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手をつなぐ。・・・いつまで続くのか?

あるお母さんの悩み


先日、私たちが行っている(社)Tomoshowの対面イベントにて
あるお母さんからご相談がありました

子どもにつきそい登校しています
1年生ももう終わろうとしているのに
このまま続けてていいのか不安になります

とのことでした。
おおまかな回答は(社)TomoshowのInstagramを
ご覧ください

https://www.instagram.com/tomo_show2024

簡単に言うと「状況的に可能ならばいつまででもつきそってOK」という
回答です。

ここでは、我が家の体験談を書きたいと思います

上の子が入学した

上の子1年生になったとき
夫が言いました
「この一年は仕事に遅れてもいいから〇〇(上の子)を
送っていくことを優先する」
下の子がまだ幼稚園児で、スケジュール的に下の子を連れてのつきそいや
私が上の子につきそって、下の子を夫が送り出す
というのは難しい状況でした
そこで、夫が上の子
私が、下の子
という役割分担になったのです

夫のつきそい登校

わが家では、「学校に行くこと」を優先にしてました
学校の準備を自分でできなくても
お着替えができなくても
宿題が終わっていなくても
とにかく、学校に行く
他のことは今はできなくていい

そんなわけで、夫と私で協力して
上の子のメンタルをケアしつつ
お世話しつつ
一緒に玄関をでるという毎日でした

夫は根気強くつきそいました
仕事に遅れそうでも校門まで連れて行ってくれました
どうしても難しいときは
私が下の子を連れてつきそいました

行き渋る日もたくさんありました
このまま休ませようかと悩んだ日もありましたが
なんとか登校させました
※状況が許すならば休むという選択肢は悪いことじゃないと思います

こう書くと穏やかな日常に感じますが
嵐のような日々ではありました
とくに私がついイライラしてしまっていたし
上の子は慣れるのにとっても時間がかかるタイプなのです
穏やかで我慢強い夫には本当に助けられました

少しずつ変化するわが子

夏休み前まではほぼ毎日校門まで送っていきました
たまに、どうしても難しいときは「ここまで」ね
といって途中で送り出すこともありました

気がつくと途中から一人でいくことが増えてきました
本人が「ここでいい」というようになったのです
同じ時間に登校する顔なじみのお友達もでき
その子がいると安心する様子もありました
一人で登校するのはパワーがいるけれど
お友達がいるとそのお友達が力になってくれるようでした

「ここでいい」という場所がだんだん家から近くなり
家をでたところで「ここでいい」ということも増えました

連休明け、心配ごとがあるときなど
校門までついていくことがあったり
「お母さんについてきてほしい」というリクエストで
夫ではなく私がついていったりすることもありましたが

だんだんと、だんだんと、一人で歩く距離が長くなりました

突然訪れた「その時」

1年生が終わろうとしていた3月初旬
玄関を出る前にわが子がいいました
「ここでいい」

夫も私も驚きましたが平静を装い
「そうなんだ。いってらっしゃい」と送り出しました
ドアが閉まってから、窓際にダッシュして
登校する様子を見守りました
振り返ることなく歩いていきました

信じてよかったぁという安堵と
わが子の成長を嬉しく、誇らしく思う気持ちになりました

「その時」を信じて手をにぎり続ける

いつまでサポートをするのか
つきそい登校に限らず、子育てのすべての場面で
親が悩むことではないでしょうか

このままでは自分で何もできなくなってしまうのではないか
わがままな子に育つのではないか…
わたしのせいでいつまでも自分でできないのではないか…

子どものことを考えてもそうだし、
単純に、いつまで続くのか先がみえないと
とにかくしんどいし、投げ出したくなるときもありますよね

私はとっても悩みましたし、
つい強く怒ってしまうこともありました
ひどい言葉でダメ出しをしてしまうこともありました

それがなければもっとよかったなと思うこともありますが
「わたし」にはそんなのは無理なので後悔したり
自分を責めすぎたりしないようにしています

明星大学の星山麻木先生の講演や講義を聞く機会が何度が
あったのですが、先生のお話を聞いて

「心が安定したら、自然に頑張れるようになる」
(というニュアンスで正確な文言ではありません)
という考え方を信じることにしました

だめだったら、だめでもういい
一生お世話をしなければならない子になってしまったら
それはもう自分で責任をとる!
という気持ちで、子育ての方針を
子どもの「心の安定を保つ」ことを第一優先
「周りのペースと違ってもいい、この子のペースを大切にする」
という考えで子育てをすることに決めました

迷うこともあるけれど、今も基本的にこの考えで判断しています

つきそいができない時

つきそいをしてあげたいけれど、
時間的に無理!
精神的に無理!
肉体的に無理!!
という場合もあると思います

そんなときは
えいっ!と少し頑張れる「儀式」とつくったり
もっていたら、頑張れそう!という安心グッズ(おまもり)を
もたせるのはどうかな?と思っています

例えば…
「儀式」
朝、出発前ににぎゅっと抱きしめてあげる
(私はスキンシップが苦手なのでハイタッチ程度)
ハンカチをポケットに入れてあげるのは親がやるなど…
無理せずできそうなものをお子さんとの間でつくってみる
のはどうかなと思います

「安心グッズ」
大好きだよ、応援してるよと書いた手紙をランドセルに入れておいてあげる
筆箱に貼っていつでも見られるようにしておくのもいいかもしれません
ふわふわの肌触りのものなどは安心できるので
ぬいぐるみなども考えられますが、
担任の先生の方針もあると思いますので
お子さんも自分も、先生も納得できてもっていても平気なものを
相談して決められるといいかもしれません

でもね、そんなのできない!もう何も考えられない
といときは、何もしなくていいと思っています

一人で抱えないで、少し問題(と自分が感じていること)に目をつむって
よく寝てよく食べてほしいなと思います

親だって、一人で登校できない!というお子さんのように
一人で抱えられない、これ以上頑張れないというときがあると思います
そんな思いを受け止められるような
少し休んでまた頑張ろうと思えるような
そんな場所でありたいと思って
(社)Tomoshowは活動しています

読んだらちょっぴり心が軽くなる本

子育てで苦しいとき
悩みがあるとき
専門書を読んでも余計に追い詰められてしまうことが
私にはよくあります
そんなときにおすすめなのが
作家さんの育児エッセイを読むことです

私が最近読んでよかったのは東直子さんの『一緒に生きるー親子の風景ー』

お子さんのことを好きになりたいときはとにかく
星山麻木先生の本がおすすめです

星山先生の本は「発達障害」という言葉もでてきますが、
どんなお子さんであっても、ヒントになるような
まるっと受け止めてもらえるような
そんなあたたかい言葉にあふれています

つきそい登校してよかったこと

子どもが一人で行けるようになったこと以外にも
つきそい登校していてよかったなと思うことがいくつかあります
長くなったので、また今度書きます


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