「僕は義父に嫉妬していたんだ」ある語学講師が語る母親の再婚
毎朝のオンライン英会話。カランメソッド・レッスンの前に先生とスモールトークをするのですが、今日のテーマはお祝いについて。明日は、先生が彼のパートナーと出会って6カ月目の記念日にどんなお祝いをするかという話から始まりました。先生はフィリピン人にとって1カ月目、2カ月目、3カ月目……とお祝いするのが一般的だそう。「お祝い好きなあなたの周りの人だけなんじゃ⁉」と思うのですが、どうなんだろう。話は、記念日のことから、彼の子どもの頃の思い出にまでいき……。
お祝い好きな先生と、記念日にまったく興味がない私
「付き合って6カ月目になるよ。彼に何をプレゼントしたらいいんだろう。ワクワクする。でも、コロナで外出できないでしょ。本当ならレストランに行って、グラスワインを飲みながら2人でお祝いするんだけど、今はムリ」
先生は、毎月記念日になると2人でお祝いをしているといっていたので、かなりマメなほうなのかもしれません。
「あなたは旦那さんとの結婚記念日はいつ?お祝いはどんなふうにするの?」といわれたのですが、私はあまり記念日に興味がないので、いつ入籍したのか、何年になるのかまったくわかりません。ちなみに、自分のそういった記念日はまったく覚えていないのですが、友達と初めて会った日やその時の状況というのは、けっこう自分でも覚えている方です。たぶん、興味があれば覚えているけど、なければまったく記憶に残らないのが、私の特性なんだと思います。そんな話を先生にしたらーー。
「本当? うちの母親と義理の父親は記念日をお祝いしているよ。最近、僕も一緒にお祝いしているんだよ。今はママが誰とデートしても嫉妬しない。子どもの頃は違ったけどね。あなたに前に話したよね。義理の父親が大嫌いだったって」
「ママ、パパ以外の人とデートしないで!亡くなったパパが怒るよ!」
話は、先生の子どもの頃にさかのぼります。先生は6歳の時に実の父親をがんで亡くしています。その翌年、母親が別の男性と結婚。先生たちきょうだい3人を連れた母親は、義理の父親と再婚することに。
「父親が亡くなって、ママが別の男性とデートした。結婚することになったとき、僕は彼にすごく嫉妬したよ。だって僕にとってのパパはまだすぐそばにいる気がしたし、もしもママが誰かと結婚することになったら、僕のパパはすごく悲しむと思うんだ。それに、僕もママを取られたみたいですごく嫌だ。だから絶対に新しいパパはいらなかったし、そうなろうとしている彼のことが嫌だった」
「最初、義理の父は僕たちに親切だった。でも、僕は彼にすごく嫉妬したんだ。一番下の妹がまだ赤ちゃんだったから、妹は義理の父親のことをパパ、お父さんって呼びだしたんだ。だから僕は妹にこういったんだ。‟いい? 僕たちのパパは死んだんだ。あの人はパパじゃない。おじさんって呼ぼう。パパじゃないからね”。僕がそう話したから、僕たちきょうだい3人は彼のことをずっとおじさんと呼んできたんだよ」
義理の父親のことは絶対に受け入れられないし、許せない
私が先生と知り合いになって半年くらいしたとき、彼は一度家族のことについて話してくれました。でも、そのとき先生はとにかく義理の父親が嫌いといっていて、義理の父親に対してものすごく怒っていました。一切口を利くことはないし、挨拶すらしない。お互いにずっと無視。
それから1年がたち、義理の父親の話をするとき、徐々に内容が変わってきました。今では、仲がいいわけではないけど、靴や洋服などをプレゼントするまでになったそうです。
「義理の父親には感謝しているよ。だって、僕たちパパと血のつながった3人のきょうだい以外にも、ママとの間に3人のきょうだいを作ってくれた。僕は弟や妹たちが大好きなんだ。とってもかわいい。だから本当に感謝してる。僕は、以前ずっと彼に嫉妬していたんだよ。僕のパパは亡くなってしまったけどずっとそばにいるような気がするから、パパからママを奪う義理の父親のことが許せなかったんだ。でも、今はちゃんと受け入れられてる。嫉妬もしていない」
もしも義理の息子や娘たちから毛嫌いされ続けたら?
私は先生の義理の父親がどんな人なのかわかりません。先生は自分や妹たちの学費をまったく払ってくれなかったといっていましたが、子どもが6人いて、それほど十分じゃない給料ではそもそもの生活費が足りなかったんじゃないかと思います。また、先生は奴隷のように扱われたとっていましたが、義理の父親からしたらせっかく仲良くしようと思っても、子どもが敵意を持って向かってくるし、なにかにつけて自分のことを悪者扱いされたら、正直そういう態度になってもおかしくないと思います。
そもそも母親がいくらきれいであっても、子ども3人もいる女性となかなか再婚しようとは思わないんじゃないかと。そして、先生のママはマシンガントークでいいたいことを全部言うといっていました。そこを考えると、義理の父親は、けっこう穏やかなタイプなんじゃないかと思います。
「今は、コロナで実家に帰れないけど、義理の父親の誕生日パーティーや結婚記念日などもしてあげたいとは思っているんだ」
まさか先生の口からそんな言葉が出るようになるとは、びっくりです。1年前は、私が義理の父親のことを間違えて父親と呼んだだけで激しく否定していたのに。
私は、フィリピンの先生たちがイベント大好きで、月2回ある給料日ごとにお祝いしていると聞きました。フィリピンの人みんなが同じようにイベントが好きな人が多いのか、セブやビサヤ地方の人だけなのかわかりませんが、記念日を作ってお祝いすることは、とてもいいことだと思います。
私は、今の生活は楽しいけど、お祝いする時間的、精神的余裕がない状態がしばらくつづいているので、ちょっとうらやましいなと思います。
カランメソッドのレッスンではスパルタ先生に!
「さぁ、カランメソッドのレッスンを始めるよ。昨日約束したからね。そこはaじゃないtheだよ。as が抜けてる。正しい文章はこうだよ。もう一度最初から。もう1回言って」
カランレッスンが始まると、いつものスパルタ先生に。彼はレッスン、学習面に関しては非常に意識が高くいつも厳しいのですが、ここ1、2カ月くらいかなり親切……通り越し、親身になって指導してくれるようになりました。先生たちにお菓子をあげたから、釣られたのかも(笑)。
先生と先生のパートナーがどんな記念日を過ごすのかわかりませんが、お互いに思い出に残る日を過ごせたらいいなと思います。パートナーとのケンカはほどほどに!
セブ島留学生受け入れは2021年7月から?
2021年7月、公式Instagramによると、セブ島で留学生受け入れを開始するようです。とはいえ、2021年1月に受け入れをするといっていて伸びているので、実際にはどうなるかわかりません。ただ、再開の目途を立てているところを見ると、2021年度、または2022年くらいには動きはじめるんじゃないかと思います。早く再開してほしいです。それまでは、学校運営は非常に厳しいでしょうが、なんとかがんばってほしいと思います。