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50代一人暮らし。うちの近所の面々。
2025年3月1日。
近所の面々なんて書いておきながら、近所付き合いは全くない。
会った時だけの後腐れのない関係がいいのだ。
あ、なんか貞操観念のない表現。いやいや、そうじゃなくて!
家族で暮らしていた時は、しっかり近所付き合いをしていた。なんならお土産を渡しあったり、お昼を招待したり、お茶に呼ばれたり、時々夕食を行き来したり、一緒にデイキャンプに行ったお家もある。
楽しいひと時だった。
でも、お付き合いに付随して思いがけない面倒ごとが後々起きたこともあるし、ここに越してきた時分はまだまだ息子たちも荒れていたので、できるだけひっそり暮らそうと心に決めていた。
私といえば明るい太陽とは真逆で、もしその時分に私にマイクテストを行わせたら「…test test …本日も曇天なり…」と暗ーい声が辺りに響いたであろう。
同じマンションの住人には、死んだ目とニッと食いしばったような歯を見せて、「こんにちは」「こんばんは」とこちらから挨拶するだけで精一杯だった。
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平日の超手抜きごはんを思い浮かべ、栄養を少しでも補うべく。
ほうれん草とサツマイモのサラダ、
トマトソースのペンネ、目玉焼き、ソーセージ、そしてキャベツのスープ。
最近果物を食べていないので桃のジュースも。
果物も高いが野菜もなんでも高い。
令和価格についていけない。
駅から我が家までの道のりに、通る人と会話をしようと、犬と共に朝晩自宅の門のところで待ち構えている40代くらいの男性がいる。
野球少年のような丸刈りのヘアスタイルで、チノパンにトレーナーのようなカジュアルなファッション。サラリーマンではなさそうだ。
我が家の犬子は犬見知りなので、勿論ここの犬もスルー。私も「なんだか面倒だなあ」と思いつつ、4年間くらいはこちらから「こんにちは」と挨拶していた。それに対して向こうは無表情のまま会釈をするが、話しかけてはこない。
週末ともなると朝から暗くなる頃までそこにいる。もしかしたら自宅をバッキンガム宮殿と間違えているのかもしれない。
犬連れや犬好きな人と話し込んでいる時はいいのだが、衛兵状態の時に前を通るのが苦痛だ。
タバコを吸ったりしているのならともかく、ただ立っているのだ。通る人を横目で観察していて、目が合うとさっと目を逸す。こちらが挨拶すれば無表情で会釈する。
私は最近になってこの自宅警備員に挨拶するのをやめた。
そして、じっと道程に佇んで人々を見守る?その姿、その髪型は、衛兵よりもお地蔵さんに似ていると気がついたので、「バッキン・ガム男(お)」から「人待ち地蔵」へと命名変更した。
地蔵が1日署長ならぬ1日衛兵になる土日は、できるだけその家を避けて少し遠回りしている。
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本当ならマッシュルームを入れたいところだが、しめじで代用。
安かったからね。
トマトとサーモンのマリネと一緒に。
我が家にはエレベーターがないので階段を使うのだが、その階段はうちと、その下と、更に下のお宅と、3軒専用になっている。
真下のお家はうちと同じ母子家庭のようである。(私は一人暮らしになったが)
私より年上に見える女性と、20代前半と思われる息子さんの2人暮らし。息子さんは朝出かけて、夕方には帰ってくる。お母様の方は、時々お昼頃に出掛けていくのを見かける。
自宅前を掃除しているところに通りかかったことがあるが、膝丈の下着のキャミソール(ベージュ)一枚だったので驚愕した‼︎
見た方があわあわと驚いているのに、向こうは「あら、こんにちは」と冷静で、「あ・・えっと、こ、こんにちは!!」と、こちらの方が下を向き、逃げるように階段を駆け上がった。私は年頃男子か?
熟女好きの皆様にとっては憧れのワンシーンかもしれないが、ノーメイクにキャミソール姿の60代?のセクシーショットを見せつけられて、急にどっと疲労感が押し寄せ、生気を奪われた。
一体なんだったのか?幻か?
でも、横幅のある四角い背中に細いキャミソールの肩紐が食い込んでいる姿が、しかと私の脳裏に焼きついている。幻なんかじゃない、これは現実なのだ。
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よって、ベランダカフェ、2025年初のOPEN。
バルコニーがお隣と面していないので、とても気楽。
長男が子供の頃に使っていたアンティークのチャーチチェアで。
これ、今後長男は引き取りに来るのか?
早く持って行ってほしい。
チェアの向こう側には洗濯物が旗めいております。
ひらひら〜。
そして更にもう一つ下のお家は、40代前半くらいのご夫婦と中学生の息子さんの3人家族。ワンちゃんを飼っている。
挨拶してもご夫婦共に絶対に声を発さないので、映画で言うトーキーではなくサイレントなのだと思うことにしている。1900年代初頭を生きているのであろう。
コロナの頃には息子さんはまだ小学生で、よくもの凄い怒鳴り声が聞こえてきた。「いい加減にしろ!てめえは・・なんだよ!この野郎!!」みたいな怒鳴り声。指定会系の組事務所?
いや、その構成員の正体は奥様なのだ。
私も息子2人を育てたので、そんな風に怒りたい気持ちはよくわかる。
「それじゃダメよ。こうしなさい。」なんて優しく言ったところで、全く耳にも入らない。目の周りと唇を真っ黒にして、パイプ椅子を投げつけたり、竹刀を持って太いチェーンを振り回しながら「オラオラ!」と極悪同盟のようにヒールにならなくてはいけない時もあるのだ。
でもこの家の息子さん、私が挨拶すれば「こんにちは」と最近しっかり挨拶を返すようになった。ご両親よりもちゃんとしている姿に、おばちゃんは陰ながら成長を感じております。
・・って、そんな私も近所でなんと思われているのかね。
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