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ストレンジランドのあなたと

いわゆるアーティスト。

そう呼ばれるような人たちに会う機会が今年はとみに多くて

展覧会やどこそこで会ったり話したりするごとに、わたしはどんどん元気になっていく。

彼らがあまりにそれぞれ違う色をしているので、わたしは逆に自分のことがよく分かってくるような気がするのである。


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たとえばわたしの大好きな、何年も何年も憧れ続けたあの人は

ひとの美しいところを見つける天才だ。

自分では訝しく思っていたり、扱いきれないでいる部分をするりと掬い上げて、それをあっという間になにか楽しげな瞬間に仕上げてしまう。

この人のこういうところがきらきらしているのだ。大好きなのだ。


まだ若くして、飛ぶ鳥落とす勢いの画家の彼女は

会ってみたらすごくすごく小さい声で話す、隙間に隠れてこっちを伺う動物みたいで。

そっと近づいて、長い時間をかけて、それでもかまってみたいって

そんな風に思ってしまうような魅力があった。彼女の息を止めたような線のあり方とよくにていた。


また人気者の画家の彼は、びっくりするくらい人懐こくて軽やかで、

「青を褒めてもらうことが多いんです。僕、青が得意なのかもしれない」なんてはにかんで笑うその姿は

絵の暴力的なまでの迫力とはちがっていてわたしはとても不思議で

この人のことを知りたいなんておもう。貴族に仕えてきたような時代からの、アーティストのあり方を考えたりもする。


そういう人々といるとわたしなんだか喉の苦しいのがすっかりなくなっていくような気がして、

わたしもわたしで悪くないかもしれない、とか

そんな気分になることができるのだ。


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わたしはほんとのところ苦手なものが多いし、

そういうものを遠ざけることで毎日が終わっていくような気がしてむなしくなることもあるのだけれど

それでもそれでいいのだと

彼らそれぞれの、常識なんか挟む隙もないようなあり方を見ていると

そう思えることがあってわたしはほんとに勇気付けられる。


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ここ最近を振り返ってみたらなんだか悲しげな記事がおおくて、

だけど

わたしは楽しく暮らしています。


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