許されるなら、なみなみと
湯呑みが、必ずしも適量のお茶で満たされるわけではない。7割か、多くても8割入れたところで一杯とするのが普通だろう。
鞄はどうだろう。
なぜか、たくさん入れたくなる。入れたまま出さないかもしれないノートや持っていると安心するお気に入りの文庫本。着替えのTシャツ、靴下。もしもの時の絆創膏。なんでもかんでも入れて安心する。
写真も似ている。
画面いっぱいに記憶を書き込む道具。端っこの角のところまで、しっかり思い出が入る様にシャッターを押して。
それをスマホにいっぱいに入れるのが得意な人、SNSで共有するの上手な人がたくさんいるけど、プリントアウトする人は減ったようだ。折角、幸せな記録をイメージして画面いっぱいに記録したのに、なぜだろうか。プリントアウトして形にして初めて「写真」になるのに、データのままで、イメージのままで残してしまうのはもったいない気がする。
大丈夫。時間を止めても怒られませんよ。
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