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【放送大学】2024年度1学期の成績と授業食べログ

錯覚の科学(’20)
成績:Ⓐ 
感想:単に錯視に興味があったので軽い気持ちで取ってみた科目。錯視などの視覚的な内容は序盤の5章までで扱われる(もしかしたら『錯視の科学』と誤認していたかも。これもまた錯覚か…?)。
実際に受講してみると、6章以降にかけて人間の脳がもつバイアスやメタ認知に関する内容が思った以上にためになった。コロナ禍を経て明るみになった人々の科学リテラシーを俯瞰する視点も得られる。「**バイアス」的な心理学用語はしばしばネット上の議論で相手を殴る便利な武器として使われがちだが、インテリを装った野蛮からは距離を置いて、科学の成果に対し真摯に向き合いたい。
試験は特に難しくないが、質が良い講義なので個人的OUJセレクション金賞。

環境を可視化する技術と応用(’23)
成績:Ⓐ
感想:普段この分野に興味があって関連する情報に触れていれば、試験は予備知識だけでも解けてしまう程度には簡単。むしろ択一式ではそういう出題にしか出来ないとも思う。複数の専門家により広く解説がなされるので、この分野にあまり接してこなかった方には良いイントロダクションになっている。
実際に可視化を行う作業とセットにした方が身につくものが多いので、関連するオンライン授業と並行して受講するべきだったかも知れない。

かたちの化学―化学の考え方入門(’23)
成績:Ⓐ
感想:授業序盤で量子論っぽい話が出てきてギョッとなるが、電子がどの軌道をとるのか、というお約束を丁寧に追っていけばそれほど難しくない。脳への負担感は将棋やチェスの駒の動かし方を学ぶのと同程度。
中盤以降は応用分野でいかにもケミストリーな話が多く、教養番組的に楽しめた。生体分子に関するトピックでは、『初歩からの生物学』の一部と内容が近いため、同時に受講していたのはラッキーだった。

初歩からの生物学(’24)
成績:Ⓐ
感想:放送大学の初歩からのシリーズが羊の皮を被った狼だという話は有名かもしれないけれど、この授業に関してはちゃんと中身も羊だった。ただし毛を刈ってみると意外とマッチョな羊が出てくるかも。
8講や10講の分子生物学っぽい話題のところは『かたちの化学』と同時受講すると理解の助けになる。生態学に関する講義はNHKの教育番組みたいで気楽に取り組め、内容も良質。毛虫の写真が出てくるので苦手な人は注意が必要になる(私は眠気が吹っ飛びました)。

宮沢賢治と宇宙(’24)
成績:Ⓐ
感想:印刷教材は誤植まみれだし、プリオシン海岸のことをプリシオン海岸と言っていたり、見直しをする余裕がなかったのか、制作のドタバタ感がこれでもかと伝わってくる。単位認定試験の問題文も主語が無く、何について問われているのか絞りきれない箇所はハラハラした。
宮沢賢治を軸とする切り口はとても面白く、改訂されれば人に勧めたい。天文学メインの講義なのでときどき賢治から脱線するけれど、それはそれで。谷口先生のスライドで煙と共にキーワードが登場するエフェクトがいちいち多用されるのもじわりと面白い。
蛇足:『宮沢賢治と鉱物』みたいな講義が開講されたら絶対受講します。


今回はオールⒶでした。やるからにはⒶを取るぞというつもりだったのでひと安心。単に難度の低い科目が多かったせいかも知れません。
ただし試験では簡単な事しか問われなくても、教材の方はかなり深いところまで踏み込んでいたりします。出来れば単位を取っただけで満足せず、印刷教材を活かしたいですね。

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