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今宵のひとくち日記

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#読書

残暑こそ本を読みたい。夏の終わりのサマーリーディングリスト

日本にも「読書の夏」を 台風が過ぎ、ようやく「残暑」と呼べるような日々がやってきた。 欧米には夏季休暇にビーチなどで本を読んだりする「サマーリーディング」の習慣があり、著名人が「夏に読む本リスト」を公開している(有名なのはオバマ元大統領)。 日本では秋に「読書週間」が存在するが、そろそろ「夏も本を読む」キャンペーンを大々的に打った方がいいように思う。「読書感想文のために読む」子どもたちだけではなく、大人にも。 理由として、日本の夏は暑すぎる。 2024年はそもそも外出す

今日の読書『にほんのうた 音曲と楽器と芸能にまつわる邦楽通史』

私の実家は(私を除いて)とにもかくにもガチガチの音楽一家、というのは何度かnoteに書いたとおりです。 とくに母はたいへんなビートルズのファンで、今もポール・マッカートニーが来日するとなれば空港で出待ちするという(ガチ恋…)オタク精神を発揮しているのですが、そんな母が「若手の音楽批評で唯一信頼できる」と数年前から太鼓判を押していたのが「みのミュージック」でした。 そんなみのさんが出した「通史」がこの本です。 私は音楽専門ではないにせよ史学科の人間でしたので、「通史」にカテ

今日の読書『ボドイ:哀しき兵士』

ヘッダーはベトナム・ニンビンにある東アジア最大の仏教寺院・バイディン寺。ビエンチャン在住の友人が以前旅行で足を運んでいたが、とてもいいところだと聞いた。 ハノイからなかなか距離があるが、仏教好きとしては絶対に一度は行ってみたい。 「ボドイ」(bộ đội)とはベトナム語で兵士を意味する語だ。 しかし、日本で「ボドイ」と呼ばれる存在は基本的に軍属の人間のことではない。 かれらは技能実習制度などを利用して来日したものの、なんらかの理由で犯罪行為に手を染めるようになったベトナム

今日の読書『文明交錯』

こんなに興奮する読書は久しぶりだった。 読むのをやめられない。ページを繰る手が止まらない。 そういう中毒にも似た面白さを持った本に出会えるのは、私にとっては年に一回あるかないかである。 『文明交錯』はインカ帝国の君主であるアタワルパが「逆に」欧州を侵略する架空の歴史物語だ。 この小説はもともとローラン・ビネがジャレド・ダイヤモンド『銃・病原菌・鉄』に衝撃を受けた体験から構想が始まっている。 まさしくインカ帝国が滅んだ原因であるこの三つをアタワルパがどう克服したかというと

今日の読書『原爆初動調査 隠された真実』

「オッペンハイマー」の公開に併せてこの記事を書く予定だったのですが、かなりズレ込んでしまいました。 広島・長崎に原爆が投下された際、米軍とソ連によって秘密裏に調査された「残留放射線の測定」と隠蔽の事実を明らかにし、それが被爆者と核保有国どう影響したのかに迫っています。 「原子爆弾を高空(広島・長崎に投下された高度)で爆発させれば地上での残留放射線はほぼ一切ない」――こう主張したのはオッペンハイマーです。しかし当然そのようなことはなく、爆発の被害を地形などで逃れた一部地域で

今日の読書『ケーキの切れない非行少年たち』

(かなり今更)読了。 もともと少年院に入っていた青年も指導する教育福祉の仕事に携わっていたので、書かれていることに目新しさはなかったです。 少年が犯罪に及ぶ要因に「発達の遅れ」を挙げるキャッチーな冒頭だけでこの本を「読んだ」気になるのは厳禁です。 大切なのは「では、犯罪抑止のためにどうするか」です。 教科学習だけではキャッチアップできない児童の社会性や身体機能(認知機能・身体の連動性など)にもっと目を向け、とりこぼさないよう支援していく(コグトレという具体例まで示されてい