を見つけた。
「あとね…サラスパ。」
「サラスパって、なに?」
本当に知らなかった。
「サラダスパゲティ。」
「おー!なんておしゃれな…!先生も使おっ。」
彼女はクスクスと笑っていた。
「元気?」とか「最近どお?」とか、本人の気持ちや体調について聞くこともできる。
しかし、彼女との繋がりで今必要なのは人間的な関わりではないだろうか。
そう思ってならない。
だから、些細なことでも彼女の服装や髪型、朝ごはんで食べたものなど彼女にまつわる話題を私は振っている。
繋がりを断ち切るのは簡単だ。
話しかけなければいい。
話しかけないと!と義務感を持ってもいけない気がする。
そうすると、表面的で媚を売るような心配するような雰囲気を子どもに感じ取られてしまうから。
だから、そのまんまの私で繋がりを作る。
不登校だからとか、教室に入れないからとかそんなものは関係ない。
彼女は彼女であり、その学校にいる1人の児童なのだ。
ただそれだけ。
私は優しく、明るく、笑顔で彼女とこれからも接していく。
教室に入らせる。
そんな目的は横に置いて…。
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