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1頁目 日本という方法

今年の初めに積読を無くすという目標を掲げ、本を購入することを控えていたが
松岡正剛氏の存在を知った次の日に「日本という方法」を購入した。

円安によるインバウンド需要とソーシャルメディアの普及により日本のあちこちで外国人を見かけるようになった。
コロナ騒動後に活気が出ていい事なのかもしれないが、日本人が外国人から見た日本のイメージに寄せに行って商売をしているのが、なんだか気味が悪い。
とともに日本の文化や歴史に惚れ込んで来訪した外国人を通して、日本の技を知ることもある。
また、外国人のマナーの悪さについて度々ニュースで目にすることも増えた。

こうした事から、もっと日本というものを知りたい。外国人はマナーが悪いと一括りにするのではなく、もっと国の文化の違いを知りたいと思っていた。

そんな折、松岡正剛氏の「日本という方法」という本を知った。
歴史を勉強してこなかった私にとっては、少々難しい本なので少しずつまとめていこうと思う。

・ 日本は一途で多様で多義的な国である

多様性や多義性は、混乱や弱体化を招きそうだが、日本は全てをうまく受け入れ保ってきた。
クリスマスとお正月なんていい例だと思う。この時期の街の変わりようは、毎度面白いなと思っていた。

禅や侘び寂びという静かな日本とバサラや風流踊りといった賑やかな日本が入り混じっている。

・ 仮名文字の誕生の重要性

中国から入ってきた漢字を日本語読みにした万葉仮名の登場
 太安万侶らが日本人のことばを万葉仮名や和化漢文で表記して、それを見た人々が
そこからかつての日本人が語り歌い継いできた言葉の世界を蘇らせることができるようにした。
昔の日本人の工夫のおかげで、現代に生きる私たちもタイムマシーンに乗ったように古の時代へと心の旅ができることに感謝しようと思う。

・ アワセ、キソイ、ソロエ、カサネ 

新撰万葉集のように和歌と漢語を合わせる
マッチングさせ、競わせ、それを編集し重ねる。
この技は、現代の学校の授業にとても重要なことではないかと思った。
白と黒で分けるのではなく、白の良さ、黒の良さの意見を出し、それを編集し一つにまとめる。そうすることで、新しい良さに気づくことができる。

・ おもかげとうつろい

この本のサブタイトルにもなっているほど重要なテーマである

おもかげは、脳裏に思い浮かぶプロフィールであり、像が動いている。
うつろいは、移ろっていくもの。万事万象が移ろっている状態は常ではない。無常。

面影は、何かがある状態とない状態をつなげている。

秋になり、吾亦紅を見ると「私、この花好きなのよ」と言いながら活けていた母の面影が浮かぶ。確かにこの世には母はいないが吾亦紅という今ここにあるものを見て、母の面影を見ているのだ。

寂しくも消えゆくような感覚に日本人が価値を見出したことが日本文化と関わりがありそうだ。日本人はよく「曖昧ではっきりしない」と言われるがそこに美学があるのだと私は考えた。

・ ウツロ

内側が空洞となったそこに何かが生まれたり、宿ったりする

・ はかなし

藤原定家  「見渡せば 花も紅葉もなかりけり 裏の苫屋の秋の夕暮れ」

この句は花も紅葉もなかりけりとあえて言って強調することで読み手に面影を出すという技法を使っているそうだ。 何ておしゃれなんだ・・・・。

岡倉天心「あえて仕上げないで、想像力で補う」

これは枯山水のアプローチである。そこに水を感じたいからあえて水を抜いたことで、見る側の想像力に任せるという日本の美しい文化だ。

ここまでまとめただけでも、日本の美しさにため息がでた。今までこれを知らずに生きていたのが勿体無い。いや、この歳で気づけたことは幸せなことかもしれない。

混沌とした世の中に一筋光を見つけた気がした。





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