「わからない」と言う勇気を持つ
「軽い知的障がいと言っても、生徒一人ひとり状況は全く違う。だから正直、私たちもわからないことが多い。日々、手探りで進めています」と、特別支援学校のベテランの先生。
私が「わからないことが多くて、迷います・・・」とグチをこぼした時に、おっしゃっていました。
この一言で、「自分が出来る範囲で授業をやっていくしかないんだ!」と私は腹をくくることができました。
心に留めておくことは、「自分はわからないから、相手を観察し続ける。そして、相手の立場になって、伝える」こと。
わかったふりはしない。わからなかったら、訊く。
この「わからない」「知らない」と言うこと。
とても言いにくい世の中になっている、と痛感しています。
特にこの5年くらいで、加速している気がしています。
私自身、「わからないと言っちゃダメ。何とか自分でやらねば!」となっていることが多々あります。
「やらねば」という”ねばねば病”。気づくと、1人で抱えている。
こんな時代だからでしょうか。研修では、みんなの前で質問する人は激減しています。
昭和の終りから平成最初の日本では、もう少しのんびりした雰囲気がありました。
一方で今は、労働人口が減ったため、1人に与えられる役割が増え、責任も重くなっている。
「世の中の変化が速くて・・・」という話もありますが、世の中が変化することは世の常。
今の変化が速いことは否めません。しかし今は、1人が抱える仕事が多くなり、ますます知らないことが増えるという状況。
知らないことがあり、どうしたら良いのか戸惑うのに、「知らない」と言えない。
結果、苦しくなる。このような悪循環になっているように思います。
「わからない」と言えずに私も苦しくなった経験が多々あるため、
今は積極的に「知らない」「わからない」と言っています。
結果、気持ちが楽になりました。苦しさを感じることも少なくなりました。
わからなかったら、教えてもらう。そして丁寧にお礼を伝えればいい。
私自身が多くを学べるこの学校は、私にとってかけがえのない大切な場所です。