花びらをかさねて塔をつくる
私たちは、花びらを重ねて塔をつくるように。
コミュニケーションとはとても難儀なものだなと、わたしはたいがい億劫になって
とっくに脱出したはずの象牙の塔に、駆けて戻っては扉を閉める。本に埋もれて身をまもり、画面という距離に安堵する。遠くにあれば世界は綺麗だ。
本来、他者とはるかな距離が必要な人間なのだろうと自分のことを思っている。
その距離はなんでもいい。時間や、年齢や、性別。
それははるかなる距離があるほどよく見ることができるからで、反対に身近なものになればなるほど、わた