「クラスにせいぜい2、3人」
いささか大雑把な認識ですが、私は「80年代に中高生だった人」は同世代だと思っています。
例えば89年に中学1年生、12or3歳だった人はほぼ10歳違うし、私はこの年から働き始めたこともあり、当時はかなり子供だと思っていましたが、76年か77年生まれで現在アラフィフ。
なんだ、余裕で仲間( ´∀`)人(´∀` )ではありませんか。
といっても、さすがに10代の頃の話をすれば、かなり認識にずれがあることでしょう。
だから本当の意味での同世代は、せいぜい自分の前後2、3歳といったところです。
さて、ここから唐突に、ある方のインタビューで印象に残った言い回しの話題を。
書き起こしの仕事で聞いたのですが、かなり前のインタビューですし、そのまま使われるには際どい話も多かったので、ネット上にアップされていても検索は無理だろうな――と思った上で、少しぼかして書きたいと思います。
それはとある男性ライターさんのインタビューでした。
調べたところ私より2歳年下の早生まれなので、学年でいうと1年差。まさに同世代でしょう。
といっても、私と違って東京23区生まれ育ちという環境や、男子ならではのフッ軽さ、行動範囲の広さもあり、よくも悪くも雑多なものに触れてきたことが窺われる話題がポンポン飛び出し、カラフルで楽しいお話でした。殊に音楽については、かなり厚めに時間を取ってお話ししていました。
私も同世代だし音楽は大好きだったので、彼が名前を挙げるアーティストはほぼ知っていたし、代表曲も頭に浮かぶレベルだったのですが、「超人気」とまでは言い難いものの、有名な人物やバンド、グループがほとんどでした。
しかし彼は、なぜかアーティストについて説明するとき、次のフレーズを繰り返し使っていたのです。
「クラスで2、3人しか知らなかったと思うんだけど……」
あくまで感じたニュアンスでしかないのですが、要するにマイナーだと言いたかったらしいのです。
また、若干意地の悪い見方ではありますが、「そんなマイナー路線も拾っている俺」が誇らしいのかな?と感じました。
80年代なので、中高の同級生といえば40~50人ですから、仮に45人で計算すると、4~7%ってところでしょうか。
しかし、彼が挙げたアーティスト名、ざっと15組はあったのです。
ということは……それらのアーティストを知っている(ファン)が仮に3人ずついれば、3×15で45人。余裕で1クラス分になります。
音楽が好きな人は、複数のアーティスト名を「お気に入り」に挙げることが多いので、1人で全員知っているという人もいるだろうし、結局あくまで延べ人数ということになりますが、「ファンではないけれど、友達がファンだから何となく知っている」というつながりまで考えたら、どの人たちも、彼が言うほど知名度は低い人ばかりではなさそうです。
ちなみに高校生くらいの頃、私が好きだったアーティストは、中島みゆき、佐野元春、NOBODY、大澤誉志幸などでしたが、「クラスで2、3人しか知らない」アーティストには含まれていませんでした。
話が大分長くなりましたが。
実は私がこんな話を書いた理由は、Xで見かけたある投稿でした。
それは、さきの紅白歌合戦に出演して大好評を博したベテランロックユニットをくさす内容でした。
いわく「90年代はクソダサ評価だった」と、それが一般論であるかのような言いぶりでした。
単に売れている事物に対して「そういうこと」を言いたがるタイプの人にしか見えなかったこともあり、総叩きに遭って哀れなものです。
売れている人たちは目立つし、当然のようにアンチも発生するでしょう。
私は90年代当時はその人たちにはあまり興味がなかったものの、よく遊んでいた友人が大ファンだったので、彼女の部屋や車の中で聞いていて、何となく歌える歌も何曲かでき、中にはお気に入りもあるという程度でした。
結果、「昔もすごかったけど、今もすごい」程度の捉え方になっております。語彙力お粗末ですみません。
例えばXでくだんの投稿をした方の周囲では、極端に低評価だったのかもしれませんが、30年前、40年前に既に物心がついていた人は、現在、いっていても60歳。ネットでの情報収集も発信もお手の物の世代です。
歴史改ざんとまではいいませんが、個人の感覚で「これジョーシキ」的に発言すれば、「そりゃそうなるよという話です。
ということで。
お若い方々……がこの文章を読んでくださっているか否かはいざ知らず、老婆心ながら一言。
自分がよく知らない時代のことについて、やたら大風呂敷を広げる人の話は、いったん疑ったほうがいいようです。
殊に悪口はエキサイトしがちなので、さらにご注意を。