ネット心理教育 双極症 第5回「うつ病と混合性エピソード」
こんばんは。今回も心理教育キャスを聞いてくださってありがとうございます!
「ネット心理教育」の布団ちゃんです。
今回は、2020年2月2日21時からお届けいたしました、双極症の心理教育 第5回「症状Ⅱ:うつ病と混合性エピソード」についての記事です。
1.抑うつエピソード
うつの症状では、①行動、②思考、③感情/敏感性 の症状のうち、5つ以上が2週間以上持続すると「抑うつエピソード」とになります。
つまり、症状のまとまりが一定期間続くと「エピソード」と呼びます。
このとき注意する点は、①行動、②思考、③感情/敏感性の症状全てが起こるわけではないということです。
例えば
①行動の「身体が動かない」と「不眠」、「食欲がない」症状が当てはまり、
②思考の「不安」「希死念慮」の症状も当てはまるけれど、
③感情/敏感性の症状のなかでは1つも当てはまらないという場合も、「抑うつエピソード」に該当します。
悲しみのない抑うつエピソードということになります。
③感情の特徴だけにとらわれず、①行動、②思考の特徴からも、抑うつエピソードを自覚することは重要です。
2.混合エピソード
躁/軽躁やうつと違って理解しづらいのは、混合エピソードです。実感したことがない人にはピンとこないかもしれません。
混合エピソードとは、うつと躁の症状のいくつかが同時に起こることです。
例えば【うつ】希死念慮(死にたい気持ち)と【躁】目標志向性の異常な活動(暴走)が合わさると自殺企図のリスクが高まります。
混合エピソードでは自殺企図のリスクに注意してください。
3.フラット(寛解、部分寛解)
さてここまで、前回「躁/軽躁エピソード」について、
そして今回「抑うつエピソード」、「混合エピソード」をご紹介しました。
このスライドでは、それに加えて新しく「フラット(寛解、部分寛解)」をご紹介しています。
「寛解」ってことば、聞いたことあるかもしれません。
私は「寛解」というと「完璧に治る✨もう二度と症状が出ないこと」というイメージを持っていました。
では、実際にはどういう状態のことを指しているのでしょう。
寛解とは、服薬の有無に関わらず症状の見られない状態が2ヶ月以上続くことを言います。
2ヶ月未満この状態が続いていることを「部分寛解」と言います
期間によって、呼び方が変わるということです。
このときのポイントは、薬を飲んでいても飲んでいなくても、症状が落ち着いていれば「寛解」ということです。
4.双極症の4つの状態
さてその、「フラット」=寛解、部分寛解を含めた
1.「躁/軽躁エピソード」
2.「抑うつエピソード」
3.「混合性エピソード」
4.「フラット」(寛解、部分寛解)
の四つの状態を、双極症では、数ヶ月から数年のサイクルで変動していきます。
このときのポイントは、
この1〜4は順番など決まっておらず、バラバラに変わっていくことです。
私も以前は勘違いしていて、「躁」の後には必ず「うつ」が来ると思っていました。
でも実際にはもっと複雑で、「躁」のあとに「混合」がきて、そのあとにまた「躁」になる…なんてこともあります。
気分の波は予想不能です。
5.双極症を図でみてみましょう!
さて、実際の気分の上がり下がりを図にしてみてみましょう。
上から、Ⅰ型、Ⅱ型、再発性うつ病です。
Ⅰ型では躁がより大きく、
Ⅱ型はそれと比べると「軽躁」という文字の通り、軽い躁ですが、うつがより長いです。
Ⅱ型では軽躁が本当に短いため、
特に診断に至るまでは、障害だと気づくのが難しいです。
軽躁で「元気」と感じたら、病院に掛かりませんものね。
下の再発性うつ病はⅡ型と似ていますが、その特徴は「軽躁」がないことです。
気分の落ち込みだけを繰り返します。
ではこの双極症の上がり下がりを別の図でみてみましょう。
Ⅰ型とⅡ型を比べて、どんな特徴があると思いますか?
まずは躁/軽躁の期間が違いますね。Ⅱ型の軽躁は本当に一瞬なのですね。
それと、混合の期間にも差があります。
I型Ⅱ型ともに、抑うつエピソードは長いです。
寛解は両方とも半分くらいを占めています。
Ⅰ型は「躁」のイメージが強烈なので、長い期間ずっと躁のようにも思えますが、抑うつの時期と比較すると、うつの方がかなり長いです。
6.治療しないとどうなる?
配信の最後に、「治療をしないとどうなるの?」という話になりました。
躁・軽躁のとき「もう治ったかな? もう薬を飲まなくていいかな?」という気分になりませんか?
ではそんなとき、治療をやめてしまうとどうなるか考えていきましょう。
実は双極症は治療をやめると、重症化すると言われています。
それに加え、より早い期間で躁転したり、うつ転したりするようになってしまいます。
1年に4回以上、「躁/軽躁エピソード」と「抑うつエピソード」を繰り返す状態のことを「ラピッドサイクラー」と呼び、この治療は難しいと言われています。
重症化しないためにも、ラピッドサイクラー化しないためにも、躁で気分が爽快なときであっても治療を続けることが大切です。
7.最後に
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回の心理教育キャスはいかがでしたでしょうか?
知らなかったこと、勘違いしていた知識の情報更新が出来たのならば、とても嬉しいです。
分かりにくかったこと、もっと知りたいこと、改善点など、ご意見・ご感想をアンケートでお待ちしております。
お時間のある際に、よろしくお願いします☺️
クイズも作成しましたので、今回のキャスの内容の確認に挑戦してみてください。
今後の配信は、
02/02(日)いつもの「うつと混合」
02/04(火)アンケート会
02/05(水)おさらい「うつと混合」
02/09(日)いつもの「経過と予後」
を予定しております。
これからもネット心理教育をよろしくお願いします🤗
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