『ブータンの瘋狂聖 ドゥクパ・クンレー伝』―愛され続ける僧侶の官能と仏法の世界
ブータンの偉大な遊行僧に光を当てる
地元の本屋で見つけた掘り出し物の岩波文庫。
ブータンの「瘋狂聖」ドゥクパ・クンレーを、現地に伝わる逸話を通じて紹介する日本語圏ではほぼ唯一の一般書である。
ドゥクパ・クンレーは15~16世紀に活躍したチベット・ツァン地方出身の僧侶で、酒と女性を好んだ破天荒な生き方で知られている。
ブータンの古都・プナカにあるチミ・ラカン寺院は、もともとこの地にドゥクパ・クンレーがチョルテン(仏塔)を建てたと伝わる場所だ。この地で祈りをささげると子宝を