【祝10周年】超個人的三四郎のオールナイトニッポン論。【セルフ切り抜き】
※ この内容は昨年に投稿した『超個人的三四郎論。』の一部分を自分で切り抜いた内容となります。愛が溢れ過ぎてしまったのか本編の方が1万字を超える超大作となってしまい、当該の内容まで読んで頂けていない方が大半だと思うので『三四郎のオールナイトニッポン』が10周年突入ということにかこつけてまさかのセルフ切り抜きで投稿してみました。本編の方もちょこちょこ改稿していたりするのでお時間がある時にでも覗いて頂けると嬉しいです。
10年続くラジオ「三四郎のオールナイトニッポン」の魅力
2021年8月14日に放送された『超逆境クイズバトル‼︎ 99人の壁』の芸人ラジオ部門で出題された『芸人の深夜ラジオ 長寿番組ランキング』についての問題で、以下の資料が用いられました。
これ、一見ランキングの下位に沈んでいるように見えますが上位をしっかりと見てください。ラジオレジェンドだらけです。
『三四郎のオールナイトニッポン』は少し特殊な経歴を辿っていて、2015年3月から2019年3月までの4年間、オールナイトニッポンの2部で『三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)』のレギュラー放送が行われた後、2019年4月から2021年3月までの2年間、オールナイトニッポンの1部に昇格して『三四郎のオールナイトニッポン』がレギュラー放送された後、2021年4月からは再度オールナイトニッポンの2部へと降格(凱旋)し、現在も『三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)』として放送している長寿番組となっています。
(ちなみに、色々と面倒なのでこの記事では基本的に『三四郎のオールナイトニッポン』と表記させて頂いております)
「『三四郎のオールナイトニッポン』はやっぱり2部じゃないと!」という意見をたまに見かけますが個人的にあまり賛同できないと言うか、やっぱり三四郎さんが1部でパーソナリティを担当するというその事実に大きな意義があるような気がしています。
ちなみに、以下が2019年当時のオールナイトニッポン1部のパーソナリティ表となります。イカついですね。
今でこそstand.fmやGERAなどのネットラジオであったりYouTubeやSpotifyなどの媒体を使って個人で始めることが可能になった芸人総ラジオ時代ではありますが、当時はもちろんその潮流など存在せず、ここに食い込んでいるのはマジで凄いことだと贔屓目無しに思います。
また、個人的には『三四郎のオールナイトニッポン』はファンタジー映画だと思っています。
『三四郎のオールナイトニッポン』はラジオ番組では珍しく、コーナーがありません。一応、以下の2つのコーナーが公式サイトでは募集されていますが体感では『バチボコ!』が隔月に1回、『新・結婚できない男』は2年に1回くらいのペースで行われているくらいの感覚です。
■『バチボコ!』
小宮が流行らせようとしているけど流行の兆しが見えない「バチボコ」を世に広めていくコーナー。「●● バチボコ ××」という感じでバチボコを使った文章を送ってください。
■『新・結婚できない男』
相田がどハマりしたドラマ「新・結婚できない男」の主人公“ 桑野信介 ”のような「偏屈なセリフ」を募集するコーナーです。
とはいえリスナーとの交流が全くないわけではなく、お2人の会話の流れを受けてリスナーがメールを送るいわゆるリアクションメールがかなりの頻度で読まれています。その内容によって展開が変わることも多く、マジでどうしようもないズブズブの沼にハマってしまった地獄のトークが繰り広げられている時に届いた1通のメールがお2人を救う場面もしばしば見受けられます。
たまに「「コーナーメール」を読まないから面白くない」といった意見を目にしますが、個人的にコーナーメールはあくまでパーソナリティーが話したいことがない時に間を埋めるために読んでいるものだと思っていて、逆に言えば話したいことがあればコーナーメールは読まなくて良いと自分は思っています。ラジオ番組には放送作家を育てるという側面もあるとは思いますが、別に自分はリスナーの大喜利を能動的に聴きたいというわけではないので。
そして、『三四郎のオールナイトニッポン』でお2人(特に小宮さん)は本音を喋るということはほぼありません。基本お2人の何気ない会話から発展するカオス展開の連続で、最終的には謎の亜空間に引きずり込まれることが基本です(何か書いといてアレですけど、他人の話すラジオ番組のプレゼンって基本面白くないですよね)。
各賞レースの結果を受けての感想なんて5分も話しているか怪しいし、お2人がお笑いや人生について熱く語ることなんてほぼ皆無です。
だけどそれが不思議と心地良い空間だったりするのです。ラジオ番組(とくにオールナイトニッポンやTBSラジオ)を担当しているパーソナリティなんて基本成功者だし、どう足掻いても勝ち組です。だから、パーソナリティが自らの半生を振り返ると最後は絶対に報われるサクセスストーリーになってしまいます。コーナーメールを読まれるハガキ職人だって選ばれた人たちですし。
だからこそどうでも良いくだらない話を聞きたい夜に、『三四郎のオールナイトニッポン』は沁み渡ります。ただただ楽しいファンタジー映画をお2人が観せてくれるのです。もちろんファンタジー映画だって作者の伝えたいことがあるはずだし、たまーに見せてくれる本音だけで自分は満足してしまいます。