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人間関係のトラブルの多くは欲のぶつかり合いである

愛を与え合う関係性で、トラブルが発生しているという事態はあまり見聞きしないように思います。
相手を思いやり、相手を尊重し、相手がスムーズになるように配慮する。
こんな関係性にけんかなどが発生することは考えにくいです。

では愛の与え合いではない関係とはどんなものでしょうか。
それは愛の奪い合いです。
表面化しているか否かに関わらずけんかの原因はこちらのケースが多いようです。

先日、ネットの質問コーナーにこんな質問が寄せられていました。
ある独身男性が、1人で夜間にスーパーにいき値引きの商品を目的に買い物をしていたそうです。
男性は倹約家の方で、個人的な目標のために節約を頑張っているようでした。
しかし、行きつけのスーパーで値引き商品の購入を繰り返していたところ、どうも店員さんから嫌な視線を向けられていると感じることが多くなったそうです。
次第にその事実に精神的に参ってしまい、医師の診断を受けたところ軽い鬱症状になりかけてしまったとのこと。

男性は、診断書を持って店側にこんな事態になったのはおたくのせいなので、治療費と精神的苦痛を負わせた責任を金銭で請求したいと申し出ようと考えているそうです。

本来は値引き商品であろうと、商品を購入してもらえ、廃棄を減らすことにもつながるはずなのに、不当な視線を向けられるのは納得いかない。
むしろ感謝されるべきだし、店員はそのような態度を示すべきで、対応もよくするべき存在なのになぜ不当な視線を向けてきたのか理解に苦しむ。
ここは直接向き合って腹を割って話す必要があると考えている。
との内容でした。

確かに、男性側の主張は社会的な正しさとしては筋が通っています。
どんなお客様であっても、お金を支払ってくださっているのですから丁寧な対応をするように店側からも教育を受けているはずです。

ここまでくると、店員の立場としてではなく1人の人間としての店員と客側の精神的なケンカが発生してしまっているといえそうです。

両者に共通して発生している深層心理に
『自分は相手によって損をさせられた』という被害者意識があります。

店員側にしてみれば、
本来は正規価格で買ってほしい、
店の利益に貢献してほしい
そうしてくれないような値引きで買うようなお客は利益ではなく損失をもたらす

と値引き価格で商品を買われることに対してネガティブ面だけに焦点を当ててしまっているということになります。

お客さんの男性側も、店のロス対策に協力しているのに嫌な視線を向けないでほしい、自分に不愉快な思いをさせないでほしい。と期待している状態になっています。

両者の姿勢は、互いに
相手が悪く自分は被害者だ。
自分に利益をもたらすどころか損害を被(こうむ)らせてくる。
自分の都合のいいようにしてほしかったのに!
と要求し合っていることになります。

要求と要求がぶつかっている。
要求は他者の愛を自分側によこせという姿勢です。

店で気持ちよく買い物したいという男性側も、値引き価格しか払っていないわけなので受けられるサービスも『値引き』されてしまった、という見方もできるかもしれません。
(これはお客様ファーストの姿勢を持つべき店側としてはあるまじき行為ではありますが、そういう見方もできるという例えです。)

要求は『ほしかった』という欲です。
自分側に都合良くして「欲」しかった…

その欲を満たしてくれない相手が悪い!先に変わるべきは相手の方だ!

と他責の思考同士がぶつかり合っている
ということになるかもしれません。

自分を満たしてくれない相手が悪い!
となる根底には
自分が満たされていない
があります。
自分のことは自分でしか満たせないので、
それを相手に要求する姿勢はある意味
お門違いなのかもしれません。

お門違いとお門違いのぶつかり合い。
これがけんかの根本にあるのかもしれません。

男性と店の例えでいえば
両者は欲を相手にぶつけるのではなく
目の前に起こっている現実を受け入れ、
相手に期待せず
対策をしていくというのが現実的な対応になるのかもしれません。

店員さんは、
値引きでしか買わない人も現実的には普通に存在するので、
その現実を受け入れ態度には出さない。
お客様が正規価格で買おうが値引きで買おうが、店員の給与に直接関わることではないと考え直す。

男性客も、嫌な視線を向けてくるような人がいるような店には出向かないようにする。

お互いに現実的に対策をすれば、けんかにはならないということになります。

片方でも現実的な対策ができればけんかにはならないでしょう。

お互いの期待(要求)という欲がぶつかり合った結果発生したであろうと思われる事案の紹介でした。

イライラや怒り、ネガティブな感情は
なんで自分の思い通りにならないんだ!

という他責から発生するのかもしれません。

人間間のトラブルを個人的な視点から見た事例の紹介でした。

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