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「じょうし」の絶望
こんにちは、須恵村と申します。
在宅で音声書き起こし(反訳)の仕事をしております。
ちなみに(一個もちなんでいませんが)「見かけるたびにすかさずに買ってしまうスイーツ」は、あわしま堂の「ブッセ 焼きリンゴ」です。
どうでもいいけど、私が好きになる食べ物って、このサイトで軒並み「中評価」だなあ。まあ、そういう舌の持ち主ということです。
ジャンル的にITビジネス系インタビュー音源の文字起こし案件を多く扱っています。
そのおかげで「門前の小僧」よろしく、新しい用語・略語の意味というか使いどころをぼやーっととらえるのは割と得意になったと思います。
頻出語の一つが、情報システムの略称である「情シス」です。
これ、日常的に使い慣れている方が、特に意識せずにぱっと口にのぼせることが多いので、例えば「上質」(あるいは上室など)と聞こえるおそれがあるのですが(**下記注)、大体文脈的におかしいので、それは違うだろうなという類推が働きます。
**
たとえ「ジョウシス」と正しく聞き取れたとしても、この単語を知らないと、妙な補完機能が働いて、一番近い「ジョウシツ」に寄せて聞いてしまう、という流れです。
……という話を旦那にしたら、その時点で「ゲッ」という顔をされたのですが(新語アレルギー的なところがあるので…)、実は私が本当にしたかった話はその後でした。
X(旧ツイッター)上で、この「情シス」を、字数節約の意図か、平生からそう言っているのかはわかりませんが、「情シ」と書いている方がいたのです。
目で見る分には、「情シスのさらに略称?」くらいで済むのですが、もしも本当にこう発音されてしまったら……と考えると、なかなか厄介です。
アクセントは「情↓シ」なのか、「情↑シ」なのか?
私のような南東北無アクセント地帯出身者がアクセントを語るなと思われそうですが、古くからある言葉ではないので、正直言って、そこはきちんしたアクセントが確立している人たちと条件は一緒だと心得ております。
これが雑で不適切だったりすると、それはそれで誤解の元なので、できれば白黒つけたいところ。
それよりも何よりも、「ジョウシ」と発音する語は、「ジョウシス」や「ジョウシツ」よりずっと豊富です。
〇上梓 本を出版すること
〇上司
〇城址
〇上市 新商品などの、いわゆるリリース、ローンチ
〇情死 ……
〇上巳 桃の節句のこと
などなど
もちろんこれらも概ね文脈で判断できますが、「上市・上司・上梓」あたりは同じ話題の中で同時に出てきても不自然ではありません。
いや、声の似た声優さんが一緒に出ているアニメみたいなもので、一挙ご登場の方が逆に区別がつけやすいのかもしれませんが。
例えば、「ジョウシと相談して」と言われた場合、「上司」と取る方が多いかもしれませんが、「情報システム部門のスタッフ」の可能性だってゼロではありません。
これもまた、「言葉は生き物」という決まり文句の一つとして受け入れるしかないのでしょうか、ねえ。
そもそも言葉が大好きな私は、この「言葉は生きている」系の言葉を本来は好意的に受け止めるべきなのだと分かっているのですが、使われる状況があまり好ましくないところばかりなので、何だかこの仕事を続ければ続けるほど、「またそれかよ……」と白けてしまっています。困ったものです。