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【恋愛小説】これを愛と言うのか、忘れたいと思うのか(4)

 それから、3ヶ月。俺たちは、一緒にいる時間が増えていった。
 
 俺の家に来ることも少なくない。一緒にお酒を飲んだり、2人でご飯を作ったり、寄り添いながらテレビを見たり。

 でも、体の関係になることは、なんとなく避けていた。

 SEXまではしていないけれど、手を繋いだり抱きしめたり…。
 唇から伝わる柔らかい感覚とか。それだけで、とても満たされた気持ちになる。

 世間でいう“普通”の価値観が通用しない。

 体に入れてしまいたいくらい、ユキと一つになりたいと思うけど、もう少し大事に愛でていたいという気持ちになる。

 そしてユキも、それ以上を求めてくることはなかった。

 「ユキは、どうして離婚したの?今でも、仲良くやってる?」

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