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【家計管理のコツ】#13 外貨建て保険をおすすめしない理由
こんにちは、森大です。
医師をしながらFPとしても活動しております。
今回は家計管理のコツシリーズ第13弾
「外貨建て保険をおすすめしない理由」
というテーマでお話させて頂きます。
「外貨建ては良い保険なんでしょ?」
「円で積み立てるより
お金が増えるって聞いたけど。」
「なんか良いって言われたから契約しました…」
外貨建て保険は大変人気で、
色々な理由で加入されている方が
いらっしゃるかと思います。
ということで今回も挑戦的なテーマで
お送りいたします笑
しかしこの外貨建て保険。
なかなかの曲者です。
金融庁も「外貨建て保険に気を付けて」
というメッセージを発信しています。
今回はそんな外貨建て保険について解説し、
お勧めできない理由をお話していきます。
ぜひ自分の考えと照らし合わせてみて下さい。
***
家計管理シリーズでは
我慢せずにお金を貯める方法
をお伝えしています。
毎月固定でかかる保険費を減らすことで
日々の生活を我慢することなく節約ができます。
保険に月5000円以上かけている方は
このシリーズを読んでぜひ一度
見直してみてください。
それでは参りましょう!
【シリーズ記事】
#6 保険料の払いすぎに注意しよう
#7 入るべき保険の条件とは?
#8 本当に入るべき3つの保険
#9 生命保険が必要な人、不要な人
#10 貯蓄型生命保険をおすすめしない理由
#11 民間医療保険をおすすめしない理由
#12 個人年金保険をおすすめしない理由
―――――――――――――――――
【復習】貯蓄型保険は「保険+低利回り投資信託」
まずは復習から参りましょう。
「保険とはなにか?投資とはなにか?」
を確認します。
![](https://assets.st-note.com/img/1641824247022-lOlYLkctei.png?width=1200)
保険とは誰かに不幸があった時に
集めておいたお金を渡して助けよう
という助け合いの仕組みです。
ここに「お金を増やそう」という
考えは存在しません。
つまりこれは掛け捨て保険を指します。
保険とは本来掛け捨てなのです。
***
そして投資とは資産運用とも言い、
「お金を増やす」目的で行います。
これは保険とは全く別の機能です。
では貯蓄型保険はどうかというと、
以下の図のようになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1641824578735-hitoymtUxM.png?width=1200)
このように、保険と投資の機能が
混ぜこまれた商品です。
この時考えるべきことは
「保険は保険、投資は投資で別々に行うのと
どちらが優秀なのか?」
ということです。
保険 ⇒ 掛け捨て保険に入る
投資 ⇒ 自分で投資信託を買う
この選択が正解なのは
以前の記事でお話ししています。
では本題に入りましょう。
1.外貨建て保険とは?
![](https://assets.st-note.com/img/1641823956057-mFrlPHyRd3.jpg?width=1200)
「外貨建て保険ってなに?」
という方もいらっしゃると思います。
簡単に説明させていただきます。
【外貨建て保険とは?】
円ではなく外貨(ドル、豪ドル、ユーロなど)で
積み立てる生命保険。
代表的な商品は外貨建て終身保険です。
終身保険(貯蓄型生命保険)を円ではなく
ドルなどの外貨で積み立てます。
![](https://assets.st-note.com/img/1641823367090-KI6V8iff6m.png?width=1200)
仮にドル建ての保険だとすれば、
死亡時の保険金や解約時の解約返戻金も
ドルで受け取ることになります。
しかし実際に僕たちが欲しいのは円なので、
ドルから円に交換して受け取ることになります。
その際の円とドルの価格によって
もらえる金額が変わります。
例えば1万ドル受け取れる場合に
1ドル110円なら110万円もらえますが、
1ドル100円なら100万円になります。
これを為替(かわせ)リスクといいます。
***
貯蓄型生命保険をお勧めしないことは
こちらの記事でお話ししました。
つまり前提として、日本円だろうが
外貨だろうがお勧めできません。
しかしこの外貨建て保険。
なぜかかなり人気で、その分苦情も
耐えないのです…
![](https://assets.st-note.com/img/1641823328011-UKK3pa178x.png)
苦情の理由はいくつかありますが、
「入らなければ良かった」と思われたことは
共通しているでしょう。
2.保険会社が外貨建て保険を売る理由
![](https://assets.st-note.com/img/1641903059682-sGYuI1O8HH.jpg?width=1200)
保険会社にとって「貯蓄型」さらに
「外貨建て」は利益を生む商品です。
ここを知ることで保険に対する
理解が深まります。
貯蓄型で保険会社に預けたお金が増える理由は
「あなたのお金で保険会社が投資をして、
その分け前をもらっているから」
です。
あなたは保険会社に投資を依頼しているのです。
つまりこれは「投資信託」の仕組みです。
その投資先は債券(国債)といって、
低リスク、低利回りのものです。
そしてここからがポイント。
仮に保険会社が10万円儲けたとして、
あなたに20万円返すことはあり得ません。
倒産してしまうからです。
つまり、あなたの得る利回りは
債券の低い運用利回りから保険会社の取り分を
引いたものということになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1641825462413-NWPzt3jXAM.png?width=1200)
仮に保険会社が利回り1%で運用したとすれば、
あなたの利回りは0.5%程度かもしれません。
*この割合は開示されていません。
いずれにせよ次のことが言えます。
①日本国債の利回りはとても低く、
2022/1/10時点で0.145%。
②保険商品の運用利回りは
国債の利回りを超えることができないため、
超低利回りの投資信託である。
***
では話を戻しましょう。
保険会社は「貯蓄型」で「外貨建て」だと
都合が良いのです。
まず第1に、貯蓄型の積立金があるから
保険会社は投資収益を得られます。
第2に海外債券の方が利回りが高いのです。
例えば米国10年債の利回りは1.76%です。
*2022/1/11時点
![](https://assets.st-note.com/img/1641903666667-a5nFhLPCu3.png)
各保険会社がどのように分配しているかは
公表されていませんが、いずれにせよ
日本国債に投資するよりも海外国債に
投資したいのです。
これらが保険会社が外貨建て終身保険を
勧める理由です。
3.外貨建て保険をおすすめしない理由
![](https://assets.st-note.com/img/1641903836453-p8o358qSY5.jpg?width=1200)
では最後に僕が外貨建て保険をおすすめしない
理由をまとめてお伝えしましょう。
結論は
保険は掛け捨てでいいし、
投資は自分でした方が利回りが高いから。
です。
どういうことか説明します。
保険機能は掛け捨てでいい。
![](https://assets.st-note.com/img/1641904978287-njIlwpVmdz.png?width=1200)
そもそも保険をかけるという目的は
掛け捨てで完結できます。
その上で「お金を増やそう」という気持ちが
あるから、貯蓄型に手を伸ばすことになります。
先ほどお話した通り、貯蓄型で増えるお金は
保険会社が投資で得た収益の一部です。
あえて保険会社に高いお金を渡して
投資をさせてあげる必要もないでしょう。
投資は自分でした方が利回りが高い。
![](https://assets.st-note.com/img/1641905456825-HBy3ZlikDl.jpg?width=1200)
「それで自分も儲かるならいいじゃないか。」
そう思う方もいらっしゃるかもしれません。
もちろんそれで納得されているなら良いと
思います。
しかし良かったら、
この後の数字を確認してからにしてください。
明治安田生命の保険を例にとって
シミュレーションしてみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1641905659743-c7MM4qROP5.png?width=1200)
30歳男性が月10000円を30年間
積み立てることにします。
予定利率は1.65%だそうです。
シミュレーターで計算してみると
こんな数値が出ました。
![](https://assets.st-note.com/img/1641906347377-QxhhaNW3o1.png?width=1200)
積立額360万円に対して465万円の結果
ですから、積立額の129.2%まで増えています。
では明治安田生命のシミュレーション結果に
戻ります。
![](https://assets.st-note.com/img/1641905760370-fITnDDi73i.png?width=1200)
115%??
どういうことでしょうか?
このカラクリを説明します。
この予定利率、掛金全てにかかっている
訳ではないのです。
図で表すとこうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1641906982859-svEmYFLp5D.png?width=1200)
この仕組みにより、提示された
数値通りの運用結果にはなりません。
ちなみに気になったので
実際の利回りは何%か計算しました。
115%ということは
360 × 1.15 = 414万円
になるということです。
シミュレーターで利回りを
調整してみるとこうでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1641907141971-uMEhkUy9fy.png?width=1200)
実際の利回りは0.91%です。
例えば自分で米国債券のETFであるAGGに
投資をしたらどうでしょうか?
*ETF:運用代行を行ってくれる商品
![](https://assets.st-note.com/img/1641907435707-U4eSgN9mDE.png?width=1200)
5年間の平均リターンは3.10%と3.5倍ほどの
利回りを出すことができる上に
いつでも現金化できます。
そのため、投資は保険会社にお願いするのではなく
自分で行う方が圧倒的に優秀なのです。
おわりに
今回は家計管理シリーズ第13弾、
「外貨建て保険をおすすめしない理由」
というテーマでお話しさせて頂きました。
まとめます。
◆外貨建て保険は円ではなく
外貨(ドル、豪ドルなど)で積み立てる生命保険。
◆そもそも貯蓄型の保険はお勧めできず、
円でも外貨でもそれは同じ。
◆「貯蓄型」「外貨建て」は保険会社の利益を生む。
だからお勧めされる。
◆保険は掛け捨てで良いし、投資は自分で行った方が
リターンが高い。分けて考えよう。
以上です!
次回は
「すでに入っている保険を解約するべきか?」
について掘り下げていこうと思います!
ぜひまたご覧下さい!
【参考記事】
***
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