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みんな乳歯はどうしたものか

「抜けた歯?ゴミ箱に捨てたよ」
そう夫が言い放った。

ゴミ箱!?
抜けた歯をゴミ箱に捨てた!?


そう、始まりはとある午後のママ友との会話。
話題は子どもの歯についてだ。

私の息子は小学校1年生。
そろそろ歯がグラグラするだの抜けるだのいう時期だ。

ママ友のお子さんの1人が、「今度歯を抜きに行く」とのことだった。
理由は、下に大人の歯が生えてきてしまっているが、上の乳歯がびくともしないためだった。

へぇ。そんなパターンもあって抜きに行くのか。
私の息子もまだ乳歯しか生えておらず、グラグラもせず、いつ生え変わるの?と思っていたから、かなり驚いた。

そしてさらに驚きの会話が続いた。
その乳歯を抜きに行く子どものお父さん、つまり先ほどのママ友の旦那さんは、乳歯が生えたまま、終わったらしい。

「えっ?じゃあ今大人になっても、結局生え変わることはなかったってこと?」
「そういうこと。下に大人の歯はあるみたいなんだけど、出てこないから、乳歯なんだよ、全部の歯。だから子どもも同じパターンになるかも。」

衝撃的な話だった。
大人になっても、乳歯のまま一生を終えるなんて人がいるんだ。

ちなみに私は生え変わるどころか、
親知らずもびっしり4本生えている。
虫歯も今まで32年間一度もなったことがないので、歯の痛みがわからない。

歯医者さんに行くと、いつも褒められるので、なかなか普段褒められることがない分、ちょっと嬉しい。


そんな公園でのママ友との会話を夫に話した。
それで、話は最初に戻る。

「自分の抜けた乳歯、どうしてた?」
夫は、「ゴミ箱に捨てたよ」と一言。

ゴミ箱!?
私、腹を抱えて大爆笑。
夫は、何がおかしいの?とでも言いたそうな顔。

たしかに、子どもの時の乳歯って、みんなどうしてるんだろう?
ふいに気になった。

今だと乳歯をとっておく専用のケースを知っているが、私が子どものころはどうだったのか。

私は子どもの頃、青森に住んでいた。
そこの風習かどうかは分からないが、私は自分の乳歯を車庫に投げていた。
(車庫とは言いつつ、納屋なような、裏小屋のようなところだ)

母が言うには「ネズミが投げた歯を持って行ってくれるから」だそうだ。

ネズミの歯は強いから、ネズミのように強い歯が生えてきますように、というおまじないのようなものだろう。

だから、下の歯が抜けたら、上に向かって投げる。
(歯が上に”ぐんぐんのびる”という意味を込めて)

逆に上の歯が抜けたら、上から下に向かって投げる。
(上から下に向かって”いい歯が生える”という意味を込めて)

私はそれをかつては本当に信じていて、20本の乳歯を「いい歯がはえろー!!!」と叫んで投げ続けた。
多分きょうだい2人もそうしていた。

だから、車庫のネズミは60本の歯を必死で運んだのかもしれない。

そのおまじないが効いたかどうか分からないが、おかげさまで私の歯は治療なし、矯正なし、親知らずも健全で、立派な歯が生えそろった。

夫はそんな歯を、ゴミ箱に捨てたというのだ。
そもそも歯って燃えるゴミ?
遺体を火葬するときって、歯は残るっけ?
それなら燃えないゴミ?まぁそんなことはどうでもいい。

この話をまたさらに後日、別のママ友と話したら、やはりゴミ箱に捨てる派がほとんどだった。

私の常識は、人の非常識とはよく言ったもんだ。これは勉強になったなぁ。

まぁしかし、乳歯をゴミ箱に捨てようが、おまじないをかけようが、その後の自分の歯の管理次第で、いい歯にもなるし、悪い歯にもなる。
だれも自分の歯は守ってくれない。
自分でしっかりと管理するしかないのだ。

先ほども書いた通り、私は治療も、矯正もしたことがない歯の健康優良児だ。

普段歯を大切にするために心がけていることをガチガチに決めているわけではないが、これからもこの歯をずっと大切にしていきたいので、ゆるく習慣になっていることがある。
それをご紹介したい。

  • 甘い飲み物を飲まない

私は甘い飲み物を普段飲まない。というか、苦手である。
普段は水かお茶しか飲まない。
甘い飲み物を飲むと、口の中がしばらく甘くなってしまい、なんとなく苦手なのである。
それが虫歯予防になっているのかもしれない。

  • 口をゆすぐのは1回

歯磨きのあとは、口を一回しかゆすがない。
気持ちよくなりたくて、つい何度もゆすいでしまいたくなるかもしれない。
しかし私は小さい頃から、口は1回、多くても2回しかゆすがなかった。
よく祖母に「1回ゆすぐだけで、気持ち悪くないの?」なんて言われたことを思い出す。

  • フロスを使う

フロスはここ最近使い始めたアイテムだ。
それまで使ったことがなかった。それなのに虫歯がなかった。
なんの取り柄のない私の、唯一誇れるものだ。
最近は歯医者に通うようになり、フロスの重要性を再確認したため、きちんと使うようになった。

  • 歯ブラシに力を入れない

歯医者で歯ブラシの指導を受けた時、「歯ブラシってこんなに力入れなくていいんだ」と思った。
歯ブラシに力が入りすぎると、毛が寝てしまい、上手く汚れがとれないのだそう。ついつい力を入れてしまいがちだが、思い出したら力を抜いて磨いている。

  • 歯の定期検診に行く

これが1番大切かもしれない。30歳になるまで、まともに歯医者に行ったことがなかった私。
今では歯医者に4か月に1度、定期検診に行くようになった。
忙しいけれど、歯は一生もの。
ぜひ定期的な歯の検診をおすすめしたい。


私が心がけていることは、そんなにお金のかかることでも、大変なことでもない。少しの心がけで、歯を健康に保つことができる。

しかし人は習慣を変えることは難しいと考える。
だから、おまじないや願い事にかけてみたりする。無意味なのに。
分かってる。わかっているけどね。

私は子どもたちの歯を、自分がしたのと同じように、車庫に投げたいと思っている。
そのあとは子どもたちよ、自分の歯は自分で守ってね。

そんな親心、わかってはいるけど、やっぱり無意味に願ってしまうものだ。


#いい歯のために

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