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マンガ 日本を破滅に導くザイム真理教の大罪

概要

本書は、日本の財政問題をテーマに、国の借金、税制、金融政策などについて詳細に解説している。特に、財務省の役割や国債発行の仕組み、高齢化による社会保障費の増大、金融緩和の影響について、具体的なデータを交えながら論じている。日本経済の現状を多角的に捉え、経済学的な視点から財政政策の是非を問う内容である。

おすすめな人

  1. 日本の財政や経済政策に関心がある人

  2. 社会保障や税制の仕組みを深く理解したい人

  3. 経済や金融について実用的な知識を身につけたい人

読書感想文

日本の財政問題と課題

本書を読んで、日本の財政状況が想像以上に深刻であることを改めて感じました。国債発行による借金体質が続いており、2023年末には国の借金が1,068兆円に達しているという事実には驚かされました。国の予算の約3割が借金によって賄われている現状を考えると、将来への負担の先送りが続いているのは明らかです。このままでは金利の上昇や過度な円安を招きかねず、日本経済にとって大きなリスク要因になると感じました。

財政政策の基本は、必要な支出と税収のバランスを取ることですが、本書では「借り換え」を前提とした国の運営方法が紹介されていました。確かに、国家レベルでは企業のように単純に借金を返済するのではなく、国債を発行し続けることで資金を循環させる手法が取られています。しかし、企業であれば借金の活用方法や収益の見込みを精査するのに対し、国の財政はその点が曖昧に感じられました。経済成長を見据えた戦略的な借入と、それを活用したキャッシュフローの循環が求められるのではないかと思いました。

税制と社会保障の負担

特に印象的だったのは、消費税の増税が日本経済に与えた影響についての指摘でした。2019年の消費税増税がアベノミクスの勢いを削いだという主張には納得しました。税収を増やすために消費税を引き上げた結果、消費が冷え込み、賃金上昇が停滞したというのは、まさに負のスパイラルです。他国と比較すると、日本の消費税率は低いとされていますが、社会保険料を含めた国民負担率はすでに46.8%に達しており、決して軽いものではありません。この点についての議論は、もっと深められるべきだと感じました。

社会保障費の増大も財政を圧迫しています。少子高齢化が進む中、2025年には「団塊の世代」が75歳以上となり、医療費や年金の支出がさらに増加すると言われています。このような状況で、果たして現行の社会保障制度を維持できるのか、強い疑問を抱きました。特に、現役世代の負担増加が避けられない以上、消費税増税以外にも、所得税や法人税の見直し、あるいは富裕層への課税強化など、幅広い議論が必要ではないかと感じました。

財政運営と今後の展望

また、財務省や官僚制度についての記述も興味深かったです。国家公務員の給与は景気に連動しているとはいえ、官僚の天下り問題や財務省の硬直した財政均衡主義には疑問を持ちました。国家の経済運営を担う財務官僚が、必ずしも経済の専門家ではないという指摘も衝撃的でした。政策立案に携わる人材の選定や教育のあり方についても、見直しが求められるのではないかと感じました。

本書を読んで、日本の財政問題について多角的に考えさせられました。国の借金や消費税増税、社会保障のあり方など、普段漠然としか意識していなかったテーマについて、具体的なデータをもとに理解を深めることができました。特に、消費税増税の影響や財政均衡主義の問題点については、より多くの人が関心を持つべきだと感じました。

また、財政問題を自分ごととして捉え、今後の社会のあり方を考えることが重要だと実感しました。個人としても、税制の仕組みを学び、自分にとって有利な制度を活用することが大切だと思いました。今後は、単なる情報の受け手ではなく、主体的に財政問題について考え、行動する姿勢を持ちたいです。

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