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【自主企画】BMSG社長・SKY-HIが考える日本の音楽業界~エンタメで日本の経済をまわす~
こちらはインタビューライティングの練習記事です。テレ東BIZさんがYouTubeでSKY-HIさんをインタビューした動画をもとに執筆しています。
日高くん、ソロデビュー10周年おめでとうございます!!
2023年6月に公開されたYouTubeのテーマは「日本のエンタメ業界は世界で戦えるのか」
その当事者としてSKY-HI(スカイハイ/日高光啓)さんをゲストに迎えた。
SKY-HIさんはマネジメント事務所BMSGを当時の貯金ほぼ全額を投じて立ち上げ、男性グループBE:FIRSTやMAZZELをプロデュース。一方でご自身もアーティストとして数々の実績を残している。
そんなSKY-HIさんにこれからの日本の音楽業界についてお話を伺った。
日本の音楽ビジネスは80年代から変わっていない
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日本の芸能界って30年前からビジネスの仕組みはほぼ変わってないんですよね。そんな状態で生き残れるのか。僕は生き残れないと思います。
日本は1980年代から2000年初頭にかけてエンターテインメントがあまりにも大きな成功を作ってしまった。それを更新できないままでいるんです。
当時のビジネスモデルは「とにかくCDを売ればいい」だから、特定のファンがCDをたくさん購入することでチャートの順位が伸びる時代でした。要するにCDを売ることゴールでしたよね。
すると次第に歌手に求められているものは実力じゃない。愛嬌やトーク力があってなんぼ。いかにファンサービスをするかの方向に意識がありました。そしてこのやり方で上手くいっていたんですよね。
この成功体験が大きかったから、マネジメントも音楽レベルもずっと更新できなかったのが現状。
僕もコレクターなので、グッズとしてのCDが欲しい気持ちや、すべての形態をそろえたくなる気持ちはすごく共感できます。それでも、応援の意思表示のために聞かないCDをダンボールで3‐4つも買うのはどうなのかなっていうのは正直なところですね。
2010年くらい、世界中のアーティストが「これからはMVをYouTubeに上げていく時代だよね」と方向転換しました。でも当時の日本のアーティストは完全なMVをYouTubeにあげませんでした。
「1000円で売るCDに入ってる曲をタダで見れるようにしちゃダメでしょ」って。
宣伝にプロダクトを使うという考え方が存在しなかったんですよね。2023年でもまだ日本の音楽業界ではこの風潮は残っていますよ。
YouTubeでバズって盛り上がって、ファンが増えてコンサートをやったら人がドーンと入る。そしたらグッズも売れる。この流れは世界中がやっています。
だから、世界の音楽市場は右肩上がりなのに、日本だけ右肩下がり。80年代と同じビジネスやってるんですから当然の結果です。
日本は韓国の下請けになる?
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世界で戦えるアーティスト発掘する力が今の日本にはないんじゃないか。これを如実に見せつけられたのが虹プロジェクト。
彼女たちは全員日本人。レッスンも日本を中心にやっていました。言い方は悪いけど、ちょっと韓国の事務所が関わっただけでワールドスターになれたわけじゃないですか。
これは音楽業界の力の差を突き付けられた結果だと思う。このままだと日本は韓国芸能の下請けになる日が来るんじゃないかな。
もっというと、日本でのデビューを目標にしていない人は多い。韓国でデビューはしたいけど日本でだったら別にいいかなっていう子は少なくないですね。
なので、そういう志のある人なら僕の発信に共感してくれるはず!そう思って始めたのがTHE FIRSTってオーディションだったんです。
衝動と純粋性の時代
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BE:FIRSTをデビューさせた時、Spotifyで月間リスナー100万人は絶対に行きたかった。早い段階で達成するためにコンスタントな楽曲のリリースと、できる限り大きなプレイリストに入ることを目標にしていましたね。
SpotifyやAppleMusic、Amazon Musicのようなコンテンツのプレイリストに載るかどうかがアーティストの成功に相当影響しています。
結局、プレイリストを作っているエディターって超強烈な音楽オタク。そういう人の心に刺さるのって「こいつめちゃくちゃ好きなことやってんな」ってやつだと思っています。
20年前とかの芸能の戦略と政治の時代のカウンターで衝動と純粋性の時代になっている。だからうちの会社が上手くいけてるところはあると思います(笑)
特にアーティストとかアイドルがやりたいことをやれているのかが世の中に伝わる時代でもあります。
本気で歌とダンスを極めたいのであれば、やるべきこととやらなくていいことはおのずと決まってくるはずですよね。
世界を獲りにいくことは大業じゃない
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「とにかく世界で勝てるアーティストを作っていく」がBMSGの出発点でした。というか、それがそんなに難しいことじゃなくなったと思います。
理由としてはまず、インターネットの存在。
僕が新曲を出したら、世界中の人が発売した瞬間に聞くことができます。だから自然に世界は目標になるし、大業じゃないと思っています。
それと、日本の音楽業界も海外に目を向けないともう後がないですよね。日本は人口は減少しているので、市場も次第に縮小しています。
ここ最近、子供たちの憧れの職業に音楽家が入らなくなっている。そうなると音楽家を目指す人が減って、競争も少なくなって、作られる音楽のクオリティが落ちて……。業界自体が盛り上がっていないから、働きたい人がいなくなる。まさに負の循環。
その間に世界の市場はどんどん大きくなっているので、日本だけに目を向けるのは自らの首を絞めていますよね。
エンタメと経済の結びつき
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タイと日本ではもうコーラの価格がほぼ変わらない。でも、タイのアリーナ講演はチケット1枚2万円くらい。いいチケットだったら10何万円とか。
それを考えると日本のアリーナ講演でもチケット1枚最低2-3万円でやらないとおかしいんですよね。加えて日本の技術の進歩は世界的に見てもトップクラス。だから機材は金かかる。
けど、景気が悪いから7,800円でギリギリ。せっかくいい技術を持っているのにそのポテンシャルを活かしきれてない。
でもビジネスの中でのエンターテインメントはまさに革命のしどきだと思いますよ。チャンスが一番眠っている場所。
究極のBtoCなんで数がすごいんです。影響力のリーチの数がでかい。だからこそエンターテイメントが頑張っていかないと国力はどんどん落ちていく。
エンターテインメントは日本の経済を回すし、経済を回すためにエンターテインメントをどんどんと使っていただきたい。このすごい強い結びつきをぜひ知ってもらいたいですね。
SKY-HI
「空のように高く無限の可能性を」―卓越したラップ&ダンス&ヴォーカルスキルと豊かな音楽性、ジャンルの垣根を越えた存在感から他に類を見ないパフォーマンス。HIPHOPシーンのみならずROCKやサブカルシーンにおいても注目を集める。フルバンド+1DJ、4名のダンサーと、2名のコーラスを入れた総勢16名の「SUPER FLYERS」の中心に立ち、自らがバンド音源や演出、照明に至るまでプロデュースするライブツアーは毎度完売が続出。緻密に計算されたストーリーとメッセージが詰まった広い振れ幅の作品たち。自身が紡ぎあげる楽曲の詞にはリリシストとしての力量を遺憾なく発揮し、オリジナリティ溢れる世界観と完成度が毎回話題、音楽業界内外からも注目を浴びエンタテイナー・SKY-HIとして名を轟かせている。