ズボラさんこそヘアドネーションは良いぞ
ヘアドネーションとは
医療用ウィッグの素材として髪の毛を寄付するボランティア活動のこと。
やることは切った髪(31cm以上)をしかるべき団体に送るだけ。
髪型にこだわりのない人にこそ、ヘアドネーションはお薦めできるということを書いていきたい。
ヘアドネーションとの付き合い
わたしはあまり自分の髪型にこだわりがない。
ショートヘアは乾くのが早いしセットが楽だ。あと短い方が周囲の評判がいい。
ロングヘアはアレンジができて楽しい。編みこみを作るのも好きだし、お気に入りの髪飾りも使える。
どちらも好きだし、どちらも欠点はある。
良いように書いたが、こだわりがない故に髪を切るタイミングがわからない。
ある時ヘアドネーションの存在を知り、「切った髪が31cm以上になったらショートヘアにする」というローテーションにすることで髪型に困ることがなくなった。
わたしの場合は31cm以上寄付できるようになるまでにだいたい3~4年かかる。
すでに3回寄付しているので十年以上は髪の長さの悩みから解放されている状態だ。
一回の寄付には数年かかるので普段は忘れていて、そろそろ切ろうかな?というタイミングで行えるという意味では気軽な活動だと思う。
ヘアドネーションをするには
ヘアドネーションに協力しているサロンで切る。
いつものサロンに説明して切る。
個人的におすすめは協力サロンで切ってもらうことだ。
美容師さんの慣れが違う。
協力店ではないところで切ってもらった時に感じたデメリット
最初のヘアドネーションはわたしが髪の寄付を始める前から通っていたサロンで依頼した。
■ヘアドネーション用のカットには決まりがある。
シャンプー前に切る。
髪の毛を小束に分けて輪ゴム等で結び、輪ゴムの1cmより上から切る。
切った髪をさらにひとまとめにする。
こういうルールを十分理解していない美容師さんもいる。恐らく美容師業界でマストの知識ってわけでもないのだろうから当然と言えば当然だ。
ただ説明するだけならいいが、相手が戸惑っているのにそれを強行させのはお互い負担だ。
■ヘアドネーション料金が決まっていない可能性がある。
普通のカット料金のみで済む場合もあるかもしれないが、数千円かかる場合もある。
実質2回カット(ドネーション用カットと通常カット)して手間も時間もかけているのだから当然といえば当然だ。
ちなみにわたしの場合はカット代に+2000円だった。
■大型サロン予約サイトから申し込めない。
レギュラーメニューじゃないのでそもそも選べない。
サロンへの要望欄に「ヘアドネーションしたいので持ち帰ります。(上記決まりを記入)」と書いたのだが、そもそも要望欄を見ていなかったらしく「聞いてなかったのでびっくりしました」的なことを言われた。
特殊な依頼をするのに電話しなかったわたしも悪いが、要望欄を見ていないのはそれはそれで問題な気がする。(彼が特殊な例かもしれないが)
■美容師さんの抵抗感
当然だが、ロングヘアからショートヘアになるので美容師さんも慎重になる。
わたしとしては髪が短い時はサイドや後ろを刈り上げていわゆるツーブロックにしているので全く抵抗が無いのだが、切る方は取り返しがつかなくなるので抵抗があるように見える。
特に男性だとその傾向が強い気がする。
以上がヘアドネーション協力店で切るべき4つの理由だ。
わたしの「寄付したい」という要望のせいで無茶な仕事をさせられる人を作るのは本意ではない。
「こんなに短くするつもりじゃなかった」という事故を防ぐためにも経験豊富なサロンを選んだ方が無難だろう。
以上はあくまで私の経験なので、日ごろから懇意にしている美容師さんがいる場合はその人に依頼しても大丈夫かもしれない。
その際はきちんと電話して詳細を事前に話し合うことをお薦めする。
髪の毛を送る
協力店で切ってもお店から送ってくれる場合と、持ち帰って自分で送る場合がある。
ヘアドネーションができる美容院が見つかるメディア「ヘアドネージュ」 (hair-doneige.com)
によると、日本には3つのヘアドネーション主催団体がある。
Japan Hair Donation & Charity【ジャーダック JHD&C】 (jhdac.org)
つな髪®|髪の寄付(ヘアドネーション)で医療用ウィッグを無償提供 (organic-cotton-wig-assoc.jp)
Hair Donation(ヘアドネーション)|ヘアドネーションならNPO法人HERO
どこへ送ってもいいと思うが、わたしはジャーダックさんへ送っている。
■受け付け不可の髪
受け付けている髪の状態には決まりがある。
白髪
ブリーチ歴
くせ毛
パーマ(ストレートパーマを含む)
染髪は色によってはOK
傷んだ髪でも引っ張って切れるほどじゃなければOK
団体によって違いがあるようなので、ヘアドネーションを検討している方は確認が必要だ。
■送付方法
だいたいレターパックを推奨している。
小包はOKだったりNGだったりするようなので、髪の受付が可能な団体の送付方法をきちんと確認しないと返送される恐れがある。
髪の寄付以外にも団体によってはオリジナルグッズを買うことで支援になる活動もしているようだ。
ヘアドネーションは良いぞ
わたしにとって最大の利点は髪に関する悩みが減ったことだ。
■切るタイミングで悩む必要がなくなった。
上にも書いたが伸ばしている間は考えることがない。
気になったら切りそろえに行くが、行かなくても良い。
■髪に関する話題では「ヘアドネーションしてるんだ~」という返事が最強。
髪型にこだわりが無いのに髪型の話題は定期的にやってくる。
ヘアドネーションをする前はこれに結構困っていた。
「緑川さんは髪長い(短い)よね~」と言われたときも、
「染めないの?」と聞かれた時も、
切って「イメチェン?」と聞かれた時も、
「ヘアドネーションしてるんだ~」と同じ回答で解決する。(実際には暗めの色なら染めるのは可能だが確実にプリンにするので染める気が起きない)
これが最強。ストレスフリー。
自分の悩みが減って、それが他人のためになる。
ほとんど自己満足の世界だが、切られた髪は普通、捨てられるだけ。
捨てるつもりの髪を送るだけで誰かの助けになるし、良いことをしていると思うと気分も上がる。
やらない善より、やる偽善。
案外気持ちの良いものである。